日本でグルテンフリー菓子は流行るのか?

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世界のグルテンフリー製品市場規模は、急速に成長を続けています。このような中、日本でグルテンフリー菓子は果たして流行るのでしょうか? アメリカやフランスの動向と共に探ってみます。

世界のグルテンフリー市場の動向

グリテンフリー

Mordor Intelligence社の報告(2018年)によると世界のグルテンフリー製品市場規模は、2011年の17億米ドルから2016年には35億米ドルに成長し、2020年には47億米ドルまで成長すると予測されています。
グルテンフリーは、小麦アレルギーの方やグルテンによる自己免疫疾患であるセリアック病の方に支持されていますが、そうした人々に限らず「健康に良い」や「ダイエット」イメージで市場は拡大しています。各国のグルテンフリー市場の動向をみてみましょう。

アジア太平洋

Mordor Intelligenceの調査によると2017年には4.7億米ドルと評価され、2023年までに7.6億米ドルに達すると予測されています。オーストラリアを筆頭に急成長を遂げております。

アメリカ

MarketsandMarketsの報告によると、アメリカのグルテンフリー市場規模は2015年45.6億ドル、2020年には75.9億ドルまで成長すると予想されています。小麦アレルギー対策だけでなく、グルテンフリーダイエットの流行もけん引しています。

フランス

Huffington Postによると、 フランスにおけるグルテンフリー市場は、年間30%成長しており2016年には2012年の2倍の4,000万ユーロまで拡大しています。

フランス人の2~4%は食物アレルギーであり、100人に1人はグルテン不耐症ともいわれています。またグルテンフリーダイエットも需要があります。

アメリカで需要が急拡大 グルテンフリーダイエットとは

アメリカで需要が急拡大しているのが、グルテンフリーダイエットです。
もともとグルテンフリー食はセリアック病患者に向けた制限食でした。数人のセレブやプロスポーツ選手がグルテンフリー食を実践したことで「体調が良くなった」「コンディションが良くなった」といった発言をしたことで、美容や健康を気遣う人たちの間で注目され一気に広まりました。トレンドの拡大に伴い今では「健康的なダイエット方法」という認識で広まっています。

グルテンフリーダイエットとは

グルテンとは小麦などに含まれるグルテニンとグリアジンが水を吸収してつながったものです。一方で小麦はパンなどの主食やケーキなど嗜好食品に欠かせない原料です。グルテンを含む小麦製品の代用として“グルテンを含まない食材”で主食やデザートを作り、日常に摂り入れたのがグルテンフリーダイエットです。
小麦製品にはパン、パスタ、ピザ、うどんなどの主食から、クッキー、クラッカー、ケーキといったスイーツ類、さらにはビール、醤油、ドレッシングなども含みます。
アメリカでは、ベジタリアン、ローフード、マクロビオテックなどの食事方法と同様にヘルス系の雑誌などで特集され、現代の健康志向のニーズに則した食事法として話題になっています。

フランスではグルテンフリーは市場に浸透

フランスでもグルテンフリーが市場で定着しています。
例えば、グルテン不耐症の子供を持つ母親によるアレルギーレシピサイトが2006年に立ち上がり、フランスの料理サイトの閲覧者数トップ3に常にランクインしています。またパリでは、グルテンフリーのコースを提供しているグルテンフリー100%の高級レストランや、全品グルテンフリーのマカロンやお菓子、パンを提供するパティスリーも存在します。
市販品においては、商品パッケージに「グルテンフリー」であることがパッと見てわかるイラスト付きの表記をするのが当たり前になっていることからも、フランスではグルテンフリーが市場に浸透していることがわかります。

日本のグルテンフリー市場のゆくえ

では、日本でグルテンフリー市場は今後、どのようになっていくのでしょうか。
日本でも、当然、食物アレルギーの方による「美味しいお菓子を食べたい」というニーズは確実に存在します。しかし、日本でそのような方向けにグルテンフリーを打ち出しても、欧米市場のように大きな需要は期待できないと考えられます。
日本でグルテンフリー市場を拡大していく余地があるとすれば、グルテンの代替品に「新しい食感」「プレミアム感」という価値を付け、グルテンフリーのイメージをうまく商品開発に生かすことです。
例えば、米粉や大豆粉は、欧米よりも日本のほうがプラスのイメージがあり有望です。欧米では、米粉・大豆粉は小麦粉を代替する素材としか捉えられていないものの、日本では米粉・大豆粉は「健康イメージ」や「プレミアム感」というプラスのイメージがあるためです。
株式会社日本政策金融金庫の調査によると、「米粉を使った食品に対するイメージ」として、「新しい食感がする」「プレミアムな価値を感じる」「おいしい」が、平成22年6月調査よりも平成24年7月調査のほうが目立って増加していました。
さらに「米粉を使った食品で知っているもの」の問いでは、パンが最も多く、次いで、ケーキや洋菓子が上位になっていました。
このことから、日本の消費者に対してはグルテンフリーを謳いつつ、似たような食感や味を再現した食品である「Free From」という切り口から商品を開発する余地があると思われます。こうした観点から焼き菓子の購買機会を拡大していくことで、グルテンフリー市場は拡大していく可能性があると考えられます。

まとめ

欧米や日本のグルテンフリー市場の状況や展望を解説してきました。ぜひ一度日本に合ったグルテンフリーを商品開発のヒントにされてみてください。
弊社でもグルテンフリーや米粉を使ったレシピを開発しています。思ったように膨らまない、美味しくないと商品開発でお困りの方はぜひお問い合わせください。

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