新しい欧米トレンド -冷蔵スナックバー“Chilled Bar”-

このエントリーをはてなブックマークに追加

アメリカを中心に新しいトレンドとなっている、冷蔵で流通されるスナックバー”Chilled Bar(チルドバー)”。チルドバーとは、従来配合することが難しかった生菌や乳製品、水分含量の多い素材の使用が可能な冷蔵タイプのスナックバーです。また、ナチュラルかつシンプルなレシピで作られた、○○フリー(保存料フリー、着色料フリーなど)を訴求した商品も多く見受けられます。今回は欧米のスナックバー市場と、新しい商品ジャンル、“チルドバー”についてご紹介します。

世界のスナックバー市場

人口一人当たりの年間スナックバー消費量は、日本が約0.2kgなのに対し、アメリカでは1.4kgと約7倍の消費があります。アメリカと同程度スナックバーの消費量が多いオランダでは、人口一人当たり年間約1.0kgもスナックバーが消費されています。一方で、市場の年間成長率はアメリカが約2%、オランダではほぼ0%なのに対し、日本は約7%と成長傾向にあることが分かります。たんぱく高配合バーやダイエット向けの一食置き換えバーなどが、近年の日本のトレンドですが、世界的には機能性表示のついたバーや、フレッシュというキーワードがトレンドになっています。特に欧米では腸活にフューチャーした商品設計のスナックバーが増えてきており、スナックバーはジャンクな食品というイメージから、手軽に摂取できる健康食品というイメージに変わりつつあります。(※1)

欧米で大注目!!

冷蔵スナック菓子
“チルドバー”とは
ダウンロードはこちら

プロバイオティクス訴求

アメリカでは、プロバイオティクス市場が2ケタ成長を続けており、腸活訴求の商品には、生菌を配合することが主流です。配合する菌は1種類ではなく、目的に合わせて数種類の菌をミックスして配合することもありますが、従来こういった腸内環境に訴求した商品はサプリメントがメインでした。しかしより手軽に、美味しく摂取できる商品として、スナックバータイプの商品も増えてきており、大手食品メーカーからも健康に訴求したスナックバー商品が販売されるようになりました。

Nestle社のGood Belly PROBIOTICSシリーズでは、ジュース、ヨーグルト、ショットドリンクに加え、シリアルやスナックバーなどが展開されており、ヨーグルトや飲料にはもちろん、シリアルとスナックバーにも生菌が配合されています。これらの商品は、水分含量を低く設計しているため、菌は休眠状態になり、常温での保存が可能です。一方、PepsiCo社のスムージーブランドNakedからは、同ブランドのスムージーと同じ名前とコンセプトの、フレッシュ感をアピールしたチルドバーが発売されました。生菌を効率よく摂取でき、またよりナチュラルな原料で、よりおいしい商品を追求した結果、プロバイオティクス素材が配合された冷蔵で流通されるスナックバー、チルドバーが誕生したのです。

また、プロバイオティクス素材として配合した生菌の効果を最大限に発揮させるために、食物繊維などのプレバイオティクス素材も配合する商品設計は、様々な食品ジャンルでも見受けられますが、Chilled Bar(チルドバー)にもその傾向があります。特にアジアでは腸内環境を訴求した製品にプレバイオティクス素材が配合されていることが、諸外国と比較して多く、プレバイオティクス素材としては、イヌリンやレジスタントスターチなどが注目されています。

〉「レジスタントスターチ」とは

ナチュラル訴求

生菌が配合された”PROBIOTICS”表記のバーだけでなく、加工を最低限に抑えた、シンプルなレシピのスナックバーも増えてきています。これらのスナックバーは、着色料や保存料などを使用しないことや、より原料が“生(RAW)”の状態に近いため、冷蔵で保存する必要があります。さらに、スナックバーがチルド棚にあることで、消費者により“フレッシュ”さをアピールすることができ、スナックバーにつきまとう“ジャンク”さというイメージを取り払うことができます。

こういったシンプルな商品は、ナッツやフルーツ、シードオイルなど、一般に広く知られている食品素材を原料とし、添加物を用いないことから、持続可能な商品としても消費者から賛同を得ることができます。また、昔ながらのシンプルなレシピにすることで、消費者に安心感を与えることができ、他のスナックバーと差別化することが可能となります。

市販品のより詳細な情報については以下お役立ち資料をご参照ください。
〉【食品開発のネタ帳】チルドバーの欧米トレンドと商品設計のヒント

参考文献
※1)MINTEL REPORT: A year of innovation in snack bars, 2019

欧米で大注目!!

冷蔵スナック菓子
“チルドバー”とは
ダウンロードはこちら

チルドバーの欧米トレンドと商品設計のヒント

無料!

冷蔵流通のバータイプのスナック菓子、『Chilled Bar』は、
アメリカを中心に人気が高まってきています。
市販品のトレンドや商品設計のヒントをご紹介します。

資料内容

  • チルドバーとは
  • 市販品の紹介
  • 腸内環境に訴求したチルドバーの特徴
  • レジスタントスターチについて
  • バナナマッシュ®-SSの紹介
今すぐダウンロード
ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

ペクチンの概要と種類、物性改良剤としての機能や使い方のコツについて解説します。

市場規模が成長を続ける完全栄養食。その現状と今後の展望、さらに拡大の壁になりそうな要因について紹介します。

世界的にブームであるグミ。今回はアメリカで市販されている注目のグミ5品をご紹介します。

令和4年「国民健康・栄養調査」の結果の概要が発表されました。日本人の栄養摂取や生活習慣から、商品開発の糸口を探します。

アメリカの自然派食品スーパー大手「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」が10月16日に発表した、2025年の食品トレンド予測の内容をご紹介します。

食品開発ラボ 運営会社のご紹介

食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。

サイト内検索

人気記事ランキング

  • ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

    ペクチンとは?
    構造や種類・ゲル化の仕組みなどを徹底解説!

  • 白キクラゲ多糖~概要や効果・食品応用例など徹底解説

    シロキクラゲ多糖体とは?特徴から食品応用例、効果まで徹底解説

  • 「とろとろ」「ぷるぷる」美味しさを引き出す ゲル化剤・増粘剤

    ゲル化剤・増粘剤とは?種類や用途・利用事例をご紹介

  • アルギン酸とは~構造や製造工程、効果を徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • アップサイクル食品とは?

    廃棄寸前食材を活用!サステナブルな社会の実現を目指す「アップサイクル食品」

基礎知識特集

  • ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

    ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

  • キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

    キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

  • カラギナンとは~基礎から徹底解説

    カラギナンとは~基礎から徹底解説

  • ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

    ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

  • メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

    メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

  • ゼラチンとは~基礎から徹底解説

    ゼラチンとは~基礎から徹底解説

  • コラーゲンとは~基礎から徹底解説

    コラーゲンとは~基礎から徹底解説

  • アラビアガムとは~基礎から徹底解説

    アラビアガムとは~基礎から徹底解説

  • ジェランガムとは~基礎から徹底解説

    ジェランガムとは~基礎から徹底解説

  • アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • 寒天とは~基礎から徹底解説

    寒天とは~基礎から徹底解説

  • グルコマンナンとは~基礎から徹底解説

    グルコマンナンとは~基礎から徹底解説