TOFU THE FUTURE ~世界的ヘルシーフード「豆腐」のこれから

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まずは、豆腐あれこれ

豆腐は、身近な食材の代表選手

食料関係の業界紙によれば、2018年は猛暑も追い風となって、国内の豆腐購入数量が、この数年では最大になったのだそうです。毎朝の味噌汁から、冷ややっこや中華料理まで、豆腐は私たちの暮しには欠かせない食材のひとつです。そして今や、海外でも健康的な食材としてすっかり定着してきています。このように、手軽な食品の代表である豆腐ですが、どこでどんなふうに生まれたのか、昔の人はどんな食べ方をしていたのか?そして、新たな調理方法やこれからの豆腐の未来は?・・・など、身近なのに意外に知らないことも多い豆腐について、あらためて考えてみたいと思います。

豆腐は、いつどこで生まれたのか

そもそも、豆腐は、どこでどんな風に生まれたのでしょうか?和の素材と思われがちなのですが、実は一般社団法人全国豆腐連合会によれば、豆腐発祥の地は、中国とされているようです。16世紀の中国の書「本草綱目」の中に〈豆腐は、漢の淮南王劉安に始まる〉と書かれていることが根拠となっているそうです。しかし、豆腐について書かれた文献が唐の時代(618~907年)以降まで何もないことから、起源は劉安の時代ではなく、もっと歴史を下った唐代の中期という説もあり、定かではありません。ただ、少なくとも唐代中期頃には、豆腐は造られていたと思われるとのことです。

なぜ「腐」という字が使われているのか

ところで、豆腐は、食べ物にはあまり似つかわしくない「腐」という字が使われています。中国では、「腐」という言葉が、もともと、「液状のものが寄りあつまって固形状になったやわらかいもの」、「液体でもなく固体でもないようなもの」という意味があるため、そこから豆腐という名称が使われたようです。これも豆腐が中国由来の食べ物であることを感じさせるエピソードです。ちなみに、有名な麻婆豆腐は清代の四川省で生まれた料理と伝えられています。

日本にはいつ伝わったの?

では、中国生まれの豆腐は、いつ、どんな風に日本に伝わったのでしょうか?先ほどの、全国豆腐連合会のサイトによれば、古くは奈良時代(710~784年)に、中国に渡った遣唐使の僧侶等によって伝えられたとされていますが、明確な記録はないそうです。豆腐が記録として登場したのは、寿永2年(1183年)、奈良春日大社の神主の日記に、お供物として「春近唐符一種」の記載があり、この「唐符」が最初の記録といわれています。
いずれにしてもわが国で豆腐が造られたのは、奈良・平安時代からのようです。
当初は、僧侶等の間で、次いで精進料理の普及等にともない貴族社会や武家社会に伝わり、室町時代になって、ようやく全国的にも浸透したようです。製造方法も奈良から京都へと伝わり、次第に全国へと広がっていきました。

豆腐料理が花開く

写真:豆腐百珍(国立国会図書館デジタルコレクション)

こうして、日本人の生活に浸透し発展していった豆腐ですが、江戸時代には「豆腐百珍」という豆腐の料理本まで登場するほど日本の食生活に親しまれていったのです。この豆腐百珍は、100種類の豆腐の食べ方をまとめたいわばグルメ本で、実は大阪の篆刻家(ハンコ屋さんですね)が書いたものと言われていますが、田楽ややっこ豆腐など日常的な食べ方から、光悦豆腐や鞍馬豆腐など聞いたことのない珍しい調理方法までを6つに分類して解説しています。
これが大人気となり、なんと続編まで出版され、さらには、こんにゃくなど他の食品の百珍まで出てくるなど大きな話題となりました。まさに、現代のベストセラー本のようなヒット作品です。これもまた、豆腐が、江戸時代には、食生活の中で大きなポジションを占めていたことの証かもしれません。

世界に広がる豆腐の未来

健康志向のアメリカ人にも、なくてはならない”TOFU”

ここ数年、ブームというよりも、食生活の基本的な考え方として定着してきた食の健康志向。これを背景に、アメリカをはじめとする海外でも、今や、豆腐は積極的に日常的なメニューに取り入れられています。また豆腐を使ったレストランも数多く見られます。特にアメリカでは、ベジタリアンやヴィーガンなど菜食主義の人たちが多いこともあって、チーズなどの動物性乳製品やお肉等の代用食材として様々に活用されています。スーパーには実に多くの”TOFU”商品が並んでいることに驚きます。
アメリカの豆腐は、日本のものに比べて水気の少ないやや固めのものが多いようです。これは、肉の代わりに、揚げたりソテーしたりというような加熱調理をすることが多いことも理由のひとつではないかと思います。ソフトとかファーム(硬めのもの)とか固さが選べるものが主流となっています。ステーキのように焼いたり、シチューなどに鶏肉や牛肉の代わりに入れたり、チーズ代わりに使ったりと、ベジタリアンはもちろん、カロリーや脂肪分を気にする人たちにも幅広く支持されているのです。

TOFU THE FUTURE

写真:豆腐とトマトのカプレーゼ風

肉の代わりの素材として活用するなど欧米型のTOFUの調理法は、日本にも逆輸入され、オリーブオイルをかけたり、ソテーしたり、さらにはデザートにも活用されるなど、新たな食べ方が広がってきています。体に良くて、素朴でプレーンな味わいの豆腐だからこそ、どのような調理方法にもマッチし、国境を越えて、これからも新たな味の世界が生まれていきそうです。
そして2020年には、東京オリンピックも開催されます。政府も積極的に日本食文化を発信する機会としてオリパラを位置づけています。日本食への注目もさらに高まり、訪日外国人も爆発的に増え、日本に来て豆腐の魅力を再発見する人たちも多くなるかもしれません。どうやら、豆腐の未来はこれからも明るいようです。

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