Fi(Food ingredients)は世界的な食品素材の展示会です。ヨーロッパの開催のFi Europe(FiE) 2022は12月にパリで開催され、実際に弊社社員が視察に行ってきました。プラントベースフード、ファイバー、ナチュラルラベル、全卵代替、卵白代替などトレンドは様々でした。今回のコラムでは、この中でも菌糸体を使ったプラントベースチキン(ENOUGH社)とスポーツビールについてご紹介したいと思います。
ENOUGH社は菌糸体由来のたんぱく質、マイコプロテインの開発を手掛けるイギリスの企業で、最終製品の製造販売は行わず、原料販売のみ行っています。ヨーロッパを中心に知名度のあるマイコプロテインですが、たんぱく含量が約13%と少ない一方、肉様食感の再現度がとても高く食物繊維が豊富なのが特徴です。
左:マイコプロテインを使用した疑似鶏肉製品 右:疑似鶏むね肉の繊維感 (筆者撮影)
こちらがマイコプロテインを使用した疑似鶏むね肉です。写真の通り肉の繊維感があり、再現性が高いです。豆類を使用していないため穀物臭がなく、後味にキノコの風味をわずかに感じます。結着剤には増粘剤を複数使用しているそうです。同社は現在牛肉食感の再現を検討中だそうです。
UDDELAER社はオランダのビールメーカーです。ペールエールやIPAなど様々なビールを製造していますが、本展示会ではノンアルコールのスポーツビールが紹介されており、目を引きました。
日本でノンアルコールビールというと、飲みたいけど飲めない状況に仕方なく選ぶ飲み物のイメージが強いです。しかしスポーツビールは切り口が異なり、運動後に飲むことを目的としています。
スポーツビールが台頭し始めている理由のひとつがその栄養価です。SCHERRらの研究によると、ノンアルコールビールに豊富含まれる麦芽やホップ由来のポリフェノール類が、体内の抗酸化物質レベルを上げ、運動後の炎症を抑制すると仮説立てられています。また、原料由来のビタミンやミネラルを含む点もポイントです。ふたつ目の理由がおいしさでしょうか。運動後のキンキンに冷えたビールが好きな方は多いと思います。
写真のUDDELAER社のスポーツビールは、高濃度のアミノ酸とコラーゲンペプチドを配合することで、よりアスリートのニーズに応えています。
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