近年、世界的にグミに機能性成分を含有させたグミサプリが流行しています。グミというと、従来は子供向けのお菓子という位置づけでしたが、最近では、大人でも食べる人が多く、更にはサプリメントのような位置づけに捉えられることも増えています。今回は。筋肉サプリメントである「クレアチン」が配合されたグミ商品が米国で販売されており、どのように訴求されているかをご紹介します。
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クレアチンはアミノ酸の一種で、ヒトの体内にもともと存在するものです。人体のクレアチンの総重量は体重70㎏の成人で約120gと推定1)されており、このうちの大部分 (約95%) は筋肉に含まれています。筋肉中のクレアチンは短時間高強度の運動において重要な存在です。クレアチンを摂取することで、ヒトのエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)の再合成が促進され、エネルギー量の増加つまり筋力パフォーマンスの向上につながります。1992年に開催されたバルセロナ五輪の金メダリスト、リンフォード・クリスティ(100m走)とサリー・ガネル(400mハードル)がクレアチンを摂取していたことが報じられたことをきっかけに、現在では多くのスポーツ選手が摂取しています。
国際スポーツ栄養学会(ISSN:International Society of Sports Nutrition)Position Standでは、クレアチンを「筋肉量向上のサプリメント」、「パフォーマンスの向上」の両評価項目で、クレアチンを最も高い評価である「I. 有効性を裏付ける多くの根拠論文があり、高い安全性」に位置付けています。
近年のクレアチン製品は粉末やタブレット形態のものだけではなく、焼き菓子やプラントベースミートなどの一般食品にクレアチンが配合されるものも増えています。その中で、クレアチン配合グミは、アメリカを中心に販売されています。アメリカはもともとクレアチンの消費が盛んな国であり、使用量は4000t/年と言われていましたが、コロナ禍を経て若い女性のシェイプアップ目的の需要がSNSを通じてより高まり改めて注目されています。
そのようなアメリカで登場したクレアチングミがどのようなものであるかを、ここから紹介していきます。
Newtrisland社はクレアチンとともにL-タウリンとビタミンB12配合されたグミを販売しています。が。1ボトルに60粒入っており、4粒/日食べることでクレアチンを5g、摂取可能な設計となっています。ゲル化剤はペクチンを使用しており、VEGAN FOODとしてもアピールをしています。ミックスベリー風味の本商品は、砂糖不使用なこともあって甘すぎず、適度な酸味ともあわせて食べやすい味になっています。
Greabby Nutrition社はクレアチンとL-タウリンとビタミンB12を配合したグミを発売
しています。1ボトルに60粒入っており、4粒/日食べることでクレアチンを5g、L-タウリンを1000mg、ビタミンB12を200μg摂取可能な設計となっています。ゲル化剤はペクチンを使用していて、VEGAN FOODとしてもアピールをしています。砂糖は使用されており、強い甘さとなっています。
ReviNutra社はクレアチンとビタミンB12を配合したクレアチングミを発売しています。1ボトルに60粒入っており、2粒/日食べることでクレアチンを2g、ビタミンB12を24μg摂取可能な設計となっています。ゲル化剤はペクチンを使用しています。砂糖は使用されており、ミックスベリーの香りが広がる強い甘さとともに食感は硬めとなっています。
今回紹介したクレアチングミはいずれもペクチンが使用されたグミでした。クレアチンはVegan認証を取っている製品があり、またクレアチンは肉や魚から摂取するためVegan、Vegetarianの方々はクレアチンを不足しやすいという背景があるため、植物性のペクチンと親和性は高いです。タウリンやビタミンとの組み合わせも取り入れられており、その他の成分との組み合わせも様々考えられそうです。
機能性グミのトレンドは世界中に広がっています。国内でのクレアチングミの展開に今後は注目です。
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参考文献
1) Balsom, PD. et al. : Sports Med, 18(4), 268-280 (1994)
2) Kerksick, CM. et al. : J Int Soc Sports Nutr, 15(1), 38. (2018)
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