ペット向け! オーラルケア食品トレンドのご紹介

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オーラルケアの関心は近年高まっており、国民歯科検診が2025年の導入に向けて検討されています。同じくペット向けのオーラルケアにも関心が高まっています。イヌとネコは4歳になった時点で約80%が歯周病を発症しているという報告があり、その改善が求められています。ペット向けのオーラルケア食品も様々発売されており、世界的に今後も成長する市場と見込まれています。今回はペット向けオーラルケア食品の動向と注目オーラルケア原料についてご紹介します。

ペットフード、ペット向けのオーラルケア製品市場の動向

出典 : 株式会社富士経済

ペット向け製品の市場規模ですが、株式会社富士経済の調査1)ではペットフード市場は2022年の452億円から2025年には510億円に達すると予測されています。ペットのデンタルケア用品市場は、2022年の17億円から2025年には19億円に達すると予測されています。ペットの長寿化・高齢化とともに、飼い主の健康意識の高まりや啓発活動の活発により成長が見込まれています。The Business Research Companyの調査でも、ペットオーラルケア製品の世界の市場規模は、年間複合成長率(CAGR)6.6%と報告されています2)

ヒトだけでなくペットにも大問題な歯周病

出典 :アニコム損害保険株式会社

歯科疾患としてむし歯と並ぶ代表格に歯周病が挙げられます。歯周病は、歯肉に炎症が起こるとともに歯を支える骨がグラグラになる症状です。この歯周病は、ペットにおいても大きな問題となっています。アニコム損害保険株式会社の調査では、年齢に比例して歯周病の羅漢率が高まることが報告されています 3)。加えて、体重が軽い小型犬の方が歯周病の羅漢率が高いことが示されています。これは小型犬の歯間が狭く、食べかすが溜まりやすいこととの関連性が指摘されています。それだけでなくヒトからペットに歯周病が移るリスクも指摘されています。食べ物を分け与えたり、ペットとの口づけたりすることがそのリスクにつながります。

ペット向けオーラルケア食品の代表的な原料

上記のペット向けのオーラルケアに対する高まりから、オーラルケア商品も様々出ています。ここでは、現在販売されているオーラルケア原料や、また今後販売拡大が期待される原料をご紹介します。

(※当社ではクリアアパタイトのみ取り扱っています。ご了承ください)

マヌカハニー

マヌカハニーとは、灌木種の一つであるマヌカから採取されるハチミツになります。高い抗菌作用を有するメチルグリオキサールを豊富に含みます。マヌカハニー含有のガムを毎日3回、食後毎に10分間噛むことで、プラセボ群に比べて歯垢スコアと出血率が改善されることが報告されています 4)

乳酸菌KT-11

乳酸菌KT-11は、乳幼児の腸内から発見された乳酸菌です。歯周病菌に感染させたマウスにKT-11を投与することで、歯周病が改善することが報告されています 5)

明日葉ポリフェノール

明日葉はセリ科の植物です。抗菌作用や抗炎症性作用を有するカルコンが特徴的なポリフェノールです。

クリアアパタイト®

クリアアパタイト®の物質名はヒドロキシアパタイトでして、Ca10(PO4)6(OH)2 の構造式で表されるリン酸カルシウムになります。ヒドロキシアパタイトは、ヒトの歯のエナメル質の97%、骨の65%を占める成分となっています。ホワイトニングや虫歯予防として歯磨き粉などで使用されるとともに、近年では食品原料としても注目されています。ペットフード安全法の成分規格19品目の基準以下であることも確認されているため、ペット向けへの展開も期待されています。

まとめ

現在のペット向けのオーラルケアの動向について紹介しました。ヒトのオーラルケア市場だけではなく、ペットのオーラルケア市場も今後ますます発展が期待されます。

参考文献
1) https://release.nikkei.co.jp/attach/655166/02_202305161730.pdf
2) ペットオーラルケア製品の世界市場レポート2024 https://www.gii.co.jp/report/tbrc1427955-pet-oral-care-products-global-market-report.html
3) ペット保険のアニコム損保トップ 予防 健康寿命延伸への取り組み 犬の歯周病
https://www.anicom-sompo.co.jp/prevention/lifespan/study/shippei10.html
4) Helen K P English, et al. J Int Acad Periodontol. 2004 Apr;6(2):63-7.
5) Chieko Taguchi, et al. International Journal of Oral-Medical Sciences 2015 Volume 13 Issue 3 Pages 102-109

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