もちぷる新食感「ブンモジャ」とは?

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韓国で人気となり、最近では日本のSNSでも話題にのぼるようになった食材「ブンモジャ」。これは中国発祥の春雨の一種で、近年日本でも注目される麻辣湯(マーラータン)の具材としても使われています。この記事では、ブンモジャの形状や食感といった特徴のほか、市場での流通状況についてご紹介します。
(調査日:2025年10月)

ブンモジャとは?

〈原材料と形状の特徴〉

麻辣湯専門店のショーケースに並ぶブンモジャ。断面が花形をしている。(筆者撮影)

ブンモジャ(漢字では一般に「粉耗子」)は、じゃがいもデンプンやコーンスターチを主原料とする中国東北部発祥の春雨の一種です。通常の春雨が細く長い糸状であるのに対し、ブンモジャは太く短め。形は商品よって異なりますが、中が空洞で表面に溝があり、断面は花のような形をしているものが多いのが特徴です。
韓国では、モッパン(食事の様子を撮影した動画)やSNSで紹介されたことをきっかけに人気が広まりました1)。日本のSNSでも、スープの中からぷるぷるとしたブンモジャを箸で持ち上げる動画が投稿されており、“映える食材”であることがわかります。

〈食感と味わい〉

韓国食材店で購入したブンモジャ。(筆者撮影)

ブンモジャは白くマットな外観をしていますが、加熱すると半透明になり、ぷるぷる・もちもちとした独特の弾力が生まれます。茹でた状態では香りがなく、味自体は非常に淡白。そのため、韓国の甘辛ソースや、中国の麻辣湯(マーラータン)、火鍋など、濃い味付けの料理に使われるのが定番です。また、スープを吸ってもしっかりとしたコシを保つのが特徴1,2)
筆者も実際に麻辣湯専門店でブンモジャを食べた際、辛いスープとよく絡み、ゼリーのようなぷるんとしたツヤと、やわらかくもちっと弾力のある歯ごたえが印象的でした。視覚と食感の両方を楽しめる新しいタイプの春雨といえるでしょう。

市場での流通状況

〈日本〉

現状、日本での取扱いは限られており、一般的なスーパーや輸入食品店ではほとんど見かけません。一部の韓国・中国食材店では取扱いがあり、通販サイトでは冷凍商品を中心に購入が可能です1)。筆者の近隣の韓国食材店では、500g入りの冷凍商品(税込756円)が販売されていました。店舗の方によると、最近は問い合わせや購入が増えているとのことです。
また、近年日本で拡大している中国式の麻辣湯専門店では、具材のひとつとしてブンモジャを選べる店舗も登場しており、飲食店での採用例も見られます。

〈韓国〉

韓国では、大手スーパー「Lotte Mart」のオンラインストアや、通販サイト「Coupang」などでブンモジャが販売されています。Coupangでは250g前後のパック(冷蔵)が主流です。
さらに、ブンモジャと甘辛ソースをセットにした即席タイプの商品(3,980ウォン/1個) も登場しています。この商品は、鍋に水とブンモジャ、ソースを入れて5分煮込むだけで完成する手軽さが特徴で、韓国のMZ世代(ミレニアル+Z世代)が好むスパイシーな味付けが取り入れられています3,4)

まとめ

視覚的なインパクトと“もちぷる”食感を兼ね備えたブンモジャ。新しい春雨、あるいは麺として消費者の関心を惹きつける可能性を秘めた食材です。今後、日本でもアジアンフードトレンドのひとつとして、さらに注目が高まるかもしれません。

参考資料
1. クラシル 韓国で人気のブンモジャってどんな食べ物?(2025年10月17日閲覧)
https://www.kurashiru.com/articles/3287a976-1abc-4702-8fb6-1b95172a9d93
2. smart Web 「大人気マーラータンの注目度No.1トッピング」ブンモジャって何?(2025年10月17日閲覧)
https://smartmag.jp/archives/97152/
3. Lotte Mart ブンモジャ検索ページ(2025年10月17日閲覧)
https://lottemartzetta.com/products/search?q=%EB%B6%84%EB%AA%A8%EC%9E%90
4. Coupang ブンモジャ検索ページ(2025年10月17日閲覧)
https://www.coupang.com/np/search?q=%EB%B6%84%EB%AA%A8%EC%9E%90&channel=recent&traceId=mgjdwhry

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