シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用シロキクラゲから抽出した「トレメルガム」は、「高い保水力&低い粘性(曳糸性)」という特徴を利用して様々な加工食品で利用されています。
今回はトレメルガムの「乳製品×冷凍解凍耐性向上・離水抑制」での利用についてご紹介します。
ホイップクリームは冷蔵保存中の乾燥や冷凍保存中の乾燥によりクリームのひび割れが発生し、解乳化現象が引き起こされ、離水の発生や食味の劣化が生じることが課題の一つとして知られています。そこで、ホイップクリーム貯蔵中の安定性を向上させるためにトレメルガムを0.05%配合した場合の効果を検証しました。
試験方法としては、生クリームに砂糖およびトレメルガムを加え、氷で冷しながらホイップ、造花した後、4℃で12時間静置後、食感および保形性を比較しました。
トレメルガム配合区は配合していない区、保形性がありふんわりとした食感となっていました。保形目的でよく使われるキサンタンガム&グァーガム添加区と比べても、保形性は同等ですが食感は改善されネトつきを感じにくくなめらかな舌触りです。
また、冷凍ホイップクリームでも同様に試験を行いました。トレメルガムを配合していない区では解凍後にホイップクリームの保形性が低下したためひだの輪郭が不明瞭になっています(写真左)。一方トレメルガム配合区では解凍後もホイップクリームのひだの輪郭が鮮明であり、保形性が維持されています(写真右)。食感に関してもトレメルガムを配合することで冷凍解凍後のぼそぼそとした食感が改善され、冷凍前と同等のなめらかさが維持されていました。
このようにホイップクリームにトレメルガムを利用することで冷蔵および冷凍保存時での保形性や食感を改善することができます。従来使用されてきた増粘多糖類と比較しても安定性が高く、ねとつきがなく、軽くてなめからな食感のホイップクリームとなります。
シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用ヨーグルトの表面にたまっている水分、皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。今回はセットタイプヨーグルトの離水防止のためトレメルガムを0.1%配合した場合の効果を検証しました。試験方法としては脱脂粉乳、トレメルガムを60℃の湯に溶解後、TKホモジナイザーを用いて撹拌し、85℃達温後に30分静置。42℃まで冷却し、スターターを添加し撹拌後充填し、40℃にて発酵。pH4.4に達した後、冷蔵庫保管という工程で作製しました。
その結果、トレメルガムをセットタイプヨーグルトに対して0.1%添加すると離水を抑えることが確認できました。離水率を比較すると、配合していない区では3.3%程の離水が発生しているのに対し、トレメルガム配合区では1.0%以下にまで抑えられていました(図2)。また、トレメルガムを配合したヨーグルトはほとんどねとつきを感じることなく、離水を防止することができます。
今回は、シロキクラゲ多糖「トレメルガム」の乳製品への応用についてご紹介しました。
食感改良や離水防止などでお困りの場合はぜひお問い合わせください。
白キクラゲ抽出部 「トレメルガム」について、どのような特徴があるのか?
どのような加工食品でどのように利用されるのか?
今回は「冷凍解凍耐性」をテーマに取得したデータに基づいて解説しています。
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