第2次スムージーブームと呼ばれるほど好調なスムージー市場。富士経済の報告によると2018年の市場規模は前年比122.4%の360億円にまで成長しており、2019年には410億円に達すると予想されています。今回の調査では主に「物性」に着目し、スムージーと呼ばれる飲料の特徴や前年との比較から2019年春のスムージー市販品の特徴をまとめました。(調査時期:2019年4月 市販品購入場所:都内のスーパー、コンビニ、ドラックストア)
スーパーやコンビニなどで手軽に買える市販品を一斉に調査しました。対象商品として「スムージー」とパッケージに謳われているものはもちろん、スムージー様の商品も含めて購入・分析しています。各商品について商品名、メーカー、内容量、価格、原材料、pH・Brix、粘度の調査と官能評価をおこないました。2018年の調査では18商品、2019年は30商品を調べています。
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まず2018年の調査時に比べてスムージー系の商品が増えている印象を受けました。実際に商品名に「スムージー」と明記されたものが増えており、今回の調査で購入した30品のうち7割の商品に「スムージー」や「Smoothie」と記載されていました。(ちなみに2018年の調査では6割程度でした。)2018年は全体的に「Green smoothie」の表記が多くグリーンで健康的な印象を受けましたが、今回は乳酸菌やチアシード、ジュレ飲料など原料や形態で差別化を図っているものが増えていました。
物性面では100mPa・sec以上の比較的高い粘度の商品が30品中11品と昨年に比べ増えている傾向にあります(昨年は18品中3品)。もったりとした重めの飲み口がトレンドなのでしょうか。また100mlあたりの平均価格は71.1円と昨年の64円からやや上昇しています。消費者物価指数が上昇しているのでスムージー市場に限ったことではないかもしれませんが、多少価格が高くとも受け入れられているようです。
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今回の調査ではスムージーと明記されたものが増えている傾向にありましたが、「スムージー」の表記有り無しの商品を比べることで「スムージーとは何か」を探ってみたいと思います。
まずBrixやpHについて調べてみました。スムージーという表記がある群の方がややBrixが高い(≒濃い)ようにも見えますがあまり違いはないようです。
次にざらつき(繊維感)ともったり感(濃厚感)について官能評価を実施しました。ざらつきについてはあまり変わりないですが、もったり感についてはスムージーと銘打った商品のほうが強い傾向にありました。粘度測定の結果を見ても同様の傾向にあることから、やはりスムージーといえばもったり重めという商品設計になるようです。
最後に内容量と販売価格の関係性について調べてみました。スムージー表記された商品は内容量200ml前後かつ販売価格150円~200円に密集しています。100ml単価では50円~100円の価格帯になります。容量や価格についてはまとまりがあるなか粘度にばらつきがあることから、食感や成分などで差別化を図っていることが推察されます。
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2019年の傾向としてスムージーと名の付く商品や濃厚感をだしている商品が増えている傾向にあります。スムージー市場はまだまだ拡大傾向にあるなか今後は新商品投下や新規参入にあたり「スムージー」と銘打つだけでなく成分や食感で差別化を図った商品が続々と登場すると思われます。
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