2021→2022
世界のパントレンドと市販品紹介
本コラムでは目新しい原料を使用したパン製品をご紹介します。
まずご紹介するのが“昆虫食”です。最近は昆虫食という言葉をよく耳にするようになりました。まずは昆虫食のメリットについておさらいしようと思います。1つ目は飼育効率・食糧効率の良さです。牛肉を1 kg増やすのに8~10 kgの餌が必要なのに対し、同量のコオロギは2 kgの餌で飼育可能です。また牛は出荷までに30か月かかるのに対し、コオロギ1週間から10日です。2つ目は環境負荷が少ないという点です。家畜よりも虫の方が少量の水で飼育でき、メタンガスや二酸化炭素などの温室効果ガスの排出がとても少ないという特徴があります。3つ目は栄養素です。重量当たりのタンパク質含有量が牛の約3倍あり、鉄分やビタミン、オメガ3のような栄養成分が豊富です。
これらの特徴を活かした商品が開発されています。徳島大学発のベンチャー企業(株)大学シーズ研究所は、フタホシコオロギの粉を混ぜ込んだ災害備蓄用パンを開発しています(写真)。1缶あたり30匹分のコオロギが使われており、災害時にも良質なタンパク質を摂取することが可能になっています。
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世界のパン また、グルテンフリーとしてカリフラワーやアーモンド、さつまいも、米粉を用いたパンも世界で多く開発されています。Trader Joe’s社(アメリカ)のCAULIFLOWER THINS(写真)は原料の60%以上にカリフラワーを用いたトルティーヤで、小麦は一切使用していません。またGMOフリーでもあり、同社は小麦を用いたパンからの切り替えを提唱しています。
365 Whole Foods Market社(アメリカ)のAlmond Flour Tortillasはアーモンド粉を原料に用いており、グルテンフリー・GMOフリーのトルティーヤです。さらに冷凍・レンジアップしても美味しく食べられます。
またJulia’s Table社(アメリカ)のPure Sweet Potato Wrapはさつまいも粉を原料に用いており、こちらもグルテンフリー・GMOフリーを打ち出しています。さらに卵や砂糖、コレステロールも含まれていません。
以上のように、単純にグルテンフリーなだけではなく、冷凍保存可能やコレステロールフリーなど付加価値のある商品に注目が集まっています。
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ビーツを練りこんだ真っ赤なパン(写真)が注目されています。その理由は見た目のインパクトだけでなく、カリウムや抗酸化物質、オリゴ糖など体に良い成分が豊富に含まれているからだそうです。
HOVIS社(イギリス)のGlorious GRAINSは7種の発芽雑穀(ライ麦、小麦、スペルト小麦、オーツ、大麦、そば、テフ)を配合し、さらにビタミンやミネラルを添加した健康訴求のパンです。テフはエチオピアの主食として古来より食べられてきた世界最小の穀物です。アミノ酸やタンパク質、ミネラルが豊富で、海外で人気急上昇中のスーパーフードです。
取り上げたどの商品も健康訴求をベースにしながら複数の特徴があり、環境負荷の低減や斬新な見た目といった訴求をしていました。今後も様々な訴求点を見つけていきたいと思います。
(参考文献)
・MINTEL , https://clients.mintel.com/, (参照 2020/11/13)
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