シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用キクラゲは、日頃、ラーメンの具や酢の物、刺身などでよくお目にかかりますが、シロキクラゲについては、高級食材として扱われており、主に中国料理の薬膳料理やデザートなどに利用されています。
近年では、「シロキクラゲ多糖体」と呼ばれるシロキクラゲの抽出物がその高い保水力を活かして、化粧品でも利用されるようになりました。このシロキクラゲ多糖体は、物性改良剤として食品に応用することも可能です。実際、どのような食品に応用できるのか、シロキクラゲの歴史から概要、特徴を踏まえた上でみていきましょう。
*シロキクラゲ多糖体を使った独自商品トレメルガムについては「トレメルガム(シロキクラゲ多糖体)の効果と使用例」や「トレメルガムのお役立ち資料」で詳しくご紹介しております。
シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用シロキクラゲとは、シロキクラゲ科シロキクラゲ属のキノコです。花びら状、耳状などといわれる形状をしており、不規則なのが特徴です。通常の黒いキクラゲと比べて、きれいな花びら状をしています。大きさは直径3~10㎝程度です。
(漢字表記は「白木耳」、学名は「Tremella fuciformis」)
野生のシロキクラゲは、中国では数が少ないことから希少価値が高いため、昔から高級食材として薬膳料理やデザートなどに重宝されてきました。
シロキクラゲは、漢方として、最も古い薬学書である1578年の「本草綱目」に記載されており、かの有名な西太后、楊貴妃が滋養強壮や美容のために摂取していたとも伝えられているくらい、古くから親しまれてきた歴史の長い食材です。
シロキクラゲ多糖体とは、シロキクラゲから抽出された天然の多糖体のことで、日本でも化粧品や機能性食品として使用されています。
特に保水力が大変高く、保湿成分である「ヒアルロン酸」の保水力を大きく上回るほどの力を持つとされており、スキンケア製品に使用されます。
また、機能性も優れており、脂肪吸収抑制、腸内フローラの改善、胃粘膜保護などの機能が報告されていることから、健康食品や伝統医薬としても利用されています。
シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用上述のように、シロキクラゲ多糖体は高い保水力を有するため、物性改良用途として加工食品に応用することも可能です。
物性改良剤としての「シロキクラゲ多糖体」は、低粘度で高い保水力、優れた冷凍解凍耐性を持つという特徴を有します。それにより、食感に影響を与えずにさまざまな食品へ応用することができます。
シロキクラゲ多糖体は、次のような食品への応用が可能で、シロキクラゲ多糖体の効果・効能は多くの食品で活用されています。
例.ハンバーグ、フライ製品、シュウマイ、卵焼きなど
効果:
・離水防止、歩留まり向上
・食感向上、パサつきの改善
・組織の荒れ防止
人手不足や利便性から好調な冷凍食品市場ですが、「解凍後の食感」が常に課題となっています。
例えばゼリーを冷凍解凍したときに、組織が荒れ離水が起こってしまうという現象が起きます。しかしシロキクラゲ多糖体なら、砂糖、ゲル化剤と共に溶解し、一晩冷蔵したものを冷凍解凍すると組織の荒れもなく、離水を防止できることから、冷凍前とほぼ変わりない食感を維持することができます。これは調味料のタレでも同様の効果が期待できます。
また、冷凍総菜のハンバーグにおいても、通常だとぼそぼそ感がありますが、シロキクラゲ多糖体ならふっくらジューシーに仕上がります。さらに焼成前後の歩留まり率、レンジアップ前後の歩留まり率共に、シロキクラゲ多糖体を使用したほうが高い結果も出ています。
また、シロキクラゲ多糖体が水を抱えることにより保水性が向上するため、例えば、冷凍総菜の卵焼きも、組織の荒れや離水が防止され、なめらかさやしっとり感を得ることができます。また冷凍食品の米飯についても、冷凍解凍後も柔らかさともちもち感を維持できます。
例.ケーキ、アイス、ゼリー、プリンなど
効果:
・なめらかさ向上
・離水防止
冷凍デザートについても、例えば、冷凍解凍によるホイップクリームの組織の荒れ、ぼそぼそ感が、シロキクラゲ多糖体を加えることで保形性があり、なめらかな食感に変わります。
その他、ヨーグルトでは離水防止効果が期待できます。
【関連情報】
例. パン、ホットケーキ、麺類、ドーナツなど
効果:
・しっとり感付与、口どけ向上
・伸展性の向上
・きめ細かい生地の形成
小麦製品のパンの例では、シロキクラゲ多糖体を加えたパンは、乳化剤無添加でも滑らかな食感で、口どけが向上します。
また、キメ細かい内層をつくり、冷凍時でも高い保水力を持ち、生地の老化抑制に役立ちます。このことから、パンにおいては、きめ細かい生地の形成や優れた口どけ期待できます。
【関連情報】
シロキクラゲ多糖体“トレメルガム”
基礎特性と冷凍食品への利用シロキクラゲ多糖体は、その高い保水力や冷凍耐性を利用し、様々な食品に応用することが可能です。また、低粘度で増粘剤特有の嫌なねとつきがないことも特徴です。
白キクラゲ抽出部 「トレメルガム」について、どのような特徴があるのか?
どのような加工食品でどのように利用されるのか?
今回は「冷凍解凍耐性」をテーマに取得したデータに基づいて解説しています。
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