ヴィーガン市場~欧米市場調査レポート~

このエントリーをはてなブックマークに追加

グルテンフリーと同様に欧米ナチュラル系スーパーで目にすることの多い「ヴィーガン」ロゴの入った商品。今回の調査では、日本では想像できないほどヴィーガン専門のレストランやスーパー、加工食品などを見かける機会が多くありました。欧米における菜食主義者の人口増にともなって拡大するヴィーガン市場。ヨーロッパとアメリカの流通市場調査結果をもとにどのような商品が販売されているか紹介します。

ヴィーガンの定義。ベジタリアンとの違いは?

ヴィーガンは日本語では完全菜食主義者ともよばれ動物由来の製品を一切使わない生活様式をいいます。
また、ヴィーガンよりも制約の軽い菜食主義として様々な分類があり、大きな分類としてはローフーディスト、ラクトベジタリアン、ラクトオボベジタリアン、ペスクタリアン、セミベジタリアンなどに分けられています。
各分類の主な特徴は以下の通りです。

  • ーフーディストとは:酵素が豊富な45~47℃以下で調理した食べ物を摂取できる。なお蜂蜜は食べても良い。
  • ラクトベジタリアンとは:基本的に穀物・野菜などを食べるが、蜂蜜や乳製品は摂取できる。
  • ラクトオボベジタリアン:ラクトベジタリアンに似ているが、蜂蜜や乳製品に加え卵も摂取できる。
  • ペスクタリアン:基本的に穀物・野菜を食べ、肉製品は食べないが魚は食べる。
  • セミベジタリアン:肉製品も摂取するが、量は少ない。

欧米と日本のヴィーガン

各地域の「ヴィーガン」


【アメリカ】
アメリカ人の10%がベジタリアン様の食事を摂っており、35%の人が肉の摂取をできるだけ減らしています。その動機としては健康志向の他に、赤身肉の値段が上昇していることなどを挙げています。

【ヨーロッパ】
イギリスでは12%がヴィーガンおよびベジタリアン様食事を摂っています。フランスでは40%、ドイツでは45%の人が肉の摂取をできるだけ減らしています。その動機としては健康への影響および動物保護や環境への影響を懸念していることなどを挙げています。

【日本】
日本でも認知度のあがっているヴィーガンですが、NPO法人が独自に認証などをはじめております。例えば特定非営利活動法人ベジプロジェクトジャパンや特定非営利活動法人日本ベジタリアン協会が独自の定義に基づいて、飲食店や料理を認証しています。さらに2020年のオリンピックに向けてベジタリアン・ヴィーガン向けの料理を開発しようとしている事業者が増えているのではないでしょうか。ヴィーガンレストランとしてアインソフが有名ですが、シャンプーで知られているBOTANISTでもカフェでベジタリアンやヴィーガン向け料理を提供するなど、注目が高まってきています。

流通市場調査2018-欧米のヴィーガン向け商品-

スーパー「Migros」(スイス)

左は疑似肉にコーナーで、肉の代替品としてひよこ豆や大豆、小麦タンパク、エンドウ繊維などで作られた疑似肉が売られています。
日本では疑似肉というと、大豆たんぱくを使った商品や、豆腐ステーキくらいしか見かけませんが、ヨーロッパではひよこ豆やエンドウ繊維などが多く使われていました。
さらに、ヴィーガンの方は食が限られるためか自分で料理を作ることが多いようで粒状の大豆たんぱくのような料理用食材がかなり多様化していました。植物性ミルクは日本では豆乳やアーモンドミルクが大半ですが、ヨーロッパでは大豆やアーモンド以外にもココナッツや大麦、ライス、カシューナッツなど様々な植物性ミルクが販売されていました。

自分で容器に料理を盛り付けて重さで値段が決定するシステムでした。テイクアウトもできます。
各料理にはベジタリアンもしくはヴィーガンに対応しているという表示のカードが添えられていました。
今回は、くるみやインゲン、ビーツのサラダ、ポテトグラタン、中味が野菜と春雨の春巻き、ヴィーガンに対応したパン、デザートとしてライスプディングを食べました。
店内はかなり繁盛していて、テイクアウトするお客さんも多かったです。

キヌアソーセージとゼラチンフリーグミ

シンプルな材料で、茹でキヌア、キヌア粉、塩、水、安定剤のみで作られています。
やや結着性が弱くぽろぽろと崩れてしまうのですが、ソーセージのように切り分けて焼いて食べてみました。
味も食感もソーセージとは異なりますが、ぷちぷちとした食感でかなり食べごたえがありました。

お菓子にもヴィーガン品が増えてきていました。
特にグミなどゼラチンで固めるものは、ペクチンを代替品として使用していました。
ゼラチンは豚や牛由来のものになりますので、果物の皮などから抽出できるペクチンがよく代替品として使用されます。
スイスではフルーツグミ、アメリカでは機能性素材入りグミ(サプリメントグミ)としてペクチングミがありました。

食品開発に関するお役立ち資料を無料進呈

無料!

今注目を集めている食品トレンド情報や
食品開発に関する資料を
無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。

無料提供資料

今すぐダウンロード

ハイドロコロイドの基礎

無料ダウンロード!

~ペクチン・カラギナンなど徹底解説~

ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、
カラギナンなど
ハイドロコロイドに
ついて徹底解説。
ハイドロコロイドの概要から、
各種の特徴を全75ページにわたって
徹底に解説しています。
是非ご覧ください。

資料内容

  • ハイドロコロイドの概要 
    ~分類、由来原料、産地
  • ハイドロコロイド各論
    (ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カラギナン、グァーガムなど)
  • 相乗効果、応用例 
    ~他の多糖類との併用
ダウンロードはこちら
ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

ペクチンの概要と種類、物性改良剤としての機能や使い方のコツについて解説します。

オートミールは一過性のブームではなく、定番品になりつつありあります。定着してきているオートミールについて、今回はその特徴やどのような方が食べているかなどをご紹介します。

オーラルケアの関心はペットにおいても高まっています。その背景と注目原料についてご紹介します。

この記事では、韓国とアメリカを中心に、海外での中華惣菜のトレンドや商品仕様について解説します。

冷凍食品市場が拡大しています。なぜ今、冷凍食品が伸びているのでしょうか。その背景について、解説します。

食品開発ラボ 運営会社のご紹介

食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。

サイト内検索

人気記事ランキング

  • ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

    ペクチンとは?
    構造や種類・ゲル化の仕組みなどを徹底解説!

  • 白キクラゲ多糖~概要や効果・食品応用例など徹底解説

    シロキクラゲ多糖体とは?特徴から食品応用例、効果まで徹底解説

  • 「とろとろ」「ぷるぷる」美味しさを引き出す ゲル化剤・増粘剤

    ゲル化剤・増粘剤とは?種類や用途・利用事例をご紹介

  • アルギン酸とは~構造や製造工程、効果を徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • アップサイクル食品とは?

    廃棄寸前食材を活用!サステナブルな社会の実現を目指す「アップサイクル食品」

基礎知識特集

  • ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

    ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

  • キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

    キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

  • カラギナンとは~基礎から徹底解説

    カラギナンとは~基礎から徹底解説

  • ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

    ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

  • メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

    メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

  • ゼラチンとは~基礎から徹底解説

    ゼラチンとは~基礎から徹底解説

  • コラーゲンとは~基礎から徹底解説

    コラーゲンとは~基礎から徹底解説

  • アラビアガムとは~基礎から徹底解説

    アラビアガムとは~基礎から徹底解説

  • ジェランガムとは~基礎から徹底解説

    ジェランガムとは~基礎から徹底解説

  • アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • 寒天とは~基礎から徹底解説

    寒天とは~基礎から徹底解説

  • グルコマンナンとは~基礎から徹底解説

    グルコマンナンとは~基礎から徹底解説