近年ゼリー飲料の市場が盛り上がっています。忙しいときの手軽な栄養補給、体調不良時の栄養補給、熱中症予防の水分補給などで活躍するゼリー飲料ですが、今や1000億円規模と報告されている市場となっています。ここまで伸びた要因は何でしょうか?また、メーカー各社はどのような工夫をしているのでしょうか。ゼリー飲料の市場の現状をご紹介します。
目次
ゼリー飲料の販売金額は2023年には約1000億円と2018年から約200億円近く伸びていることが報告されています。また清涼飲料水統計でも、ゼリー飲料(果汁10%未満) の生産量は2018年の10,500klから2023年には12,500klに伸びています。コロナ禍の2020年には市場は一時落ち込むものの、コロナ禍の自宅療養や体調管理でゼリー飲料自体が再注目される形となり2021年にからは上昇基調となっています。コロナ禍が終息した後は、外出機会増加によるそのお供として、また夏場の猛暑時の水分補給としても活用が伸びていると見られています。
コロナ禍での市場の変化は、ゼリー飲料のトップシェアである森永製菓のIR DAYの報告書からも伺えます。2023年12月12日開催されたIR DAYのin事業説明会の資料によると、「コロナ禍で図らずも飲用し、満足迄至ったことは大きなチャンス」とコメントしています。コロナ禍で消費者がinゼリーは役に立つものという認識に至ったことを報告しています。あわせてコロナ禍で、「飲用シーンの気付きを与える」、「ターゲット拡張を意識」した広告を行って、コロナ禍以前では、忙しいときの栄養補給と捉えがちだったものを、「クリエイティブ活動」、「マインドスポーツ」、「女性の間食」といったシーンでの開拓を進めてきたことに言及しています。このように、従来では短時間の食事として捉えがちだったゼリー飲料を、より幅広い場面での活用できるものに転換しようとする動きが進んでいます。そしてそれは、まさにコロナ禍が分岐点となっているのです。
市場が盛り上がり様々な市販品が販売されているゼリー飲料ですが、当社では主な市販品のかたさと弾力を官能評価で分析しました。その一部をマッピングにまとめましたので掲載します。このマッピングを確認しますと、弾力が弱いさくもろ食感のものと、かため&もっちりした食感のものに大別されました。さくもろ食感のものは食べやすいため、忙しい場面の栄養補給や暑いときの水分補給などに適していそうです。一方で、かため&もっちりした食感のものは食べ応えがあるため、食事としての満足感や膨満感を求める人には特に適したものと考えられます。
ゼリー飲料の官能評価マッピング
ゼリー飲料市場について見てきました。コロナ禍をきっかけ、ますます伸びていくことが見込まれそうです。食感についても二極化される傾向が伺え、今後は食感と摂取シーンの訴求の結び付けなどの展開も考えられそうです。ますます、ゼリー飲料市場に注目です。
参考文献
一般社団法人全国清涼飲料連合会 清涼飲料水統計2024 https://www.j-sda.or.jp/statistically-information/pdf/2024jsda_databook.pdf
森永製菓株式会社 in事業説明会 https://pdf.irpocket.com/C2201/I7Sq/t0uO/q8Ah.pdf
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