オメガ3・n-3系脂肪酸の食品市場動向

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近年、「オメガ3」という単語をよく耳するようになりました。

オメガ3n-3系脂肪酸は、食品市場の中でも大いに注目を集めている成分です。このオメガ3n-3系脂肪酸の食品市場の動向をご紹介します。

オメガ3とは

オメガ3とは、人間の体内で作ることができない「必須脂肪酸」の総称です。

「オメガ3脂肪酸」、「n-3系脂肪酸」とも呼ばれます。主に魚油から取ることのできるDHA(エイコサペンタエン酸)、EPA(ドコサヘキサエン酸)、主に亜麻仁油に取ることのできるALAαリノレン酸)が代表です。

 このうち、DHAEPAについてはさまざまな研究が報告されており、健康効果を知ることができます。その多くが、ヒトでの臨床研究であり、非常に興味深く、説得力のあるデータが豊富にあります。

例えばDHAは、正常な脳機能維持、視覚機能維持、正常なトリグリセリド量の維持(適正な中性脂肪の維持をサポート)に貢献するなどの研究報告があります。

 ヒトの脳の60%は脂質であり、そのうち10%はオメガ3といわれています。オメガ3は、脳・目の神経系の細胞、心臓、母乳、精子などヒトの生命活動に重要な役割を担う器官や臓器に集中して局在しています。

各国におけるオメガ3の市場規模と認知度

欧米のオメガ3の市場規模は年々拡大しています。GRAND VIEWRESEACH(2018)の調査によると、世界のオメガ3市場規模は2016年に20.4億ドルまで拡大し、今後も年平均6.6%で成長すると予想されています。

地域別では北米の市場規模が最も大きく、背景にはオメガ3が豊富に含まれている食事を好む消費者が増えていることが挙げられています。引き続き好調に推移して20152022年の年平均成長率は7.5%で拡大していくと見込まれています。いま最も活発に成長しているのはアジア太平洋の市場で、ライフスタイルの変化と中流階級の拡大にともなう消費需要の増加が、オメガ3市場活性化の原動力となっています。

医薬品、乳児用栄養剤、サプリメント、機能性食品、ペット&動物用飼料など様々な業界での成長が市場を押し上げています。

日本における認知度は、欧米諸国には劣りますが、栄養機能食品の表示対象となったことや女性誌などで取り上げられていることから、今後はビタミンやカルシウムのように、オメガ3の認知度も上がるのではないでしょうか。

オメガ3の活用例と期待される効果

オメガ3はサプリメントなどで摂取されることが多く、その効果から、米国心臓協会、アメリカ食品医薬品局から定期的な摂取が推奨されています。

DHAEPAは、米国心臓協会(AHA)、米国食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関(EFSA)などに推奨されています。米国心臓協会は、週2回脂肪を多く含む魚を食べること、心臓病患者であれば毎日オメガ3を摂ることを推奨しており、アメリカの食品医薬品局 (FDA)では、オメガ31日に23g摂ることを推奨しています。またISSFAL(国際脂肪酸・脂質研究学会)1日当たり最低500mgを推奨しています。

 オメガ3は、心臓疾患予防、脳卒中のリスク低減、動脈硬化のリスク低減、脳の発育促進、学習能力の向上、認知症予防、関節炎の緩和といった健康効果が期待できることがわかっています。

注目の臨床研究データ

・認知能力の低下が緩やかに
オランダで行われた7089歳の高齢者を対象とし、魚摂取グループ、魚摂取しないグループに分けた5年間に渡る実験では、魚摂取グループの人たちは摂取しないグループの人たちと比べて、認知能力の低下が緩やかになりました。

 ・血中善玉コレステロールの増加・中性脂肪の一種の減少
上記と同じオランダの研究では、6週間魚油を摂取した結果、血中の善玉コレステロールが増加し、中性脂肪の1種であるトリアシルグリセロールが減少した結果が得られました。

 ・心臓疾患による突然死リスク軽減
別の研究では、DHAEPAを提供された患者群は、心臓疾患に伴う突然死の率が45%減少し、リスクが大幅に軽減することもわかっています。

オメガ3を活用した食品事例

栄養機能食品

2015年に食品表示法が施行され、保健機能食品の中でも「栄養機能食品」の栄養成分として「n-3系脂肪酸」が新たに追加されました。栄養機能食品とは、“身体の健全な成長、発達、健康の維持に必要な栄養成分の補給・補完を目的とした食品”であり、ビタミン類13種類、ミネラル類6種類、n-3脂肪酸が栄養成分として表示可能になっています。

オメガ3については1日当たりの摂取目安量に含まれる量が下限値0.6g~上限値2.0gの範疇にあれば「n-3系脂肪酸は、皮膚の健康維持を助ける栄養素です」と表記することが認められています。

すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、 特に届出などをしなくても、国が定めた表現によって機能を表示することができます。

 *注意喚起表示など表示にあたっての留意点がございますので詳細は消費者庁の情報発信をご確認ください。

飲料・乳製品、パン製品など広く商品開発が進む

これまで「魚クサイ」との理由からサプリメント以外ではなかなか商品開発が進みませんでした。しかし近年では技術進歩によってニオイを抑えたオメガ3も誕生しています。その結果、世界の清涼飲料水・ジュースメーカーの中でもトップメーカーや、その他の食品、医薬品メーカーでも商品が販売されるようになりました。欧米では飲料や乳製品をはじめ、コンフェクショナリー(菓子)、パン製品、パスタ・フィッシュチップスなどでもオメガ3で付加価値を付けた食品が売られています。

まとめ

このように、オメガ3は世界各国で非常に注目を集めており、サプリメントをはじめとした食品全般に広く活用されています。日本でも栄養機能食品の表示対象成分として検討してみてはいかがでしょうか。

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