2021年10月に、アメリカの自然派食品スーパー大手「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」が2021年の食品トレンド予測を発表しました。これまで2回にわたって実際にWhole Foods Marketで販売されている各トレンドの市販品をご紹介しましたが、今回が最終回となります。
(調査日:2022年1月)
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Whole Foods Marketによる2022年食品トレンド予測〜市販品を紹介(1)
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Whole Foods Marketによる2022年食品トレンド予測〜市販品を紹介(2)
アメリカ・カリフォルニア州を拠点とするKuli Kuli Foods社は、パウダーやエナジーバー、ウェルネスショット(栄養ドリンク)、お茶など、モリンガを使用した商品を複数展開しています。例えば、モリンガの葉のみで作られるモリンガパウダー(商品名:Organic Pure Moringa Powder)は、スムージーに入れたりヨーグルトにかけて食べたりと、毎日の食生活で簡単にモリンガを摂取することができます。また、モリンガを使用したウェルネスショット(商品名:Green Tea Energy Plus+ Shots)は、薬用キノコのヤマブシタケや、南米アマゾン原産のスーパーフルーツ・カムカムを含んだ機能性ドリンクとなっています。当製品は1本あたり74mlで、外出先でも手軽に飲むことができます。
Kuli Kuli Foods社は、モリンガを栽培する小規模農家をサポートし、環境に配慮したサステナブルな商品作りをコンセプトとしており、モリンガを栽培する小規模農家をサポートする活動にも力を入れています。
Elements Truffles社は、世界三大伝統医学の1つであるアユールヴェーダの考えを取り入れているチョコレートブランドです。ローズ&カルダモン、ペパーミント&ラベンダー、ジンジャー&ブラックペッパーなど、ハーブやスパイスを配合したチョコレートを展開しています。そして同社が手掛けるモリンガ製品がトフィー(商品名:Maple Toffee with Moringa)です。アユールヴェーダのハーブとしてモリンガが使われ、そのほかには非加熱のカカオペーストや蜂蜜、そして精製された砂糖の代わりにオーガニックのメープルシロップが用いられています。
Health-Ade社はコンブチャで有名なアメリカの食品企業の1つで、プレバイオティクス炭酸飲料(商品名:Health-Ade Pop)も展開しています。使われている主な原材料は、発酵紅茶、コールドプレス果汁、とうもろこし由来の食物繊維、クランベリーエキス、羅漢果です。フレーバーは、ストロベリー&バニラ、レモン&ライム、ジンジャー、グレープなどで、カロリーは1缶(355ml)あたり30〜70kcalとなっています。アメリカでは、Health-Ade社以外にも、Poppi社、Rebble社などからプレバイオティクス炭酸飲料が発売されています。
Green Girl Bakeshop社は、牛乳の代わりにココナッツミルクを使用した植物性ジェラートを手掛けています。商品展開はジェラートとアイスクリームクッキーサンドの2種類。同社のコンセプトは、栄養価の高い材料を使って主要アレルゲンフリーかつ美味しい商品を消費者に提供することです。ターメリックを使用したアイスクリームクッキーサンド(商品名:Golden Mylk Plant-Based Ice Cream Cookie Sandwich)の場合、ジェラート部分の原材料は、ココナッツミルク、メープルシロップ、ターメリック、生姜、シナモン、カルダモン。クッキー部分の原材料は、キャッサバ粉、ココナッツシュガー、アップルソース、ココナッツ油、生姜、重曹です。ジェラートのフレーバーとしては、ターメリック以外に、カルダモン、ミントチップ、霊芝チョコレートなどがあります。
ユニークな原材料を使って、キャベツの乳酸発酵食品「ザワークラウト」を製造・販売しているのがLocal Culture社です。ターメリックを使用したザワークラウト(商品名:Turmeric + Ginger + Jalapeño)は、生姜と、青唐辛子の一種であるハラペーニョを組み合わせています。同商品は、ザワークラウトとしてそのまま食べるだけでなく、卵や、アボカドトースト、ピザにトッピングしても相性が良いそうです。その他の商品ラインナップには、りんごとホップ、ビーツとフェンネル、ジュニパーベリーとセージ、といった組み合わせでザワークラウトが展開されています。
以上、これまで3回にわたってWhole Foods Marketで販売されている市販品をご紹介してきました。今回のトレンドの特徴は、サステナブルを企業コンセプトとして掲げる企業が増えたことではないでしょうか。今年は、高級志向のWhole Foods Marketだけではなく、アメリカの一般的なスーパーでもこういった社会や環境に配慮した商品の取扱いが一層多くなってくると筆者は考えています。
【参考資料】
Whole Foods Market Forecasts Top 10 Food Trends for 2022 (2021.10.18リリース)
https://media.wholefoodsmarket.com/whole-foods-market-reveals-top-10-food-trends-for-2022
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