グルテンフリーと同様に欧米ナチュラル系スーパーで目にすることの多い「ヴィーガン」ロゴの入った商品。今回の調査では、日本では想像できないほどヴィーガン専門のレストランやスーパー、加工食品などを見かける機会が多くありました。欧米における菜食主義者の人口増にともなって拡大するヴィーガン市場。ヨーロッパとアメリカの流通市場調査結果をもとにどのような商品が販売されているか紹介します。
ヴィーガンは日本語では完全菜食主義者ともよばれ動物由来の製品を一切使わない生活様式をいいます。
また、ヴィーガンよりも制約の軽い菜食主義として様々な分類があり、大きな分類としてはローフーディスト、ラクトベジタリアン、ラクトオボベジタリアン、ペスクタリアン、セミベジタリアンなどに分けられています。
各分類の主な特徴は以下の通りです。
各地域の「ヴィーガン」
【アメリカ】
アメリカ人の10%がベジタリアン様の食事を摂っており、35%の人が肉の摂取をできるだけ減らしています。その動機としては健康志向の他に、赤身肉の値段が上昇していることなどを挙げています。
【ヨーロッパ】
イギリスでは12%がヴィーガンおよびベジタリアン様食事を摂っています。フランスでは40%、ドイツでは45%の人が肉の摂取をできるだけ減らしています。その動機としては健康への影響および動物保護や環境への影響を懸念していることなどを挙げています。
【日本】
日本でも認知度のあがっているヴィーガンですが、NPO法人が独自に認証などをはじめております。例えば特定非営利活動法人ベジプロジェクトジャパンや特定非営利活動法人日本ベジタリアン協会が独自の定義に基づいて、飲食店や料理を認証しています。さらに2020年のオリンピックに向けてベジタリアン・ヴィーガン向けの料理を開発しようとしている事業者が増えているのではないでしょうか。ヴィーガンレストランとしてアインソフが有名ですが、シャンプーで知られているBOTANISTでもカフェでベジタリアンやヴィーガン向け料理を提供するなど、注目が高まってきています。
左は疑似肉にコーナーで、肉の代替品としてひよこ豆や大豆、小麦タンパク、エンドウ繊維などで作られた疑似肉が売られています。
日本では疑似肉というと、大豆たんぱくを使った商品や、豆腐ステーキくらいしか見かけませんが、ヨーロッパではひよこ豆やエンドウ繊維などが多く使われていました。
さらに、ヴィーガンの方は食が限られるためか自分で料理を作ることが多いようで粒状の大豆たんぱくのような料理用食材がかなり多様化していました。植物性ミルクは日本では豆乳やアーモンドミルクが大半ですが、ヨーロッパでは大豆やアーモンド以外にもココナッツや大麦、ライス、カシューナッツなど様々な植物性ミルクが販売されていました。
自分で容器に料理を盛り付けて重さで値段が決定するシステムでした。テイクアウトもできます。
各料理にはベジタリアンもしくはヴィーガンに対応しているという表示のカードが添えられていました。
今回は、くるみやインゲン、ビーツのサラダ、ポテトグラタン、中味が野菜と春雨の春巻き、ヴィーガンに対応したパン、デザートとしてライスプディングを食べました。
店内はかなり繁盛していて、テイクアウトするお客さんも多かったです。
シンプルな材料で、茹でキヌア、キヌア粉、塩、水、安定剤のみで作られています。
やや結着性が弱くぽろぽろと崩れてしまうのですが、ソーセージのように切り分けて焼いて食べてみました。
味も食感もソーセージとは異なりますが、ぷちぷちとした食感でかなり食べごたえがありました。
お菓子にもヴィーガン品が増えてきていました。
特にグミなどゼラチンで固めるものは、ペクチンを代替品として使用していました。
ゼラチンは豚や牛由来のものになりますので、果物の皮などから抽出できるペクチンがよく代替品として使用されます。
スイスではフルーツグミ、アメリカでは機能性素材入りグミ(サプリメントグミ)としてペクチングミがありました。
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