海外の調味料トレンド【アメリカ】

この記事では、ソースやドレッシングなどアメリカで人気の調味料製品を紹介します。アボカド、トリュフ、インターナショナル、ビーガンに焦点を当て、各調味料製品の特徴を解説します。
（調査日：2023年7月）

アボカド
トリュフ
インターナショナル
ビーガン
まとめ

調査会社Innova Market Insightsによると、アメリカでは、2022年（1月〜11月）のソースおよびシーズニング（粉末の混合調味料）カテゴリーにのける新製品の導入が、2021年の同時期と比較して約10％増加しました。特に、クッキングソースにおいては約15%の伸びとなっています¹⁾。

アボカド

アメリカでは、アボカドの果肉やオイルを使用した食品が増えています。大手消費財メーカーUnilever USAの傘下にあるブランドSir Kensington’sは、アボカドオイル・マヨネーズを販売しています。原材料は、アボカドオイル、卵黄、水、醸造酢、ライム濃縮果汁、クエン酸、ライムオイルのみで、従来のマヨネーズと同様になめらかでクリーミーな味わいに仕上がっている点が特徴です。

また、アメリカで絶大な人気を誇るチキン専門ファーストフードチェーンChick-fil-Aは、2023年5月から小売用のサラダドレッシングの販売を全米で開始しました²⁾。中でも、最も人気が高いドレッシングが、アボカド入りのクリーミーなドレッシング（商品名：Avocado Lime Ranch Dressing）です。原材料は、大豆油、バターミルク、水、アボカド、醸造酢、卵黄、砂糖、香辛料、ライム濃縮果汁などとなっています。

トリュフ

トリュフは、近年アメリカで人気が高いフレーバーの1つで、調味料だけでなくチョコレートやポテトチップス、アイスクリームなどさまざまな市販品で展開されています。

Truff社は、トリュフオイルやソースなどを手がけており、中でも黒トリュフ入りのホットソース（商品名：TRUFF Original Hot Sauce）は、ソーシャルメディアでも話題の商品です。ホットソースとは唐辛子をベースにしたアメリカでは定番の辛味調味料であり、同製品はピザやスクランブルエッグ、アボカドトーストなどにかけるとよく合います。

また、アメリカで人気のスーパーマーケットTrade Joe’sは、トリュフフレーバーのケチャップやアイオリソースをPB商品で展開しています。

インターナショナル

Omsomのクッキングソースシリーズ
（写真提供：Omsom）https://omsom.com/

近年アメリカでは、インターナショナルなフレーバーの食品に対する需要が高まっています。Omsomは、アジア料理に特化した使い切りタイプのクッキングソースを販売するブランドです。創業者のルーツであるベトナム料理（レモングラスBBQ）をはじめ、中華（麻辣ソース）、韓国（プルコギ）、日本（ゆず味噌）、タイ（ラープ）、フィリピン（シシグ）のソースが展開されています。使い方は、野菜や肉・魚介を準備し、パウチに入ったソースと一緒にフライパンで炒めるだけです。Omsomは2020年創業の新しい企業ですが、すでにWhole Foods Market（全米最大のオーガニックスーパーマーケット）でも商品が販売されており、2021年には米ウォルト・ディズニー・カンパニーとコラボ製品を手がけています。

ビーガン

Bitchin’ Sauceのディップソースシリーズ
（写真提供：Bitchin’ Sauce）https://bitchinsauce.com/

アメリカでは動物性原料を使用しないビーガン対応の調味料も需要が高まっています。ビーガンソースで有名なブランドの1つが、Bitchin’ Sauceです。アーモンドをベースにしたペースト状のディップソースですが、ハンバーガーやサンドイッチのソースにしたり、サラダドレッシングにしたり、肉や魚をマリネしたり、さまざまな使い方が可能です。オリジナルタイプの原材料には、水、グレープシードオイル、アーモンド、レモン果汁、しょうゆ、ニュートリショナルイースト、にんにく、スパイス、食塩が使用されています。現在は約15種類の商品が販売されており、数種類の唐辛子をブレンドした辛いタイプのものから、インディアンスパイスをブレンドしたもの、なすとオリーブをブレンドしたものまで、幅広い商品展開となっています。

まとめ

アメリカのソースおよびシーズニング市場では新製品が多く登場し、アボカドやトリュフなどの新しいフレーバーが注目を集めています。またビーガン対応の調味料も広がりを見せ、多様な味わいと使い方が楽しめるラインナップが登場しています。

参考文献
^*1https://www.preparedfoods.com/articles/128063-consumers-turn-to-sauces-and-dressings-for-adventuresome-flavor
^*2https://www.chick-fil-a.com/stories/news/bottled-salad-dressings-available-nationwide

一覧に戻る

食品開発に関するお役立ち資料を無料進呈

今注目を集めている食品トレンド情報や
食品開発に関する資料を
無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。

無料提供資料

今すぐダウンロード

ハイドロコロイドの基礎

～ペクチン・カラギナンなど徹底解説～

ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、
カラギナンなど
ハイドロコロイドに
ついて徹底解説。
ハイドロコロイドの概要から、
各種の特徴を全75ページにわたって
徹底に解説しています。
是非ご覧ください。

資料内容

ハイドロコロイドの概要　
～分類、由来原料、産地
ハイドロコロイド各論
(ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カラギナン、グァーガムなど)
相乗効果、応用例　
～他の多糖類との併用

ダウンロードはこちら

ペクチンとは？
構造や種類・ゲル化の仕組みなどを徹底解説！

ペクチンの概要と種類、物性改良剤としての機能や使い方のコツについて解説します。

データから見る完全栄養食市場のこれから「完全栄養食」のさらなる普及のために打破すべき壁とは

市場規模が成長を続ける完全栄養食。その現状と今後の展望、さらに拡大の壁になりそうな要因について紹介します。

多様化がとまらない! アメリカのグミ市販品5種をご紹介

世界的にブームであるグミ。今回はアメリカで市販されている注目のグミ5品をご紹介します。

令和4年「国民健康・栄養調査」の結果から見る食品開発の切り口

令和４年「国民健康・栄養調査」の結果の概要が発表されました。日本人の栄養摂取や生活習慣から、商品開発の糸口を探します。

2025年注目の食品トレンドTop10をご紹介【Whole Foods Market予測】

アメリカの自然派食品スーパー大手「Whole Foods Market（ホールフーズマーケット）」が10月16日に発表した、2025年の食品トレンド予測の内容をご紹介します。

食品開発ラボ　運営会社のご紹介

食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。