フランス 食品市場情報 2018~フランス食品市場の最新トレンド

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いま、フランス食品市場の動向はどのようになっているのでしょうか。その最新トレンドについて、今年4月から5月にかけてのパリ訪問により得た情報を元に「植物性デザート」「チルド惣菜市場」「ミルク」の3つのポイントに絞ってご紹介します。

フランス食品市場動向概要

ユニテックフーズは、2018年4月~5月にかけてフランスのパリを訪問し、新製品情報やスーパーの棚割り調査を実施しました。特に注目すべき動きとしては次の3つがありました。

(1)ヨーグルト市場の縮小に対応すべく、各メーカーが植物性デザートの新製品を相次いで投入している。
(2)チルド総菜市場は、総菜・レディミール(※)が好調。特にオーガニックのレディミールは大きく成長している。
※チルドのレンジアップ食品や冷凍食品など、調理済みで包装済み食材のこと
(3)「消費者が価格を決めるミルク」がフランスで急成長している。

それぞれのトレンドについて解説していきます。

新製品が相次ぐ植物性チルドデザート

近年、植物性チルドデザートがトレンドになっており、新商品がぞくぞく登場しています。
この背景には、ヨーグルト市場の低迷があります。
ヨーグルト市場は「低脂肪」、「ビフィズス」、「高タンパク」カテゴリーの不調で2017年の販売量が2.4%減、売上金額が1.4%減になりました。これに対応すべく、各メーカーは代替品、特にオーガニックや植物性デザートに関心を向けています。
特に植物性デザートの新製品が相次いで登場しています。例えばココナッツミルク、アーモンドミルク、蕎麦ミルク、ライスミルクなどの従来植物性をリードしてきた大豆を排除した「ソイフリー」を謳う商品が増えたことも最近の傾向です。

注目の新製品

・Eurial(ウリアル)「A Bicyclette(ア・ビシクレット)」
大手農協 Agrialの乳業部門の子会社であるEurial(ウリアル)による、大豆フリー植物性デザートです。蕎麦、米、アーモンドのデリケートな組み合わせが特徴で、業界誌によると「動物性タンパク質の摂取を減らしながらも止めはしないというフランス人に3人に1人を占めるフレキシタリアンがターゲット」だといいます。グレーがかった色に、重厚感のあるテクスチャー、アーモンドのコクのある味が特徴です。

・Alpro(アルプロ)「alpro ヨーグルトタイプ バニラ」
ベルギーのAlpro(アルプロ)による本商品は、バニラの優しい香りとクリーミーなテクスチャーを持つヨーグルト代替品です。100%植物性で植物性タンパク質が豊富、飽和脂肪酸含有量が少ない、乳糖フリー、グルテンフリーのデザートです。

・Andros(アンドロース)「Gourmand et Vegetal(グルマン・エ・ヴェジェタル)」
ジャムやコンポートのトップメーカーAndros(アンドロース)による商品で、ココナッツミルクベースの攪拌ヨーグルトタイプと、アーモンドミルクベースのクリームデザートタイプを合わせて計11アイテムを一気に新発売しました。
100%植物性で、大豆ではなくココナッツミルクを選んでいます。脂肪分は3%で普通のヨーグルトより脂肪は多くありません。

「売場」から見るチルド総菜市場

パリの都市型スーパーマーケットの総菜・レディミール売場には、野菜関連製品のヴェジー、食事サラダ、オーガニックなどが牽引し、+6%と好調です。特にオーガニックのレディミールは、前年対比+37%と伸びています。
総菜・レディミール売り場に並ぶ加熱するタイプのものは、ランチ用途ではなく意外と独身の夕食用途が多いです。オーガニックのレディミールは前年比+37%となっています。
フランスは世界TOP3に入るほどのピザ消費国であることからピザが棚に目立ち、プレミアム化が進んでいます。またアルザスの地方料理や低温殺菌工程をよりライトにして通常より7日ほど短い14日の賞味期限にしたもの、低カロリーレディミールなどがあります。
ヴェジーのカテゴリは、前年対比+140%で、アイテム数も1年で2.4倍にも増えています。主に大豆ステーキやナゲットなどの肉代替品がけん引しています。

ボスは誰?消費者が価格を決めるミルク

三つ目に注目なのが、消費者が価格を決めるミルクです。フランスの一人あたりの牛乳の消費量は、2003年の61リットルから2017年の49リットルへと大幅に下がっています。生産農家の約半数は赤字で、自殺者が相次ぐといった悲惨な状況にありました。こうしたフランスの牛乳市場を背景に登場したのが、消費者ブランド「セ・キ・ル・パトロン?! 誰がボス?!」です。ある日、消費者行動調査の場で消費者が「いったい牛乳にいくら払えば、酪農家がまともに生活できる給料を出せるんですか?」という質問をしたことから始まったといいます。
ブランドの立ち上げに当たって、まずはメーカーの押し付けではなく消費者が求める中身はどのようなものかということを知るために、アンケート実施し、販売する牛乳のスペックを決定。ミルク小売価格1リットル0.69ユーロをベースとし、消費者アンケートの答えによって価格が決まるシステムとしました。
2016年の秋の発売以降、予想を大幅に超えた売れ行きとなりましたが、こういったフェアトレードのものはフランスの集乳量の2%に過ぎません。今後のさらなる市場拡大が期待されています。

まとめ

フランスの食品市場の最新トレンドをお伝えしてまいりました。そのトレンドやアイデアは、国内での商品開発に役立つと考えられます。ぜひ参考にされてみてください。

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