海外のDHA配合食品を紹介

毎日の健康維持に欠かせない栄養素の1つであるDHA。魚介類に多く含まれるとされていますが、必要量を食品から毎日継続して摂取することが難しい場合もあるため、食品に配合されていると便利だと言えるでしょう。そこで、海外ではどのような食品にDHAが配合されているか調査を実施しました。この記事では、実際に海外で販売されているDHA配合食品を紹介します。
（調査日：2022年5月）

EUでは乳児用ミルクにDHAを添加することが義務化
海外で販売されているDHA配合食品
離乳食
子供向けスナック
乳製品
マーガリン
ピーナッツバター
まとめ

EUでは乳児用ミルクにDHAを添加することが義務化

DHAは脳や目の機能の発達を促すことで知られており、特に乳幼児期に欠かせない栄養素の1つと言われています。DHAは母乳にも含まれており、お母さんの体内にいる時から生まれた後も、子供の脳と目の発達に重要な役割を果たしているとされています¹。

EUでは2021年2月から、域内で販売される乳児用ミルクおよびフォローアップミルクにDHAを添加することが義務となりました。これにより、100kcalあたり20〜50mgのDHAを添加することが求められます²。欧州食品安全機関（EFSA）は、正常な脳の発達のためには、24ヶ月未満の乳幼児は1日100mg、2歳〜18歳の子供は1日250mgのDHAを摂取するべきという考えを支持しています³。

一方、アメリカではDHAを添加することは義務付けられていません。しかし、市販されている大抵の乳児用ミルクは、母乳に含まれる栄養素であるDHAとARAを配合したものとなっています⁴。

海外で販売されているDHA配合食品

乳児用ミルク以外にもDHAが配合されている食品があります。実際に、海外で販売されている商品を紹介します。

離乳食

アメリカの大手ベビーフードメーカーの1つであるGerber社は、DHA配合のライスシリアルを販売しています。ライスシリアルはアメリカで一般的に購入できる離乳食であり、赤ちゃんの初めての離乳食にも使われます。これは、コメを粉末状にしたものに、離乳食期の赤ちゃんに不足しがちなビタミン類やミネラル類を添加したものです。同商品には、魚由来のDHAが配合されています。

子供向けスナック

アメリカのBrainniac社は、脳への栄養に特化した食品を展開している企業で、子供向けのアップルソースを取り扱っています。パウチ入りでキャップを開けるとそのまま飲むことができるため子供のおやつに適した商品です。1パック（90g）あたり、魚由来のDHAが130mg、EPAが30mg配合されています。

乳製品

Pipan Foods社の粉末乳飲料（写真提供：Piapan Foods社）
左：オリジナルフレーバー右：チョコレートフレーバー
https://pipan.com.au/

オーストラリアのPipan Foods社は、魚油由来のDHAを配合した粉末乳飲料を販売しています。粉末ミルクを1食分ずつスティックタイプにしたもので、100mlの水に溶かして簡単に飲むことができる商品です。1歳以上の子供の脳と目の健康の促進を目的としており、1食分あたり約100mgのDHA、そのほかには鉄分、亜鉛、ルテインなどが配合されています。フレーバーはオリジナルタイプとチョコレート味の2種類です。

アメリカの大手牛乳乳製品メーカーのHorizon社からは、DHA入りのオーガニック牛乳が販売されています。1食分（240ml）あたり32mgのDHAが配合され、使用されているのは藻類由来のDHAです。また同社は、1食分あたり50mgのDHAを配合する子供向け乳製品シリーズも展開しており、スムージー（ストロベリー味）やパウチ入りヨーグルト（ストロベリー味、ブルーベリー味）が販売されています。

マーガリン

St Hubert社のDHA配合マーガリン（写真提供：St Hubert社）
https://www.sthubert.fr/

ヨーロッパでは、DHA入りのマーガリンが販売されています。例えば、マーガリンを中心に植物性油脂を使った商品を展開するフランスのSt Hubert社は、微細藻類由来のDHAを配合したマーガリンを販売しています。100gあたり250mgのDHAが含まれています。

またオランダのUpfield社はBecelというブランド名のマーガリンを展開しており、オメガ3系脂肪酸であるDHAとEPAの両方を配合した商品を販売しています。オメガ3系脂肪酸の原材料としては、植物由来および魚由来のもの両方が使用されています。

ピーナッツバター

アメリカの大手食品企業J.M. Smucker社が展開するピーナッツバターブランドのJIFはアメリカでもっとも有名なピーナッツブランドの1つです。JIFの商品ラインナップには、魚由来のオメガ3系DHAおよびEPA配合を配合したピーナッツバターが展開されています。1食分33gあたり32mgのDHAとEPAが配合されています。

まとめ

上述のように海外では、DHAは子ども向け食品に配合されているケースが多いようです。特に乳幼児の場合、食品から十分な量のDHAを摂取することが難しいことが想定されるため、日頃から乳幼児が摂取する食品に配合されていると効率良くDHAを体内に取り入れることができて利便性が高いと言えるでしょう。

【参考文献】
¹https://www.enfamil.com/articles/what-is-dha/
²https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A32016R0127
³https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3840
⁴https://www.earthsbest.com/product/non-dha-infant-formula-23-2oz/

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