近年、日本のグミ市場は、食感やフレーバーに特長がある新商品が数多く登場し、売上が大きく伸長しています。実は、海外でも若者を中心にグミの需要が増加し、新しい商品が生まれています。この記事では、北米を中心に海外のグミ市場のトレンドを解説するとともに、ユニークな市販品をご紹介します。
シカゴを本拠とする調査会社IRIのレポートによると、アメリカでは2022年5月15日終了の会計年度において、チョコレートを除くキャンディー市場(ハードキャンディー、グミ、ミントなど)の売上は48億3,000万ドルとなりました(前年比13.7%増)。近年この市場で賑わいを見せているカテゴリーの1つが「グミ」です。*1
アメリカのグミ市場においては、新製品が好調です。特に消費者は、複数の食感を組み合わせた商品に関心を寄せています。また「体に良い」グミにも注目が集まっており、砂糖の量を減らした商品や、食物繊維量を増やしたもの、植物由来の原材料を使用したプラントベースのグミなどがみられます。*1
また、近年アメリカではグミ状のサプリメント市場も拡大しています。以前から子ども向けのビタミングミは販売されていましたが、現在増えているのが成人向け商品です。なお、ビタミングミ市場は今後グローバルで拡大すると考えられており、2026年には世界で93億ドルに達するとも予測されています(2018年:57億ドル)。*2
アメリカの大手食品企業Ferrara社が展開するNerdsというブランドから、1粒で異なる食感を味わえるグミ(商品名:Gummy Cluster)が販売されています。この商品は、フルーツ味のグミのまわりを、ザクザクとした食感が特長のカラフルなミニキャンディーでコーティングしたものです。同商品のVery Berryフレーバーは、2022年5月にシカゴで開催されたスイーツ&スナック・エキスポのノンチョコレート(Non-Chocolate)部門において、「最も革新的な新商品に贈られる賞(Most Innovative New Products Awards)」に選ばれています。
また、同じくFerrara 社のSweeTARTSというブランドからは、1粒で異なるテイストを楽しめるグミ(商品名:Gummies Fruity Splitz)が2022年に販売されました。ボタンのような小さくて丸い形状をしたフルーツ味のソフトグミで、片面は甘い味、反対側の面は酸っぱい味になっているため、口の中で2つのテイストを味わえます。1袋に6種類のフレーバー(チェリー、グレープ、オレンジ、レモン、アップル、ブルーパンチ)のグミが入っています。
カナダに本拠を構え、アメリカでも展開しているSmart Sweets社は、低糖およびプラントベース(植物性)のグミを販売しています。Peach Ringsという商品(写真掲載)は、カナダ向けの場合、従来のグミと比較して糖分が92%少なく、甘味付けにはステビアが使用されています。着色料の代わりに野菜・果物を使って色付けすることで、より健康的なグミに仕上げている点も特長です。またプラントベースグミであるため、動物由来のゼラチンではなく、ペクチンが使用されています。1袋(50g)あたり130kcal、食物繊維17g、糖分3gです。
アメリカのLlama Naturals社は、子ども向けおよび成人向けのグミサプリメントを展開しています。同社の商品の特長は、本物の野菜・果物を由来とする商品であること、プラントベース、砂糖無添加、オーガニックという点です。取扱い商品には、13種類のビタミンが一度に摂取可能な「マルチビタミングミ」、お腹の調子を整える「プレバイオティクスティクス&プロバイオティクスのグミサプリメント」、免疫力向上のための「エルダーベリーエキスを配合したグミサプリメント」などがあります。
食品のプラントベース化が広がり、とりわけアメリカではグミ市場においてもその傾向が見られます。よりヘルシーなグミは今後も新しい商品が多く登場することが予想され、引き続き注目です。
【参考文献】
*1
https://www.foodbeverageinsider.com/confectionery/chewy-candy-sales-continue-climb
*2
https://www.wsj.com/articles/gummies-health-craze-gen-z-tik-tok-11609939994
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