近年、CBD (カンナビジオール) が国内で話題になっています。新たなサプリメントとして期待される一方で、安全性や製造工程の透明性に対する不安の声も上がっています。直近では、HHCH (ヘキサヒドロカンナビヘキソール) を含有した「大麻グミ」と称される商品が販売され、世間で大騒ぎとなりました。一方で、大麻取締法が改正され、CBDの商機も高まり始めています。今回は、何だかよくわからないと成分と思われているCBDについて、詳しくご紹介します。
※当社では、現在CBDの取り扱いを行っていません。
CBD (カンナビジオール) はカンナビノイドの一種です。カンナビノイドはアサに含まれる物質の総称であり、100種類以上存在します。CBDの研究は海外を中心に行われており、ストレス緩和作用、抗酸化作用、抗炎症作用などが報告されています。さらには、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症抗がん、関節リウマチなどにも有用である可能性が報告されており、注目されています。
CBDというと危ない成分というイメージを持たれている方も多いかもしれません。この
要因として、大麻草由来の原料が挙げられます。大麻草由来ということで、いわゆるマリフ
ァナ同様に、幻覚作用を有する危険なのものと捉えられることがあります。2021年に実施
された株式会社PLAN-Bの調査では、CBDのイメージとして「大麻草由来なので抵抗があ
る」が35.7%で1位、「怖い」が14.7%で2位という結果となっています 1)。しかしながら、
マリファナが精神活性作用のあるテトラヒドロカンナビノール(THC)を有するのに対し、CBDは精神活性作用を有しません。WHO (世界保健機関) が2018年に発表したカンナビジオール (CBD) 批判的審査報告書では、「現在のところ、CBD の嗜好使用のエビデンスにおいて公衆衛生上の問題はない」と結論付けています 2)。
CBD製品は近年国内でも取扱数が増えており、注目されています。精神的な落ち着きを求めて製品が使用され、コロナ禍とも相まって注目が高まっています。株式会社矢野経済研究所が2022年に実施したCBD製品市場に関する調査では、2019年では47億円であった市場規模が、2021年では185億円、2022年では259億円と見込み、2025年には829億円と予測しています。CBD製品は、リキッド、オイル、カプセル、飲料、グミなど様々あります。最近では、大手製菓会社がCBD製品の製造を行うなど、確実に広まっています 3)。
2023年12月6日に、改正大麻取締法が参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。今回の改正で、大麻の使用罪が新たに創設される一方で、大麻草原料の医薬品の利用が認められます。この流れを受け、CBDの活用もより推進されると見られています。従来では、THCが混入しているCBDの粗悪品が問題となっていましたが、国内で統一的な検査体制はありませんでした。今後は、THCの残留値や検査体制などについて統一規格を設ける方向で進みます。より一層、CBDの活用が促進される見込みであり、CBD食品の開発のニーズも高まっていくと考えられます。
※当社では、現在CBDの取り扱いを行っていません。
参考文献
1) エラベル(ELABEL) https://elabel.plan-b.co.jp/health/3205/
2) カンナビジオール(CBD)批判的審査報告書
http://cannabis.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20200921103710-DB754AC13A95C5E225F5538C81E58E6C430926661E31BAE9EA764C859E33ECBA.pdf
3) 株式会社矢野経済研究所 CBD製品市場に関する調査を実施(2022年)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3013
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