新型コロナウイルスの拡大によって人との接触を最低限に抑えることが必要となり、食産業では世界的にテイクアウト・デリバリー商品の需要が高まっています。今回はコロナによるテイクアウト・デリバリー産業の動きや、商品の「容器削減」を実現するメニューをご紹介します。
目次
新型コロナウイルスの拡大により在宅勤務や外出自粛が推奨されたため、食産業の業態別売上は中食・外食が大幅に落ち込み、対してカフェやファストフードのテイクアウト、デリバリーが上昇しました。2020年5月25日には全国で緊急事態宣言が解除され、店内飲食を再開する店舗も見られるようになりました。しかし、席数制限や消費者の心理的な影響からコロナ以前の売り上げ水準に戻るにはかなりの時間を有すると予想されます。
そこで多くの外食店がテイクアウト・デリバリー産業に進出、もしくは進出を検討しています。当初、集客や配達員の不足が懸念されていましたが、神奈川県によるテイクアウト・デリバリーなどの販路拡大を行う飲食店を支援する「飲食店応援プロジェクト」、国土交通省によるタクシーの食品宅配解禁の検討、またGoogleマップにテイクアウト・デリバリーを取り扱う店舗の検索用アイコンが追加される など、あらゆる行政やサービスの協力により外食店のテイクアウト・デリバリー産業への進出が容易になっています。
より多くの外食店がテイクアウト・デリバリー産業に進出すると考えられる中、今後必要となるのは「他店との差別化」です。差別化の手段には、よりおいしい商品を作ること、集客力を上げることなどが挙げられますが、1つの有効な手段として「容器削減」があります。
テイクアウト・デリバリー商品にとって必要不可欠な容器には、店舗側と消費者側で以下のような懸念点があります。
店舗側 | 消費者側 | |
---|---|---|
容器に関する 懸念点 |
・容器代による売上減少 ・調達と在庫管理の手間 ・在庫を置くためのスペース確保 ・梱包の手間(従業員へのオペレーション) -店舗経営との並行作業の懸念 -時間経過によって商品が劣化 |
・環境に悪い(ゴミの増加、資源消費) ・片付けが面倒 ・開封時に手が汚れる(特にソース類) |
中でも“容器代による売上減少”は重要な懸念点です。例えばドレッシング類を入れるカップ型の容器は蓋と本体を合わせて約8.5円/個、丼ものによく使用される具とご飯を分けるための中蓋は約15円/個のコスト がかかってしまいます(※単価は種類や時期によって大きく変動する場合があります)。また2020年7月1日から環境省によりレジ袋有料化が始まり、今後消費者のプラスチックを使用することに対しての罪悪感は高まっていくと考えられます。消費者の心理的な負担を軽くすることは、持続的にテイクアウト・デリバリー商品を利用してもらうために必要不可欠な要素です。
このように「容器削減」ができるテイクアウト・デリバリー向けのメニュー開発は、店舗と消費者側に大きなメリットを与え、「他店との差別化」をする有効な手段であることがわかります。
実際に容器を削減しようとしても、液漏れや商品の見た目・味の劣化を生じさせてしまう危険性があります。しかし次に紹介するメニューは、その危険を回避しつつ「容器削減」が可能になります。
中蓋削減に利用できるメニューです。デリバリーラーメンはスープに浸かった状態で配送すると液漏れや麺伸びが生じるため、中蓋を使用した二層型の梱包を行うお店が増えています。しかし、スープをゼラチン化することで中蓋を使用せずに液漏れ・麺伸びが生じないデリバリーラーメンを作ることができます。これはそばやうどんなど、あらゆる麺類商品に応用可能です。
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中蓋・ドレッシング用カップ削減に利用できるメニューです。餡かけ丼はご飯にかけた状態で配送するとご飯に染み込んでしまい、時間が経つごとにご飯の食感が悪くなります。そのため中蓋を使用した二層型の梱包やソースのみを別容器に梱包するお店が増えています。しかし、デンプンと当社製品であるUNet ビスホールドを餡かけソースに使用することで、ご飯に染み込まず、ネトつきのない餡かけ丼を作ることができます。
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中蓋・ソース用カップ削減に利用できるメニューです。ミートソーススパゲティは、ソースをパスタにかけた状態で配送すると、染み込んで見た目が悪くなるため、中蓋やソース用カップに梱包するお店が増えています。しかし、当社製品であるノンドリップをミートソースに使用すると、容器を削減しつつ見た目のよいパスタを作ることができます。
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いかがでしたでしょうか。新型コロナウイルスの拡大に伴い、食産業は大きな変革期を迎えています。テイクアウト・デリバリー産業に既に進出している方、またこれから進出を検討している方、あらゆる方々の商品開発にお役立てできれば幸いです。
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