コロナ禍で需要が増えているミールキットですがフランスではどのような商品が流通しているのでしょうか。代表的な商品やそのコンセプトを紹介します。(調査日:2021年1月)
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もともと食にこだわりのあるフランス人ですが、コロナ禍で、自宅にいる時間が増えたことで、食事への関心がさらに高まりました。手作りに挑戦するため、ホームベーカリーやヨーグルトメーカーなどの家電が売れ、最初のロックダウンでは、小麦粉やイーストが品切れとなるなど、日本と同様の動きがありました。また、有名シェフが審査員を務める料理番組「トップ・シェフ」の視聴率が倍増しました。
ロックダウンが決まった直後のアンケートでは、回答者の約半数がこれを機会にやりたいことの一つに料理を学びたいと答え、11%がミールキットの宅配を試してみたいと回答しました。
多数あるミールキットブランドの殆どに共通する訴求点は、
– 季節の素材を使用
– 多くの場合フランス産、あるいは、短絡流通の材料を使用
– 果物や野菜、肉や魚は、スーパーなどで売っているものよりも新鮮で高品質
– フードロスが少ない
– 新しいレシピ、今まで使用したことのない素材、味付けに簡単にトライできる
– 遊び心のある包材で届き、子供達や男性も料理を始めたくなる
といった点が挙げられます。
アメリカと同じくフランスでもベジタリアン、ヴィーガン、オーガニック、グルテンフリーなど多様な消費者に対応した提案がされています。
「コロナウイルスの影響から、早い段階でミールキットの売り上げが3倍に増加しました。当社のミールキットは、家族で楽しんで作っていただけます。」と、2012年創業のQuitoqueの社長は語る。同社のミールキットの多くは、子供と一緒に料理できるよう考えられており、自宅用だけでなく、プレゼントにする人も多いと言います。
“ベジタリアン”、“子供に優しい”、“便利”、“世界の料理”、“珍しい野菜”、“炭水化物フリー”、等のコンセプトがついた週替わりのメニューから調理不要の週替わりのデザートアソート、ジュースやミューズリーなどの朝食セット、果物、チーズのアソート、アペリティフ(軽食)セットなどを選択することができます。一食3.76€から8.50€程度。
材料はカットされた状態で届くのではなく、丸ごと届きます。
フランスNo.1のオーガニックショップBiocoopが筆頭株主のRutabagoもコロナ禍で売り上げが倍増しました。レシピの8割がベジタリアンに対応しており、ヴィーガン、グルテンフリーのメニューも豊富です。ベジタリアンではない一般食についても、動物性たんぱく質を減らす努力をしていまする。Quitoqueと同様にオプション選択として調理不要なベビーフードキット(6瓶入り22€)、ミルク2ℓ(植物性か牛乳かを選べる)、ヨーグルト4個、ミューズリー350g、ミニパン6個、ミニ全粒パン2個、バター、ジャム、新鮮なフルーツ1.5kgなどの朝食セット6食分(29€)等も購入することができます。
ESUS(社会的効用を有する連帯企業)の認証を受けた企業で、生産者の報酬を守る、ローカルな材料、動物愛護の飼育由来の肉、生分解性包材を使用する、電気・天然ガス等を利用した配達、経営者の報酬の上限を設けるなどの取り組みを行っています。
毎月1つの国のエスニック料理のキットを宅配、どの国のレシピが届くかは事前には分からない仕様になっています。カメルーン、イタリア、オーストラリア、タイ等、様々な国のうちから1つ、伝統的なレシピが4種類、4人から6人分届きます。それぞれの国出身のシェフが選んだ7種類の入手困難な材料が同梱されており、たとえば、カメルーンのマフェを作るためのピーナツバターやオクラパウダー、ペンジャペッパーなどが届けられます。その他、アペリティフ用の缶詰やプチプレゼントとして、バナナの木の種などが入っています。送料込み月額39.90€。
スターシェフ、セドリック・グロレのもとで修行した女性シェフが家族と2016年に起業し、6ケ月で黒字となった希少なスタートアップ企業で、有名シェフと同じ材料を使った高級パティスリーを自宅で作ることができるキットを届けます。送料込みで1ボックス30€からで、プレゼントに利用する人も多いです。フルーツやバターなどの生鮮食品は入っていませんが、シェフ愛用の型や刷毛、レシピなどや作り方を学べるビデオが一緒に入っています。通常のキットの他に、有名シェフとコラボしたキットも75€~95€で買うことができます。
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