調査レポート2019
前回のフランス編に続き、今回はお隣のベルギー、スイスの食生活や健康意識についてご紹介します。どちらもフランスの隣国ではあるものの、オランダやドイツなどに接しEU本部が置かれるベルギーと、ドイツ南部とイタリアなどに接し美しい山脈に囲まれたスイス。日本はもちろん、フランスともどのような違いがあるのか気になるところです!
ベルギーといえばサッカー強豪国。2018年ワールドカップにおける日本代表の激闘ぶりも記憶に新しいです。最新のFIFAランキングでは単独1位を飾り、サッカーのイメージが強いかもしれませんが、実は自転車競技もとても盛んなことで有名です。「ツール・ド・フランダース」という、ツール・ド・フランスやジロ・ディ・イタリアに並ぶ伝統的なロードレースもあります。また、自転車は市民の生活にも浸透しており、首都ブリュッセル近郊でも自転車通勤をする方を多く見かけます。実は以前は交通渋滞や排気ガスが深刻な問題になっており、1990年代から政府によって本格的に自転車推進策が開始されたそうです。道路はきれいに整備され、「Villo(ヴィロ)」と呼ばれる自転車シェアリングサービスも導入されました。このようにして、ベルギーはオランダに並ぶ「自転車大国」と呼ばれるようになりました。
そんな自転車大国ベルギーでは、スポーツ向けの食品が多く見られます。運動前や最中に食べることで疲労回復・耐久運動の持続性向上が期待できるビタミン配合のエナジーバーや、運動後に摂取するプロテイン配合のスポーツバーが販売されていました。また、ミネラルとカフェインを含有した、水に溶かすタイプのスポーツドリンクタブレットやスポーツ向けのドリンクヨーグルトがありました。タンパク質を豊富に配合したチーズ製品も盛んです。パッケージの自転車のデザインからも、自転車好きの国民性がうかがえますね。スポーツ向け食品といっても、様々な形態で幅広い食品に展開されています。
そんなスポーツ大国ベルギーですが、筋肉をつけるという目的ではなく、あくまで健康のため、体型キープのためにジョギングやジム通いをしている方も多いようです。そんな健康志向の高いベルギーではどのような健康食品が売られているのでしょうか。フランスと同様に朝食はシリアルやオートミールなど手軽に済ませる傾向にあるようで、それらにトッピングするためのドライフルーツが数多く売られていました。ゴジベリー、マルベリー、クランベリーなど、種類も豊富です。また、朝食代わりのプロテイン飲料、ダイエット向けとしては、“飲む食事”として一食代替のラテドリンクが販売されていました。植物性ミルク(大豆、アーモンド、ココナッツ、枝豆、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ライス)も数多く見られ、ヨーロッパにおける植物性食品市場はやはり活性化しているようです。
スイスは4か国語圏からなる連邦国家。フランス語圏はフランス料理っぽいソース、ドイツ語圏はソーセージ、イタリア語圏はピザやパスタ…と、地域によって食の特色が少しずつ違うようです。今回はドイツ語圏のチューリヒにて、市場調査を行ってきました。
フランスや日本ではあまり見かけない、チョコレート味やコーヒー味のヨーグルトが人気とのことで、写真からもわかるように、ヨーグルト売り場でもこんなに大きなスペースを占めています!クリームからバターを作る際に得られる「バターミルク」も、好んで飲まれているそうです。さすが酪農国家のスイスといった感じですね。
一方植物性ミルクの種類も豊富で、エンドウ豆、アーモンド、オーツ麦、カシューナッツ、ライス、ココナッツなど数多くの種類の商品が並んでいました。シリアルコーナーには、グルテンレスなスペルト小麦、蕎麦の実、ひよこ豆、レンズ豆、エンドウ豆など、特に豆類の商品が数多くありました。キヌアやチアシード、ヘンプシード、カボチャの種、ひまわりの種など、スーパーフードも売られています。中にはキヌア入りソーセージなどという代物も!
というのも、スイスではオーガニックとグルテンフリー商品が流行中とのことで、グルテンフリーのパンや、加工済みのオーガニック野菜などが多く販売されていました。食物繊維や低GI、低糖質も流行しており、quark(フレッシュチーズ)とほうれん草の低糖質・高食物繊維・高タンパク質パスタや、ローカーボ・高タンパク質を謳ったドリンクも販売されていました。伝統的な酪農国家というイメージが強いスイスでしたが、こういった健康訴求の食品の市場も活性化しているようです。
今回は、ヨーロッパ・ベルギーとスイスの近年の食生活についてご紹介しました。スポーツなどの生活事情は違いますが、サプリメントよりも自然派食品やオーガニック、植物性食品を好む傾向はヨーロッパ全体に普及しているようです。弊社では様々な海外トレンド情報を取り揃えておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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