2025年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「麻辣湯(マーラータン)」1)。近年、日本国内で専門店の出店が相次ぎ、コンビニ向けの中食商品も登場するなど、食品業界でも注目を集めています。この記事では、麻辣湯の特徴と人気の背景、韓国市場の展開事例について紹介します。
(調査日:2026年2月)
麻辣湯(筆者撮影) 麻辣湯は、麺や春雨、野菜、肉などを煮込んだ中国・四川省発祥のスープ料理です。「麻」は花椒(ホアジャオ)のしびれる辛さ、「辣」は唐辛子のヒリヒリとした辛さ、「湯」はスープを意味します。薬膳スパイスを使用するのが一般的で、しびれと辛さを同時に味わえる点が特徴。一度食べるとクセになると、若年層を中心に支持を集めています。
麻辣湯専門店のショーケース(筆者撮影) 麻辣湯が国内で人気を集めている最大の理由は、カスタマイズ性の高さです2)。多くの専門店では、重さで会計する量り売りスタイルが採用されています。冷蔵ショーケースに並ぶ麺類、野菜、肉、魚介、練り物、きのこ類などから、好きな具材を好きな量だけ選び、自分好みの一杯を作ることが可能です。
その日の気分や食欲に合わせて調整ができ、野菜や低糖質な春雨を中心に選ぶとヘルシーな一杯にもなります。店舗によっては、スープの辛さレベルを選べるほか、ごまだれや黒酢、唐辛子を加えて味を調整できる点も特徴です。
こうした「自分で選べる」「自分に合った食事をできる」仕組みは、健康志向や個人の嗜好の多様化が進むなかで、消費者に受け入れられやすい要素といえるでしょう。
セブンイレブンの「つるもち太麺春雨 麻辣湯」(筆者撮影) 麻辣湯は現在、外食専門店を中心に広がっています。国内の人気チェーンのひとつ「七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)」は、北海道から福岡県まで57店舗3)を展開中です(執筆時時点)。
こうした外食での人気を背景に、中食や即席市場への展開も進んでいます。コンビニの冷蔵弁当・惣菜コーナーでは、電子レンジで温めるだけで食べられる商品が登場し、セブンイレブンは「つるもち太麺春雨 麻辣湯」を発売。つるんとした春雨に、唐辛子と花椒が効いたヒリヒリ旨辛スープが特徴の一杯です。
また、医食同源ドットコムが手がける麻辣湯のカップ麺は、さつまいもデンプンで作られた春雨のもちもち食感が特徴で、2024年9月の発売から約1年間で累計出荷数500万個を超えるヒット商品となっています4)。
日本に先行して、韓国では2019年頃から麻辣湯のブームが進行し、専門店が増加しました。辛味のある食べ物への親和性の高さに加え、消費者の新しい味覚体験を求める傾向が背景にあると考えられます。
韓国市場の特徴は、麻辣湯という料理単体だけでなく、しびれる辛さの「麻辣味」そのものが人気を集めた点です。コンビニで麻辣ソースを使った電子レンジ調理食品が販売されたほか、麻辣味のカップ麺やポテトチップスなどが商品化されています。人気フライドチキンチェーンでも麻辣ソースを使った商品をメニューが登場するなど、外食・中食・内食の各領域で展開が進みました5)。
麻辣湯そのものの内食向け商品も販売されています。韓国の大手スーパー「Lotte Mart」のオンラインストアでは、生麺とスープの素をセットにした冷蔵商品や、春雨タイプのカロリー控えめカップ麺などが販売されています6)。これらは外食体験を家庭で手軽に再現できる商品設計が特徴です。
麻辣湯は、しびれる辛さが特徴の薬膳スープ料理で、麺や具材を自由に選べるカスタマイズ性が消費者から支持を集めています。日本では外食での人気を起点に、コンビニなどの中食向け商品へと広がりを見せています。
一方、韓国市場では、「麻辣味」というフレーバーがさまざまな商品カテゴリーに応用されており、日本でも同様の広がりが生まれる可能性があります。こうした国内外の動きを踏まえると、麻辣湯は単なる一過性のブームではなく、カスタマイズ性や新しい味覚体験といった消費者ニーズに応える商品として、今後も継続的に注目すべきトレンドといえるでしょう。
【参考資料】
1. T&D保険グループ 新語・流行語大賞 第42回 2025年 授賞語(閲覧日:2026年2月19日)
https://www.jiyu.co.jp/singo/
2. ぐるなび PRO 麻辣湯とは?(閲覧日:2026年2月19日)
https://pro.gnavi.co.jp/magazine/t_res/cat_6/a_4746/
3. 七宝麻辣湯 各店舗のご案内(閲覧日:2026年2月19日)
https://maratan.com/shop
4. PR TIMES 累計出荷数約531万個の大人気カップ春雨麺『中華房 麻辣燙』より待望の袋麺が新登場!(閲覧日:2026年2月19日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000017084.html
5. KOREA.net Mala mania makes Koreans taste the burn(閲覧日:2026年2月19日)
https://www.korea.net/NewsFocus/Culture/view?articleId=173004
6. Lotte Mart 麻辣湯検索ページ(2026年2月19日閲覧)
https://lottemartzetta.com/products/search?q=%EB%A7%88%EB%9D%BC%ED%83%95

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