日経トレンディ2024年12月号で特集された「2025年ヒット予測ベスト30」では、味の素冷凍食品の「おべんとPON」が4位に入りました。こちらの商品は公式webサイトで「お弁当づくりをもっと楽にする まったく新しいカタチのおかずです。」と謳われており、いわゆる「スぺパ」ニーズに対応をしたものとなっています。今後ますます注目されると考えられる「スぺパ」について解説します。
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「スぺパ」とは「スペースパフォーマンス」の略で空間対効果を指す言葉になり、限られた空間を有効に活用することを意味しています。例えば家具・家電分野では、1台で複数の機能を持つものを選ぶことが「スぺパ」の実践になります。自宅の限られた空間において、空間的なゆとりと利便性・効率性の両立を追い求めるライフスタイルになります。「スぺパ」を実践することで、結果的に時短や出費の削減につながることがあり、「タイパ」や「ウェルパ」とも関連深いものとなっています。
「スぺパ」は近年注目されている概念ですが、コロナ禍で広まったテレワークがその一因となっています。株式会社アンビシャスが2023年に実施した調査1)では、「スぺパ」を実践し始めたきっかけとして「テレワークによる自宅環境を整えるため」が最多となっています。さらに「値上げラッシュにより買いだめが増えた」、「引っ越し先が狭くなった」と続き、物価上昇や自宅の狭さなども、空間の有効活用を実践しようとするきっかけとなっています。
味の素冷凍食品が2024年8月11日に発売開始した「おべんと PON」は、スティック形状のお弁当向けの冷凍のおかずになります。一般的にお弁当向けの冷凍のおかずは、小分けのトレイに入っていて、冷凍庫内でかさばったりします。トレイ不使用の「おべんと PON」では、冷凍庫内で縦入れも可能で、コンパクトに収納することができます。お弁当に盛り付ける際も、トレイを不使用のため袋から容器に直接入れられ、さらにごみもかさばらず捨てることが出来ます。収納効率の高さは、トラックでの輸送時や倉庫での保管時でのメリットも考えられます。
上記のような特徴を有する「おべんと PON」は、冷凍庫の空間を有効活用できるところや、盛り付けや廃棄の手軽さから、食品分野の「スぺパ」商品であり、日経トレンディ2024年12月号の「2025年ヒット予測ベスト30」では4位に入っています。フジテレビのめざましテレビなどでも取り上げられており2)、まさに2025年の注目商品といえます。
「スぺパ」訴求の食品としては他にも、食品スーパーOisixが通常よりもミニサイズな野菜をスペースパフォーマンスのいい「スぺパベジ」として発売しました。その一例が「スぺパベジ 使い切り!あめ玉キャベツ」になります3)。ミニサイズの野菜は、使い切れるサイズのものを冷蔵庫に入れるという観点から、「スぺパ」の視線は野菜にも向けられています。
今回はますます注目されると考えられる「スぺパ」について解説しました。限られた空間をどのように活用するかは、生きる上で意識する点ですが、その視点が今後は食品にも鋭く向けられていきそうです。「スぺパ」は「タイパ」、「コスパ」、流通、SDGsなどにも関わるため、包括的な視点からの取り組みを進められそうです。
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参考文献
1) 「スペパ」って知っている?スペースパフォーマンスを上げる人が増えている!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000072.000086366.html
2)めざましmedia 次に来るのはコレ!日経トレンディ2025年ヒット予測 “第2の脳”肩掛けAI・「スペースをとらない」お弁当冷凍食品
https://mezamashi.media/article/15491281
3) オイシックス・ラ・大地株式会社 プレスリリース 2024年11月20日
https://www.oisixradaichi.co.jp/news/posts/241120newcabbage/
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