季節のフルーツを使ったパンナコッタや、糖質を抑えたワッフルデザートなど、日本のスーパー・コンビニのチルドスイーツにはあらゆる新商品が登場しています。この記事では、海外で注目を集めるチルドスイーツのトレンドに焦点を当てながら、海外のスーパー・コンビニで販売されている商品をご紹介します。
(調査日:2024年1月)
韓国ではコンビニスイーツの人気が続いています。韓国コンビニのGS25によると、2023年第3四半期におけるチルドデザート類の売上高は、前年同期比41.7%増となりました1。韓国では、コンビニ各社が有名ブランドとコラボした新商品を積極的に展開し、差別化を図っています。
昨年、韓国コンビニのemart24は、韓国の人気カフェ「清水堂」とコラボし、MZ世代をターゲットにしたデザートを発売しました。清水堂の代表メニューを活用した商品で、「いちごフロマージュケーキ」や「いちごエッグシュークリームサンドイッチ」などが展開されました1。
また、韓国コンビニのCUでは、延世乳業とコラボしたチルドタイプの「延世牛乳 生クリームパン」シリーズが大ヒットし、累計販売量が発売2年で5,000万個を突破しました。この生クリームパンの特徴はふわふわのクリームとその量にあり、半分にカットした断面映えもSNSで話題になっています。プレーンタイプの生クリームパンのほか、チョコ生クリームパン、イエローチーズ生クリームパン、トウモロコシ生クリームパンなど現在までに11種類が販売されています2。
アメリカではカップ入り商品がチルドスイーツの定番で、スーパーには、チョコレートプディング(プリン)や、ライスプディング、タピオカプディングが多く並びます。昨今は、砂糖の摂取量を制限したいと考える消費者の増加に伴い、「ゼロシュガー」商品も登場しています。例えば、2023年9月には、クラフト・ハインツ社が手がける“Jell-O”シリーズから、「ゼロシュガー」のチョコレートバニラプディングが販売となりました3。同商品は、1個あたり60kcalと、従来品よりカロリーが50%少なくなっています。
また、アメリカではプラントベース商品も登場しており、高級スーパーWhole Foods Marketのプライベートブランドからアーモンドミルクのプディングが販売されました。チョコレート味の原材料は、アーモンドミルク、きび砂糖、コーンスターチ、タピオカでんぷん、ココア、食塩、天然香料です。
イギリスのスーパーでは、プディングやムースのほか、イギリスの定番スイーツであるトライフルやフールが販売されており、大手スーパーTESCOやSainsbury’sもプライベートブランド商品を展開しています。
トライフル:スポンジケーキ、フルーツ、カスタード、ホイップクリームなどを重ねたデザート
フール:泡立てた生クリームにフルーツのピューレを混ぜ込んだデザート
昨今は、たんぱく質を強化したカップスイーツも見られ、ダノン社がイギリスで展開するGetPROブランドからは、プロテインプディングおよびプロテインムースが販売されています。ムースは1個(200g)あたり20gのたんぱく質を含む商品で、チョコレート味の原材料は、スキムミルク、全乳、乳たんぱく質、ココアパウダー、加工トウモロコシでんぷん、乳化剤、牛肉ゼラチン、酸味料、甘味料です。チョコレートキャラメル味も展開されています。
また、植物性食品を手がけるブランドAlproからは、ココナッツミルクをベースとしたチョコレートムースが発売されています。アーモンドチョコムースとココナッツチョコガナッシュの2層構造で、リッチさとなめらかな食感が特徴のデザートです。原材料には、チョコレートや砂糖、ココナッツミルク、アーモンドのほか、ココナッツオイル、乳化剤、安定剤、えんどう豆たんぱく質、海塩などが使用されています。
韓国では各コンビニが差別化したチルドスイーツを発売し、人気が高まっています。また、広く海外のマーケットをみると、砂糖を抑えた商品や、たんぱく質強化商品、植物性スイーツなど健康志向にそった商品も展開されており、今後も、おいしさと健康志向のバランスを保ちながら、新たなチルドスイーツが登場することでしょう。
〈参考文献〉
1.https://www.sisaon.co.kr/news/articleView.html?idxno=154699
2.https://www.businesspost.co.kr/BP?command=mobile_view&num=339674
3.https://www.mintel.com/food-and-drink-market-news/dessert-industry-trends-in-the-us/
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