パン・洋菓子・焼き菓子に
活かせる!
活用方法
熱ゲル化だけじゃなかった!?メチルセルロース(MC)やヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)がもつ機能と食品に使用した際の効果や使用事例について解説します。メチルセルロースの基礎については「メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説」をご確認ください。
目次
メチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロースは、熱ゲル化、増粘、乳化作用、気泡安定、保水などの機能を利用してさまざまな用途で利用されています。
例えば、フライ製品のパンク防止や衣剥がれの防止、製菓製パンの保形性や保水性の向上、グルテンや卵白の代替などです。またヒドロキシプロピルメチルセルロースは医薬用のフィルムコーティングとして幅広く使用されており、近年ではベジタリアンやアレルギー対応のためゼラチンの代わりに利用されるケースも増えています。主な機能と用途について次項より詳しく説明します。
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他の増粘多糖類とは異なり、加熱によりゲル化する特徴があります。熱ゲル化のようすを基礎知識コラム「メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説」でまとめていますので、ご覧になってください。
クリームコロッケなど「とろっ」とした食感を重視して中種をつくるとフライ調理の時に破裂して商品価値がなくなってしまいます。メチルセルロースを0.7%加えた中種は熱ゲルにより180℃5分のフライにも耐え、パンクすることなく調理できます。また、熱可逆性の特徴から、温度が下がると元の「とろっ」とした食感に戻ります。メチルセルロースのグレードをうまく選ぶことで、喫食温度では「とろっ」となめらかな食感になり、さらにパンクを防いで生産ロスを下げることができます。メチルセルロースは冷凍耐性も強いため冷凍食品のフライ製品に利用されています。
カレーパンなど包餡タイプのパンでは、焼成時にフィリングがダレて生地にしみこむことがあります。メチルセルロースを加えたフィリングは加熱時にしっかり水を抱えこむため、生地へのしみこみを防ぐことができます。
うどんや水餃子の皮など小麦製品の茹で伸びはよく課題に挙るテーマの一つです。通常の麺とメチルセルロースを加えた麺を15分間ゆでて麺の強度(残存率)を比較したところ、メチルセルロースを加えることで茹で伸びを改善できることがわかりました。
メチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロースは疎水基と親水基をあわせもった長い分子構造をしています。そのため一種の乳化剤として働き、マヨネーズやドレッシングなどの安定剤として用いられます。
サラダ油にメチルセルロースを添加し、分散させた後、冷水を投入し、撹拌します。するとメチルセルロースが溶解し、油と水の乳化作用によりエマルションが出来上がります。このエマルションを加熱することで独特なゲル物性ができます。このエマルションゲル物性はメチルセルロースのグレードによって異なり、はんぺん状のものからクリーム状のものまで目的に応じてさまざまな物性を作ることができます。
アレルギー対応の卵なしのマヨネーズをつくることができます。また、レンジで加熱しても油と水が分離することはありません。さらに冷凍耐性もあるため、マヨネーズを使った冷凍食品や焼成パンで利用可能です。
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欧米でのグルテンフリートレンドや農水省の米粉利用推進にともない日本でもグルテンフリーや小麦不使用食品が通販を中心に広がりを見せています。とくにグルテンフリーパンは2013年以降Googleの検索数も伸びており非常に注目されているトピックです。しかしグルテンなしでパンを作ろうとするとあまり膨らまずパサつきやすいなどの難点があり美味しいパンを作るのは困難とされてきました。メチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロースがグルテンの代わりにネットワークをつくり骨格を補強してくれるためグルテンフリーでもふっくらしたパンを作ることができます。
他の多糖類と比較して高い保水性を持ちます。例えばギョーザの皮など、チルドや冷凍で流通される食品に添加することで乾燥やひび割れを防ぐことができます。またパン生地に配合すると、加水量を上げても生地がねとつかない高加水パンを作ることができます。
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