「競技かるた」の第一人者・粂原圭太郎さんのインタビュー、締めくくりとなる三回目は、名人にとってかるたとは何か、これからの夢などについて伺っていきます。
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--ところで、かるたの百人一首の中で一番好きな歌はどれですか?
(粂原名人)
55番の「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」、大納言公任の歌ですね。
滝が止まってしまい流れる水音は聞こえなくなって久しいが、素晴らしかったというその名声は、時を超えて今でも聞こえてくる、と。この歌のように、自分が選手として第一線を引いた後や、一生が終わったあとでも、「粂原さんという人は凄かったね」と語り継がれるような、そんな高みを目指していきたいんです。
--なるほど。そうすると、かるたは名人にとって人生そのもの、と?
(粂原名人)
いえ、とても大切なものではあるけれど、少なくとも生活の中心ではないですね。食事で言えば、メインディッシュではなくて、米やみそ汁かな。必要要素ではあるけれど、たまに抜くこともある。そんな存在です。
--ちょっと意外です。
(粂原名人)
メインはやっぱり、仕事である塾の経営や自分の勉強です。実は今、司法試験を目指して勉強しています。でもそれをやっていくに際して、かるたから力をもらっていることは間違いありません。逆境にあっても立ち直れる、自分はできるという自信をくれたのは、かるたです。かるたにはどれだけ感謝してもし切れませんね。
--「ちはやふる」では、競技かるたから生まれる恋も描かれていますが、そのあたりは?
(粂原名人)
まあ、百人一首には恋の歌もたくさんありますしね。そういうところからかるたに興味を持つのも、いいことだと思うんです。それに、「ちはやふる」に描かれていたように団体戦は男女混合でありますから、恋が生まれることもあると思います。実際私もこれまでお付き合いした方には、かるたをやっていた女性もいますし。歴代クイーンには素晴らしい方が多く、尊敬をしています。
--では将来の伴侶も……。
(粂原名人)
いや、それはどうかな。どちらもアリだと思っています。話題が共通ならそれはそれでいいし、まったくかるたなんかしないわ、というひとでもいいな、と。
--これからの人生でこれは実現したいと言うのはありますか?
(粂原名人)
そうですね、京都大学を卒業するときに、周りは普通に就職していきましたが、自分はそれは考えなかったんです。週に5日勤めて2日休むという生活は、やりたいことはとことんやる、という自分の性には合わないと思ったんですね。欲張りだとは思います。小学校時代ドラムをやっていて楽器も大好きだし、カラオケももっと上手くなりたい。趣味の将棋も上手くなりたいし、ダーツのプロ試験にも合格したいし、麻雀ももっと腕を磨きたい。本もどんどん出したいし、テレビに出て話をするのも好きです。でも全部自分の中では繋がっているんですよ。かるたにも、勉強にも。
--たしかに欲張りですね(笑)。これから競技かるたにはどんなことを望みますか?
(粂原名人)
せっかく「ちはやふる」で注目してもらったので、もっともっと競技人口を増やしたいですね。先々は、囲碁や将棋にある「プロ制度」などもできるといいのですが……。
そのためには、まずよく知らない人にも対戦を楽しんで見てもらえるような工夫を、こちらもすべきだと思います。将棋の大盤解説会やフェンシングの剣先の動きを可視化する取り組みは参考になりますね。
--ではこれからも、クレアチンをエネルギー源にして頑張っていただかないと(笑)
(粂原名人)
そうそう、しっかり飲みますよ。あ、ひとつ提案があって。クレアチンがタブレットになっていたりすると、試合や練習の合間でももっと摂りやすかったりするのですが。
--なるほど! メーカーに伝えます。今日は長いことありがとうございました。
自然体でいながら「有言実行」の強さをしっかり持っていることが伝わってくる粂原名人。これからも応援のエールを送りたいと思います!まずは、防衛戦の必勝を!
・団体戦と個人戦
競技かるたには1対1の個人戦と、団体戦が存在する。「ちはやふる」で描かれる高校選手権などの団体戦では5組が同時に試合を行い、先に3勝した方が勝ちとなる。団体戦では味方の選手同士がコミュニケーションを取ることが許されていて、チームの団結力も勝敗を左右する。
・運命戦とは
自陣・相手陣ともに残り札が1枚のみになった状態、究極の接戦を「運命戦」と言う。どちらの札が先に読まれるかで勝敗の運命が決することにその名が由来する。
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