完全食はなぜ完全なのか?

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完全食 (完全栄養食) が近年注目集めています。忙しい現代人にとって手軽に様々な栄養素を摂取できる完全食は、まさに便利な存在です。パン、クッキー、粉末飲料、カレーライス……など様々な種類の完全食が発売されています。一方で、完全食の「完全」性はどのように定義されているのでしょうか。毎日3食完全食を食べていれば、完璧なライフが送れるのでしょうか?今回の記事では、完全食はなぜ完全と表現されるのか、完全食の市場規模、注意しておきたい完全食の落とし穴について見ていきます

完全食とは

TVやWebで完全食の商品の広告を流れることも多いですが、完全食の「完全」とは何を指しているのでしょうか。またしばしば卵や牛乳といった食材が「完全食」と謳われることがありますが、これらと違いがあるのでしょうか。実際、完全食の定義ははっきりと決まっていません。法律で定められていたりはしてていない状況です。ただし、全く何も根拠がなくこれらの商品が販売されているわけではありません。市販の完全食の多くは、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」や「栄養素等表示基準値」などの基準をもとに、1日に必要な栄養素を1/3以上含むものとなっています。30種類ほどの栄養素の1日に必要な1/3が、1食に含まれるものとなっています。このように一定の含有量の条件を設けて販売されていることが、多くの栄養素が含まれる点で完全食と謳われる卵や牛乳などの食材と異なっています。

急成長を続ける完全食市場

完全食の市場ですが成長が見込まれています。株式会社富士経済の調査結果 1)によりますと完全栄養食の市場は、2022年は144億円と見込まれており、これは2021年比で2.3倍となっています。さらに2030年には546億円に達すると予測されています。マイボイスコム株式会社の調査 2)では完全栄養食の認知率は2019年では約4割であったのが、2022年には約6割まで上昇しています。さらに、2022年の調査では完全栄養食に対する意見として、「手軽」(29.2%、1位)、「栄養バランスについて考えなくてよいので楽」(25.1%、2位)、「合理的である」(23.3%、3位)といった好意的なものが、「おいしくない・おいしくなさそう」(19.4%、6位)、「普通の食事よりお金がかかる」(18.6%、7位)、「食材そのものから栄養を摂った方が体によいと思う」(18.5%、8位)といった否定的なものを引き離しています。こうした状況を踏まえますと、今後も完全食は堅調に伸びていくことが予想されます。

完全食ばかりを食べ続ける落とし穴

完全食は栄養素を手軽に摂れる食品ですが、それでは完全食だけを食べていれば問題ないというわけではありません。まず注意しなければならない点は、完全食は上記で紹介しましたように必須な栄養素を1/3以上を含むものとなっています。つまり、1日分を満たすには、3食が必要であり、1食分の完全食を摂れば万事解決というものではありません。さらに、完全食はあくまで必須な栄養素を満たしているものであり、必須栄養素以外の栄養素を満たしていないという問題もあります。加えて、カロリーなど過剰摂取が問題になりやすいものは1日分の1/3以上含まれていないことがあり、完全食を3食分摂取しても1日分のカロリーに満たないということもあります。他にも、完全食は柔らかいものが多いためにそればかりを食べていると噛む力が衰えてしまうということや、そもそもの食べる楽しみが減ってしまう可能性が指摘されています。

まとめ

以上のように、完全食は手軽に栄養素を摂取できるものであるので非常に便利なものです。さらに、常に時間に追われて忙しく、健康意識も高い現代人のニーズに合っているため今後も市場を更に拡大していくと考えられています。しかしながら、完全食も万能ではありませんので、その限界も把握しながら活用することが大切です。

参考文献
1) 株式会社 富士経済 PRESS RELEASE  第23010号 2023年1月30日
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23010.pdf&nocache (2023年5月11日閲覧)
2) マイボイスコム株式会社 【完全栄養食に関する調査】2022年8月29日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001221.000007815.html (2023年5月11日閲覧)

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