惣菜や冷凍食品のパッケージには、密封性や耐熱性、耐水性の観点からプラスチック製品が多く採用されてきました。しかし昨今の環境問題や社会課題を鑑み、大日本印刷株式会社(DNP)と東京食品機械株式会社は、プラスチック使用量を抑えた環境配慮型の密封性を有する紙トレーの共同開発を開始しました。パッケージと包装システムにおける両社の開発力を掛け合わせ、酸素バリア性と密封性をあわせ持つ「密封紙トレー」を開発し、惣菜や冷凍食品などの業界に向けて提供していく予定です。
※本記事の一部には引用・転載を含みます(出典:DNP)
【関連情報】
DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGINGⓇ
目次
プラスチックは優れた耐久性や加工適性、携帯性を有するため、日常生活の様々な場面で不可欠な存在となりました。それゆえ世界的に普及しましたが、一方耐久性の高さが仇となり、不法投棄されたプラスチックは長期間環境に蓄積してしまうという問題が発生しています。そこで政府は2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定しました。こちらの取り組み項目の1つ「リデュース等」では、
・ワンウェイプラスチック(トレーや袋など使い捨てされるプラスチック)の使用削減
・石油由来プラスチック代替品開発・利用の促進
が重点戦略に設定されています。
【関連情報】
SDGsに関連する記事をもっと読む
この度DNPと東京食品機械は、環境に配慮した「密封紙トレー(写真)」の共同開発を開始しました。トレーの3つのコンセプトを以下にご紹介します。
トレー部に紙を使用することにより、プラスチック製のトレーと比較してプラスチック使用量を約90%削減します(DNP調べ:トレー単体での比較)。また、適切に管理された森林資源で製造する「森林認証紙」を使用することにより、さらなる環境保全に配慮しています。
バリア性のある素材と包装システムで、これまで紙容器では困難だった密封性を実現することで、食品の酸化や微生物などの増殖を抑制する“ガス置換包装(MAP)”を可能にします。内容物の消費期限の延長にもつながるため、フードロス低減などの課題解決に有効です。
密封性を有しているため、持ち運びの際に内容物が漏れることがありません。また、電子レンジでの温めも可能※ で、食器代わりにトレーを使用する「即食」にも利用できます。廃棄の際に、生活者がトレー部分の紙と内面フィルムを分離しやすく、ゴミの減容化や紙のリサイクル促進に優れたパッケージです。
※内容物ごとに事前評価が必要
レジ袋の有料化などによるプラスチックへの「価値付け」により、人々の意識も変わってきました。食材から容器包装まで、消費者が環境に配慮した行動を選択できる場面は今後も増えてくるはずです。今回ご紹介した密封紙トレーは、惣菜や冷凍食品などの業界向けに発売を予定しているそうなので、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
【関連情報】
SDGsに関連する記事をもっと読む
今注目を集めている食品トレンド情報や
食品開発に関する資料を
無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。
ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、
カラギナンなど
ハイドロコロイドに
ついて徹底解説。
ハイドロコロイドの概要から、
各種の特徴を全75ページにわたって
徹底に解説しています。
是非ご覧ください。
食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。