グルコマンナンとは食用コンニャクの主成分で、優れた保水性や高い粘性、ゲル化能、ほかの多糖類との相乗性など様々な特性を有しています。本コラムではグルコマンナンの基礎から食品への応用例まで解説していきます。
グルコマンナンはコンニャクイモ(Amorphophallus konjac)の塊茎に約10%含まれる水溶性多糖類で、こんにゃく粉をアルコール精製することによって抽出されます。粉末の性状は白色で、味および臭気はほとんどありません。
グルコマンナンは水に容易に溶解し、1%溶液で30,000 mPa・s以上と高い粘性を示します。
食塩、pH、熱に比較的安定で、影響を受けにくいとされています。
グルコマンナン溶液に凝固剤(水酸化カルシウム)を添加し加熱することで、熱不可性のゲルを形成します。これは分子内のアセチル基が加熱によって離脱し、カルシウムイオンによって架橋領域を形成するためです。また、キサンタンガムと併用することでもゲルを形成することが分かっています。
グルコマンナンはカラギナンと相互作用し、架橋領域を形成します。実際にキサンタンガム+カラギナンのゲルにグルコマンナンを併用することで、相乗的にゲル強度が上昇することがわかっています。
グルコマンナンは優れた保水性やゲル化能、高い粘性など様々な物性を有しているため、多くの食品に応用することが可能です。
ゼリー…2-4にあるように、グルコマンナンはほかの増粘多糖類との相乗性があるため、ゼリーの食感を変えたり弾力を上げたりする目的で併用されることがあります。
パン…グルコマンナンはその優れた保水性から、パン生地の乾燥防止目的で使用されることがあります。また、生地にもちっとした食感を付与することができます。
畜肉製品…結着性の向上やジューシー感の付与に使用されることがあります。
麺類…食感の改良や茹で伸び防止に使用されることがあります。
機能性素材…グルコマンナンは特定保健用食品の素材として「血中コレステロール低減作用」の認可を受けており、サプリメントとして使用されることがあります。
グルコマンナンは優れた保水性やほかの多糖類との相乗性など、様々な機能を有しているため、多くの食品で活用されています。ぜひ商品開発にお役立てください。
(参考文献)
・國崎直道ほか、『食品多糖類』、2001年。
・小林昭一ほか、『良くわかる食品新素材』、2010年。
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