いまさら聞けない「ヴィーガン」、「ベジタリアン」の定義とは

最近では、「ヴィーガン」や「ベジタリアン」向けの飲食店や市販されている食品が増えています。健康に対する意識の変化やSDGsを踏まえた環境に対する意識変化がこうした流れにつながり、プラントベースフード市場の開拓も進んでいます。TV番組、Webニュース、雑誌などでも「ヴィーガン」や「ベジタリアン」などを目にする機会も増えてきましたが、一方でそれぞれの違いがよくわからないという方もいるのでしょうか。「ヴィーガン」と「ベジタリアン」は似ているものの異なる部分が大きく、また「ベジタリアン」だけでも複数の分類が存在します。今回の記事では、「ヴィーガン」と「ベジタリアン」がどのように区分されているかをご紹介します。

【関連情報】

ベジタリアン・ヴィーガンの区分け
ヴィーガンとは
ベジタリアンとは
セミ・ベジタリアンとは
まとめ

ベジタリアン・ヴィーガンの区分け

観光庁の資料では、ヴィーガン、ベジタリアンを下記のように分類しています¹⁾。ベジタリアンだけでも3分類が存在します。

ヴィーガンとは

日本ベジタリアン協会では、ヴィーガニズム (Veganism) を「食用・衣料用・その他の目的のために動物を搾取したり苦しめたりすることを、できる限り止めようとする生き方」と定義しています²⁾。ヴィーガン (Vegan) は「動物に苦しみを与えることへの嫌悪から、動物の肉（鳥肉・魚肉・その他の魚介類）と卵・乳製品・蜂蜜、動物由来のゼラチン・羊毛脂等を食べず、また動物製品（皮製品・シルク・ウールなど）を身につけたりしない人たち」と定義しています ²⁾。つまりヴィーガンは、単にあらゆる動物由来の食物を避けるだけではなく、シルク、ウールなどの動物由来の製品を避ける人々を指しています。

ベジタリアンとは

ベジタリアンは一般的に菜食主義者と称されます。その中で、卵や乳製品の摂取を許容するか否かで、分類されます。ラクト・ベジタリアンは乳製品の摂取を認めるベジタリアンになります。インドなどで最も一般的なベジタリアンです。オボ・ベジタリアンは、卵の摂取を認めるベジタリアンになります。ラクト・オボ・ベジタリアンは乳製品と卵の摂取を認めるベジタリアンになります。欧米などで最も一般的なベジタリアンです。

セミ・ベジタリアンとは

セミ・ベジタリアンという区分も存在しています。ペスカタリアンは魚介類、乳製品、卵の摂取を認めています。ポロタリアンは赤身肉を避け、白身肉の摂取を認めます。魚介類、乳製品、卵を摂取する場合もあります。日本ベジタリアン協会によると、菜食主義を促進することを目的とした国際的な非営利団体である国際ベジタリアン連合 (IVU) はペスカタリアンやポロタリアンをベジタリアンと認めていません。

まとめ

「ヴィーガン」、「ベジタリアン」と一括りに語られることが多いですが、実態は多様です。菜食主義を取り入れるきっかけも、宗教の信条、動物愛護、環境保護、健康維持・増進と色々です。人々の中には、週の何日かは菜食主義を取り入れるといった、フレシキブルな運用をしている人もいます。世界的にベジタリアンなどの人口は増加傾向にあると言われており、国内の今後の動向も注目です。

【関連情報】

参考文献
1) 飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド観光庁参事官（外客受入担当）令和2 年 4 月版
2) 日本ベジタリアン協会ベジタリアンとは http://www.jpvs.org/menu-info/index.html　(2023年6月13日閲覧)

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