近年オートミール市場が盛り上がっています。オートミールはオーツ麦 (燕麦) を脱穀し調理しやすくした食品です。2020年の初頭からSNSやYoutubeでオートミールに関する情報が多数発信され、それをきっかけに一気に注目が集まりました。最近では、大手食品会社がオートミールリゾット、オートミールバー、お米風オートミールなどを販売しており、一過性のブームではなく定番品になりつつありあります。確実に定着しているオートミールについて、今回はその特徴やどのような方が食べているかなどをご紹介します。
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オートミールは小麦やとうもろこしなどと同じ穀物の一種で、オーツ麦を脱穀して調理しやすく加工したシリアル食品になります。「oats (オーツ麦)」と「meal (食事)」という英単語を掛け合わせて「オートミール」と呼ばれています。オートミールには主にお米に近い粒々食感でチャーハンやおにぎりなどお米代わりとして食べられる「ロールドオーツ」と、加熱せず牛乳やヨーグルトに浸して手軽に食べられる「クイックオーツ」があります。
ロールドオーツ:脱穀した麦を蒸してローラーで伸ばしたものを乾燥させたフレークです。基本的には5分くらい加熱をして食べるのがおすすめ。甘い味付けも、塩味のお粥にしても、ふやかしておかず系調理など使い勝手抜群です。
クイックオーツ:ロールドオーツを細かく砕いたものです。クイックオーツは生のまま食べることも可能です。加熱する場合、熱いお湯やスープに入れて1分くらいでOKです。おかず系調理にも適しています。
左 : ロールドオーツ, 右 : クイックオーツ
オートミールには、たんぱく質、脂質、炭水化物に加えて、ビタミンB群、ビタミンE、
カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、食物繊維などが含まれています。特に食物繊維は、小麦粉や玄米よりも2倍以上含まれており非常に魅力的です。
日清シスコのインターネット調査によるとオートミールの認知率は81.3%で、直近1年間に食べた人が21.0%となっています1)。直近1年にオートミールを食べた人、食べる理由を聞いたところ、「食物繊維が多いから」が54.5%で1位、「糖質が低いから」が39.1%で2位、「たんぱく質が多いから」が35.3%で3位となっています。さらに、「健康維持のため」、「ダイエットのため」、「その他栄養成分が魅力的だから」が続きます。オートミールは小麦粉や白米に比べてGI値 (グライセミック・インデックス)が低く、食後の血糖値上昇が緩やかなことが知られています。栄養価が高いものを取りたいと思っている人や、腸活や血糖値を意識している人たちがオートミールを食べていることが伺えます。
食物繊維が豊富で、低糖質であるオートミールは粉体であることから、様々な調理法が用いられています。SNSでは、オートミールクッキー、オートミールお好み焼き、オートミール中華がゆ、オートミールパウンドケーキなど様々なレシピやその完成品の写真が投稿されています。栄養価が高いことに加え、オーツ麦にはグルテンが含まれないことから、離乳食に活用する方もいます。さらにはたんぱく質が多いことから、天然系のアスリート向けの食材としても活用するポテンシャルも十分あります。株式会社日本能率協会総合研究所のレポートでは、オートミール市場は今後右肩上がりで成長すると見込まれています 2)。市場の動向に注目です。
今回はオートミールの特徴とオートミールの背景について解説しました。オートミールのポテンシャルは高く、どのように市場が成長していくか目が離せません。
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参考文献
1) -オートミールに関する実態調査- 直近1年で食べた人は2割 体にいいだけじゃない!ユーザーに聞いたオートミールの良い点「味」が上位に!オートミールを選ぶポイントは?オートミールの喫食実態を徹底調査!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000045598.html
2) オートミール2026年に120億円規模に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000035568.html
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