ハイドロコロイドの基礎
~ペクチン・カラギナンなど徹底解説~
アラビアガムとは植物の樹液を原料とする多糖類です。食品分野では増粘安定剤として広く活用されています。アラビアガムの基礎から食品への応用例まで解説していきます。
アラビアガムとは、アラビアゴムとも呼ばれ、マメ科アカシア属の植物の樹から出る樹液の粘質物であり、高分子多糖類です。アカシアの木は、アフリカ大陸を横切る北緯10~20度の間のガムベルトと呼ばれる地域で育ちます。中でも、スーダンで最も多く生産されるといわれています。
コンパクトな分子構造を持ち、さらにタンパク質を含むことが特徴です。また優れた乳化安定性やコーティングの機能から食品や医薬品、及び工業製品の分野で活用されています。
食品と医薬品には、主にセネガル種とセヤル種の2種から採取されるアラビアガムが使用されています。一般的にセネガル種は乳化力がすぐれているため乳化安定を目的とした際にはセネガル種のアラビアガムが利用される傾向にあります。
樹木から浸出した樹液が乾燥したものを採取、選別され等級分けされます。その後粉砕加工や粉末化処理により製品化されます。形状としては、塊、粗砕、スプレードライ粉末、顆粒といったものが一般的です。選別の際には、高級、低級に分けられ、それぞれの用途に使用されています。
~ペクチン・カラギナンなど徹底解説~
アラビアガムの特性は、低粘性、乳化特性、コーティングの機能などがあります。溶解性については、冷水に溶け、40~50%以上の高濃度まで溶解可能です。
アラビアガムの構造は、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸や少量のタンパクから構成されています。
アラビアガムの大きな特徴は、乳化特性に優れていることです。酸性でも安定しているので、飲料などの香料の乳化剤として多く活用されています。この乳化特性は、アラビアガムの分子量が大きいほど高いとされています。また、アラビアガムが飲料の物性や呈味に悪影響を及ぼさないことも広く活用される要因です。
フィルム形成機能、つまりコーティング機能に優れています。アラビアガムのフィルムは柔軟で乾燥後チョコレートなどの糖衣コーティングに活用できます。
アラビアガムは、その特性などから、次のような多様な食品へと応用することが可能です。
飲料…乳化香料、気泡安定化などの機能から多く飲料に使用されます。ビールの泡の保持にも利用されています。
ワイン…テクスチャーの改善や、タンニンの沈殿を防ぐ機能があります。
お菓子…砂糖結晶化防止、結着性、気泡安定化の機能から広く菓子に使用されます。チョコレートやキャンディー、チューインガムなどではコーディングとしても利用されます。
パン…高濃度で溶解して焼成前に塗ることで表面の光沢剤として利用されています。パンの他、ビスケットなどにも応用できます。
冷菓…乳化特性のほか、氷晶防止の機能も活用されます。
乳化香料、粉末香料…乳化特性の機能のほか、粉末香料ではカプセル化の機能も活用されます。例えば、柑橘由来の油溶性香料、カロテノイド色素などの油溶性色素を乳化する作用から、乳化香料や乳化色素製剤を調製する用途で使用されます。
機能性食品…食物繊維として使用されます。
~ペクチン・カラギナンなど徹底解説~
アラビアガムは、粘度が低く、乳化特性があることから、菓子や飲料など様々な食品で活用されています。この特性を踏まえた上で、適した食品に有効活用していきましょう。
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食品の水分保持、増粘、ゲル化、安定化を目的として
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ハイドロコロイドの基礎を徹底解説します。
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