コラーゲンの由来原料は主に豚皮や牛骨、魚皮です。ここでいう魚には、ティラピアなどの淡水魚が多く使用されています。一方最近では、海に棲む魚を原料にした海洋性コラーゲンペプチドの人気が増えてきています。海洋性コラーゲンペプチドを使用する意義は何なのでしょうか。
世間一般にコラーゲンと呼ばれ流通している商品は、コラーゲンペプチドという断片化されたコラーゲンを指します。豚皮や牛骨、魚皮から抽出した3重らせん構造を持つコラーゲンは、変性処理によりゼラチンという一本鎖構造を持つ物質になります。それをさらに酵素処理して断片化することで、コラーゲンペプチドになります。
多くの魚由来コラーゲンの原料は、ティラピアやパンガシウスなどの淡水魚です。これを海産魚にしたものが海洋性コラーゲンです。海洋性コラーゲンはそのイメージの良さから美容市場や健康食品市場などで需要が高まりつつありますが、メリットは他にもあります。
持続可能な漁業で獲られた水産資源には、MSC/ASC認証と呼ばれるエコラベルを取得することが可能です。MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)が独自に漁業に関して厳格な規格を設けており、“漁業がMSC漁業認証規格に則りMSC漁業認証を取得し、その漁業で獲られた水産物を、流通から製造、加工、販売に至る全ての過程において「CoC認証」を取得した企業が適切に管理する”(海洋管理協議会HPより引用)ことではじめてMSC認証は取得できます。MSC認証は主に北欧・北米に普及しており、アジア圏でも拡大中です。MSC認証が天然海産魚に言及する一方、ASC認証は養殖魚に言及しており、北欧・東南アジアで普及しています。
この認証はSDGsのゴール14に設定された「海の豊かさを守ろう」に貢献できるため、MSC/ASC認証製品を購入することはSDGsへの貢献につながります。海洋性コラーゲンペプチドもMSC/ASC認証を取得することが可能なコラーゲンペプチドであるため、同ラベル取得の有無が商品選択の分かれ道になる可能性もあります。
【関連情報】
水産庁の調べによると、水産エコラベルを知っているのは消費者で12%、漁業者で11%、流通加工業者で24%と、認知度は決して高くないことがわかります。しかし、同じ製品で水産エコラベルを取得しているもの、取得していないものを比較したとき、取得している製品を購入しようとする消費者の割合は8割弱にのぼることが分かっています。そのうち価格が高くても水産エコラベル取得製品を購入しようとする人は、約3割にのぼることもわかっています。
このように水産エコラベルの認知度は高くはないものの、商品者のSDGsへの関心は高く、水産エコラベル取得製品がSDGs観点からも利益獲得の観点からも有利であることが予想されます。
世界的にSDGsが叫ばれる中、日本のSDGsへの関心はまだまだ高くないかもしれません。しかし上記のデータからも、日本でも関心は高まりつつあるため、早めの対策が必要ではないでしょうか。
<引用>
・海洋管理協議会(https://www.msc.org/jp/)
・水産庁資料(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/budget/attach/pdf/suishin-16.pdf)
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