冷凍食品市場が今盛り上がっています。一般社団法人日本冷凍食品協会の調査では、2022年の冷凍食品国内生産の金額合計値 (工場出荷) と国民一人当たり消費量が過去最高値となっています。2024年1月には、宅配冷凍弁当市場に味の素株式会社が参入したことが話題なりました。「冷凍食品」で繰り広げられる「熱い」動き。なぜ冷凍食品市場がここまで注目されるのでしょうか。その背景に迫っていきます。
冷凍食品の市場は、今がまさに「熱い」です。国民一人あたりの冷凍食品の消費量は2022年に23.9kg/年まで達し、過去最高となりました1)。国内の消費金額も合計額も1兆2,065億円となり、こちらも過去最高となりました。近年の冷凍食品市場の拡大の要因として。コロナ禍が挙げられます。コロナ禍で外出の自粛が叫ばれる中、内食・中食の需要が高まる中、その受け皿となり、注目度が高まりました。加えて、冷凍食品はその手軽さも魅力です。時間に追われる現代社会では、料理の手間を減らしたいというニーズは強くあります。単身世帯、高齢者世帯、子育て世帯などにとって、冷凍食品はその強力な武器になります。
冷凍食品市場には、大手企業も参入し活発な動きを見せています。2024年1月31日に味の素株式会社は、宅配冷凍弁当「あえて、」の定期便サービスをリリースしました。味の素社は、冷凍おかず定期便サービス「三ツ星ファーム」を提供する株式会社イングリウッドとの協業での展開となります。この「あえて、」は「おいしくて栄養バランスの良い食生活への更なる貢献に向け、最も手“間”抜きなスタイルを実現できる食事」として開発されました2)。完全メシを展開する日清食品株式会社は、「冷凍完全メシDELI」シリーズを2023年12月11日にオンラインストアで発売開始しました。オムライス、かつ丼、ピザ、パスタなどのラインナップをそろえ、ビタミンやミネラルなどの33種類栄養素をおいしく手軽に摂ることが出来る設計になっています3)。
味の素社や日清食品社の動向より、おかず一品ではなく一食まるごと、美味しさだけでなく栄養バランス・健康も重要という傾向が伺えます。一昔前の冷凍食品と言えば、お弁当のおかずのコロッケやハンバーグというイメージですが、今では単なるおかずに留まるものではない状況です。このような流れになっていったのは、社会全体として健康に対する意識が高まる中で食の役割が増していくとともに、冷凍技術や配達網の発展も見逃せないです。SDGsが叫ばれる中で、フードロスにつながる冷凍食品はますます期待されています。様々な技術の結晶である冷凍食品は、まさに人類の夢をのせた食品でしょう。
今回は冷凍食品について紹介しました。今後も市場が発展すると見込まれる冷凍食品は、そのおいしさ、栄養バランスを追求するためにますます改良されていくでしょう。冷凍食品の「熱気」の広まりに、これからも注目です。
1) 一般社団法人 日本冷凍食品協会 令和 4 年(1~12 月)冷凍食品の生産・消費について(速報)
https://www.reishokukyo.or.jp/statistic/pdf-data-3/
2) 味の素㈱が開発した宅配冷凍弁当「あえて、」新登場
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2024_01_31_02.html
3) 完全メシ KANZEN MEAL
https://www.nissinkanzenmeshi.com/
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