海外におけるキノコを使った加工食品のトレンド

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海外、特にアメリカでは食用キノコと言えば「マッシュルーム」や「ポートベローマッシュルーム」をよく目にしますが、一般的なスーパーマーケットでは、キノコの取扱いは日本のように豊富ではありません。しかし、健康志向の高まりにより、植物性食品や機能性食品の需要が増加し、キノコがもつ抗酸化作用や免疫力を高める作用に注目が集まり、キノコを使った加工食品が増えているようです。今回はアメリカを中心に、海外で販売されている食用キノコおよび薬用キノコの加工食品をご紹介します。
(調査日:2021年5月)

2021年はキノコがトレンドになる

Blue Book Services社(野菜および果物の農産物に関するアメリカの市場調査会社)によると、50以上の媒体が2021年の食トレンドの1つに「キノコ」を含めていました。(※1)弊社のコラムでも特集した、アメリカの自然食品スーパーマーケット「Whole Foods Marketによる2021年食品トレンド予測」においても、キノコを用いた商品が取り上げられていました。また、アメリカの大手スーパーマーケットチェーンKrogerも、2021年のトレンド予測の1つにキノコをあげ、植物性たんぱく質商品の原材料の一部としてや、調味料やスパイスなどさまざまな形でキノコが使われるようになるだろうと予測しています。(※2)
食用キノコだけでなく、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、霊芝やヤマブシタケ、チャーガなどの薬用キノコも、身体的および精神的なストレスへの抵抗能力を高める効果があるとして注目が集まっているようです。

食用キノコを使ったスナック

Panco Foods社のシイタケジャーキー
(同社写真提供)https://www.mushroomjerky.com/

Pan’s Mushroom Jerkyは、アメリカのオレゴン州にあるPanco Foods社が製造するシイタケジャーキーです。創設者のMichael Pan氏は、親戚が暮らすマレーシアを訪れた際に食べたヴィーガンジャーキーに感銘を受けて、アメリカ人向けにシイタケジャーキーを開発しました。同商品は、濃厚な旨味と、ビーフやポークのジャーキーと変わらないような食感が特徴で、これまで数々のメディアで紹介されています。オリジナルフレーバーの場合、原材料はオーガニック乾燥シイタケ、水、アボカドオイル、オーガニックココナッツシュガー、ヒマラヤピンクソルト、オーガニックチアシードです。フレーバーは、バーベキュー、ソルト&ペッパー、タイ料理風味などの展開となっています。シイタケジャーキーは、スナックとしてそのまま食べるだけでなく、サラダや麺類のトッピングにも使うことができます。
また、イギリスのOther Foods社は、シイタケ、ヒラタケ、エリンギタケのフリーズドライスナックを販売しています。素材が持つ甘みを引き出すために少量の麦芽糖が使われ、ヒマラヤソルトで味付けされており、サクサクとした食感が特徴です。

薬用キノコを使ったコーヒードリンク

Four Sigmatic社のマッシュルームコーヒー
(同社写真提供)https://us.foursigmatic.com/

近年、アメリカで人気が高まりつつあるのが、マッシュルームコーヒーです。これは、コーヒーに薬用キノコのエキス粉末を混ぜたものであり、免疫力向上やストレス緩和といった効果が期待されています。マッシュルームコーヒーには、一般的に霊芝、チャーガ、ヤマブシタケ、冬虫夏草といった薬用キノコが使用されており、味はコーヒーそのもので、キノコの風味はほとんど感じられません。

アメリカでマッシュルームコーヒーを広めたのが、フィンランド出身のTero Isokaupplia氏が設立したFour Sigmatic社です。例えば、同社の代表的なマッシュルームコーヒーには、オーガニックのフェアトレードコーヒー(アラビカ種100%)に、ヤマブシタケとチャーガから抽出したエキスを粉末にしたものが加えられており、ドリップやフレンチプレスに対応した粉コーヒータイプ、そしてお湯を注ぐだけのインスタントコーヒータイプの商品が展開されています。同社は、毎朝コーヒーを飲む習慣を持つ人は非常に多く、普段のコーヒーをマッシュルームコーヒーに変えるだけで、簡単に継続してキノコの機能性成分を摂取でき健康的な効果を得ることができるとしています。

Taika社のアダプトゲンコーヒー
(写真同社提供)https://taika.co/

また、アメリカのサンフランシスコで2019年に設立されたTaika社は、缶入りのアダプトゲンコーヒードリンクを展開しています(注)。当製品にはアダプトゲンとして、霊芝、ヤマブシタケ、サナギダケといった薬用キノコに加え、アシュワガンダが使用されています。また、特許出願中の製法により、同商品は1缶(12オンス、約355ml)あたりのカフェイン量を130mgに減らしている点も大きな特徴です(通常12オンスの場合は200mg)。商品展開は、ブラックコーヒー、マカダミアラテ、オートミルクラテの3種類で、ラテには砂糖ではなく羅漢果が甘味料として使用されています。

近年、健康志向や環境意識の高まりによって植物性食品の人気が急上昇しています。それに伴い、今後海外でも、キノコを使った加工食品がより身近になっていくかもしれません。

(注)アダプトゲンとは、身体的および精神的なストレスへの抵抗能力を高める働きを持つ天然のハーブや植物、根などの天然の原料を意味する。

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