日本の食品ロス(フードロス)の現状は?世界と比較しながら解説

このエントリーをはてなブックマークに追加

本来は食べられるものであるのに関わらず廃棄されてしまう食品ロスは世の中の大きな課題となっています。その現状を世界と比較しながらご紹介し、どのような対策が取れるのかを見ていきましょう。

食品ロス(フードロス)の日本・世界の現状

 本来は食べられるものであるのに関わらず廃棄されてしまう食品ロスは、世の中における深刻な課題です。いったい、どれぐらいの量が廃棄されているのでしょうか。その実情を数値で確認していきましょう。

国内と世界の食品ロス量

農林水産省 食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢  令和5年11月時点版

日本国内における食品ロスの量は、2021年度で523万トンと推計されています1)。世界の食品ロス量は年間で25億トン 2)と推計されており、その約半数 (12億トン) は農場で、4億トンは貯蔵・加工・製造・流通で、9億トンが小売・消費の段階で発生しています2)

国内の食品ロス量の内訳

 国内の食品ロスの内訳としては、家庭系食品ロスが244万トン、事業系食品ロスが279万トンとされています。事業系食品ロスはさらに4業種に分類することが出来、食品製造業が125万トン、食品卸売業が13万トン、食品小売業が62万トン、外食産業が80万トンとなります1)。日本人の1人当たりの年間の食品ロス量を算出すると約42kg/年になります。これは日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てているのと近い計算になります1)

食品ロス(フードロス)削減が必要とされる背景

世界では十分な量の食べ物を口に出来ず栄養不足で苦しむ人が8億人以上いる一方で、食料が余って捨てられる状況は、栄養政策や経済的観点のみならず人道的や倫理的な観点からも喫緊の課題です。捨てられる食べ物は運搬や焼却などの処理の工程で、より一層環境に負荷がかかります。持続可能な開発目標」(SDGs)においても、目標12「つくる責任 つかう責任」において、ターゲット12.3として「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」と掲げられています。国内では事業系・家庭形食品ロスを2030年度までに2000年度比で半減する目標を立てて、取り組みを進めています。

食品ロス(フードロス)の原因と対策

食品ロスの発生の仕組みとしては、過剰、余剰、期限切れなどが挙げられます。事業系食品ロスの要因として、小売店での売れ残りや返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品、食品製造業の製造過程における損失などが挙げられます。家庭系食品ロスの要因としては、買いすぎ、期限切れ、食べられる部位の過剰除去、食べ残しなどになります。
 これらを解消していくためには企業、消費者ともに様々な取り組みを求められています。例えば企業において取り組むことが出来るものとして、業種の共通共通事項として商慣習見直し(返品・過剰在庫削減)、余剰食品のフードバンク寄付、需要予測精度向上が挙げられています。食品製造業においては、賞味期限延長・年月表示化、過剰生産の是正、食品卸・小売業としては、売り切り、配送時の汚・破損削減、小容量販売、バラ売りの実施、外食産業としては、調理ロス削減、食べきり運動の呼びかけ、提供サイズの調整などが挙げられています3)
消費者が家庭でできることとしては、買い物時は必要な分だけ買う、料理の際は食べきれる量を作る、食事の際はおいしく食べきる、消費期限と賞味期限を正しく理解してまだ食べられる食品を捨てないなどが挙げられます4)

まとめ

食品ロスは私たちの食に密接に関わる問題であります。そのため、各人が事業者の立場であっても個人の立場であっても、問題の当事者であり、よりよい方向に導くための関わりが求められています。食べ残しを避けるといった意識を変えることから始まるものから、政府と企業が連携しながら仕組みづくりを整えるものまで幅広くあります。食品開発者としては、食品ロスを考慮した商品開発が重要でしょう。

参考文献
1) 農林水産省 食品とは https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/161227_4.html
2)  WWF「DRIVEN TO WASTE:GLOBAL FOOD LOSS ON FARMS」REPORT SUMMARY(JULY 2021)
https://wwfint.awsassets.panda.org/downloads/driven_to_waste_summary.pdf
3) 環境省 食品ロスポータルサイト 事業者向け情報
https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/busi.html
4) 消費者庁 家庭での食品ロスを減らそう
https://www.no-foodloss.caa.go.jp/eating-home.html

食品開発に関するお役立ち資料を無料進呈

無料!

今注目を集めている食品トレンド情報や
食品開発に関する資料を
無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。

無料提供資料

今すぐダウンロード

ハイドロコロイドの基礎

無料ダウンロード!

~ペクチン・カラギナンなど徹底解説~

ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、
カラギナンなど
ハイドロコロイドに
ついて徹底解説。
ハイドロコロイドの概要から、
各種の特徴を全75ページにわたって
徹底に解説しています。
是非ご覧ください。

資料内容

  • ハイドロコロイドの概要 
    ~分類、由来原料、産地
  • ハイドロコロイド各論
    (ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、カラギナン、グァーガムなど)
  • 相乗効果、応用例 
    ~他の多糖類との併用
ダウンロードはこちら
ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

ペクチンの概要と種類、物性改良剤としての機能や使い方のコツについて解説します。

商品開発担当者が押さえておきたい、食品トレンド本3選をご紹介します。

オートミールは一過性のブームではなく、定番品になりつつありあります。定着してきているオートミールについて、今回はその特徴やどのような方が食べているかなどをご紹介します。

株式会社ローソンは2024年上期の商品戦略が発表されました。キーワードは「タイパ」&「コスパ」&「ウェルパ」。その背景に迫ります。

オーラルケアの関心はペットにおいても高まっています。その背景と注目原料についてご紹介します。

食品開発ラボ 運営会社のご紹介

食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。

サイト内検索

人気記事ランキング

  • ペクチンとは~徹底解説!構造や種類・ゲル化の仕組み

    ペクチンとは?
    構造や種類・ゲル化の仕組みなどを徹底解説!

  • 白キクラゲ多糖~概要や効果・食品応用例など徹底解説

    シロキクラゲ多糖体とは?特徴から食品応用例、効果まで徹底解説

  • 「とろとろ」「ぷるぷる」美味しさを引き出す ゲル化剤・増粘剤

    ゲル化剤・増粘剤とは?種類や用途・利用事例をご紹介

  • アルギン酸とは~構造や製造工程、効果を徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • アップサイクル食品とは?

    廃棄寸前食材を活用!サステナブルな社会の実現を目指す「アップサイクル食品」

基礎知識特集

  • ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

    ペクチンとは~概要と種類を徹底解説

  • キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

    キサンタンガムとは~基礎から徹底解説

  • カラギナンとは~基礎から徹底解説

    カラギナンとは~基礎から徹底解説

  • ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

    ガラクトマンナンとは~基礎から徹底解説

  • メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

    メチルセルロース・HPMCとは~基礎から徹底解説

  • ゼラチンとは~基礎から徹底解説

    ゼラチンとは~基礎から徹底解説

  • コラーゲンとは~基礎から徹底解説

    コラーゲンとは~基礎から徹底解説

  • アラビアガムとは~基礎から徹底解説

    アラビアガムとは~基礎から徹底解説

  • ジェランガムとは~基礎から徹底解説

    ジェランガムとは~基礎から徹底解説

  • アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

    アルギン酸、アルギン酸類とは~基礎から徹底解説

  • 寒天とは~基礎から徹底解説

    寒天とは~基礎から徹底解説

  • グルコマンナンとは~基礎から徹底解説

    グルコマンナンとは~基礎から徹底解説