パン・スイーツのトレンド〈海外の小売編〉

この記事では、アメリカとアジアを中心にパンとスイーツのトレンドをご紹介します。パンの定番品から、最新のコンビニスイーツまで幅広くお届けします。
（調査日：2023年9月）

パンの定番商品
アメリカ
韓国
グルテンフリーのトレンド
アメリカのドーナツ
アジア市場でのトレンド
まとめ

パンの定番商品

アメリカ

アメリカのWhole Wheat
（全粒粉）食パン
（写真提供：Dave’s Killer Bread）
https://www.daveskillerbread.com/

スーパーの食パン売り場は、主にサンドイッチ用の薄切り食パンで占められています。日本では白い食パンが主流ですが、アメリカではWhole WheatやMultigrainといった茶色のパンが主流です。容量は1袋あたり20〜24オンス（約600g）で、15枚前後入っています。価格帯は2〜6ドルと幅広く、ヘルシー志向の食パンは価格が高めです。（価格はWalmartを参照¹）

アメリカの主な食パンの種類は、以下のとおりです。
White Bread：シンプルな白い食パン
Whole Wheat Bread：全粒粉小麦粉を使用した茶色い食パン
Multigrain Bread：2種類以上の雑穀を含む食パン
Sourdough Bread：天然酵母パンで、酸味が特徴

菓子パンは、マフィン、ドーナツ、シナモンロールなどが定番です。

韓国

基本的な白色の食パンに加えて、全粒粉小麦、ライ麦、とうもろこしの食パンも販売されています。容量は1袋あたり400g前後で、約10枚入りの薄切りタイプが主流です。価格帯は2,000〜3,500ウォン（約220〜390円）です。（価格はLotte Martを参照2）

菓子パンについては、日本と同様にあんぱんやメロンパンが販売されていますが、以下のような韓国オリジナルの定番菓子パンもあります³。

ソボロパン：メロンパンに似た形状で、パン生地の上にカリカリのクッキー生地がのっている。
クァベギ：ねじり揚げドーナツ。もち米が使用されることが多く、もちもちとした食感が特徴。
チャルトッパン：中に大福餅が入ったパン。
ケチャルパン：タピオカ粉入りのゴマパン。外側はカリッと、中はもちもちとした食感。

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グルテンフリーのトレンド

アメリカでは、一般向けスーパーでも手軽にグルテンフリーのパンを購入することができます。例えば、大手食品メーカーCongraAgra Foods社のグルテンフリー製品ブランドのUdi’s は、食パンから、ホットドッグ用パン、バゲッド、イングリッシュマフィン、ベーグルまで多彩なパン製品を販売しています。さらに、食パンの中でも、白い食パンだけでなく、穀物や種をブレンドして栄養価を高めたグルテンフリー食パンも展開されています。

また、アメリカでは、ホットケーキやマフィン、ブラウニーをつくる家庭用のミックス粉も、グルテンフリー商品が豊富に販売されています。

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グルテンフリーで活路を見出す米粉の現在

アメリカのドーナツ

アメリカには小さなローカルショップから全米チェーンまで多くのドーナツ専門店が存在します。季節商品も多く、秋から冬にかけてはパンプキンスパイス、アップルサイダー、エッグノッグといったフレーバーのドーナツが定番です。また、キリスト教の祝祭日であるFat Thursday（毎年2月頃）には、アメリカ中西部ではポーランドの伝統的な丸型ドーナツ「ポンチキ（paczki）」がスーパーやドーナツショップに並びます。

アメリカのドーナツ市場は競争が激しく、新しい店舗が続々とオープンしています。ここでは、ユニークなドーナツ専門店を2つご紹介します。

Holey Grail Donutsのドーナツ
（写真提供：Holey Grail Donuts）

1. Holey Grail Donuts（ハワイ、カリフォルニア）：ハワイの伝統食材であるタロイモを生地に使用し、ココナッツオイルで揚げたヴィーガンドーナツを提供。

2. Sidecar Doughnuts & Coffee（カリフォルニア）：ユニークなフレーバーと、ドーナツの美しいビジュアルで知られる。特に、ピンク色のハックルベリーのグレーズがかかったドーナツが人気。また、エッグベネディクト風ドーナツや、グルテンフリードーナツも提供。

アジア市場でのトレンド

今、韓国では、コンビニやカフェで、伝統菓子の薬菓（ヤックァ、ヤッカ）を使ったアレンジスイーツが人気を集めています。薬菓は、花の形をした甘い揚げ菓子です。韓国のコンビニチェーンCUは、薬菓をトッピングしたタルトやクッキー、あんぱん、オムレツケーキなどを新商品として販売しています⁴。また韓国のコンビニGS25も、自社ブランドから薬菓のクリームチーズクッキーやドーナツを販売しています⁵。

台湾では、ミルフィーユ食パンが話題となっています。生クリームとバターをふんだんに使った生地を、食パン型にミルフィーユのように何層にも重ねて入れて焼き上げたもので、生地を1枚ずつはがしながら食べることもできる食パンです⁶,⁷。

まとめ

海外のパンやスイーツ商品は、地域ごとに異なるトレンドやフレーバーが存在します。近年、日本では韓国のクロッフルやトゥンカロン、台湾カステラなど、アジアのスイーツが大きなトレンドになっており、今後も海外市場から影響を受けて、どのようなヒットグルメが誕生するか注目です。

【参考文献】
^*1https://www.walmart.com/
^*2https://www.lotteon.com/p/display/main/lotteon
^*3https://www.konest.com/contents/korean_life_detail.html?id=25993
^*4https://cu.bgfretail.com/prCUduct/product.do?category=product&depth2=4&depth3=3
^*5http://gs25.gsretail.com/gscvs/ko/products/youus-different-service#
^*6https://www.walkerland.com.tw/subject/view/348364?utm_source=LineToday
^*7https://www.cotta.jp/special/article/?p=62139

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