シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用解凍した魚卵から離水が生じ重量が減ってしまうというご相談をよく受けるようになりました。多くの海産物が値上がりしていくなか、いかにして歩留まりをあげるかは重要な開発テーマとなっているのではないでしょうか。また離水によって旨味の流出や生臭さにつながるため商品価値の維持という点からも離水のコントロールは重要なテーマです。
海産物(魚卵)の離水抑制という難しいテーマに対して取り組んだ事例をご紹介します。
今回利用する多糖類は(1)保水性が高いこと(2)冷凍耐性があること(3)ねとつきが少なく食感に影響を与えないことからシロキクラゲ抽出物「トレメルガム」を選びました。目的は、解凍後の離水抑制・歩留まり向上と食感改良です。
【関連情報】
醤油、みりん、塩、グラニュー糖、トレメルガム製剤でつくったタレにイクラを漬け込み、急速冷凍しました。コントロールとしてトレメルガム製剤を配合していないタレでも同様に試験しました。初期重量、浸漬後重量、解凍後重量と解凍後の粒の張り(テクスチャーアナライザーによる破断強度を測定)を測定しました。
シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用浸漬前後のいくら重量を比較すると、調味液にトレメルガム製剤を配合することで歩留まりが向上することがわかりました(図1)。また、解凍後の継時変化でも離水の抑制を確認することができました(図2)。
さらに、テクスチャーアナライザーによる食感を比較したところトレメルガム製剤を配合することで粒の張りが保たれていることが分かりました。
イクラ同様にたらこのバラ子でも検証を行いました。トレメルガム製剤配合区とデキストリン配合区を比べたところ、トレメルガム製剤配合区では離水が抑制され結着性が優れている結果となりました(写真)。
魚卵のような冷凍流通される商品の離水や食感に課題がある際はシロキクラゲ抽出物「トレメルガム」をお試しください。
※今回の検証で利用したトレメルガム製剤は、ユニテックフーズが開発したトレメルガム入りの独自製剤です。使用量等の詳細はお問い合わせください。
【ユニテックフーズお問い合わせ先】
白キクラゲ抽出部 「トレメルガム」について、どのような特徴があるのか?
どのような加工食品でどのように利用されるのか?
今回は「冷凍解凍耐性」をテーマに取得したデータに基づいて解説しています。
食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。