おすすめレシピ~8選~
今、世界中で注目が集まっている「スポーツニュートリション」市場。スポーツニュートリションとはスポーツドリンク、スポーツフードやスポーツサプリメントなどスポーツをする人々のために開発された食品全般のことを指します。Zion Market Researchの調査(2017年)によると2016年に283.7億ドルであった世界のスポーツニュートリション市場は2022年には452.7億ドル(約5兆円)まで拡大すると予想されています。今回は、このスポーツニュートリションの概要と、注目素材2つをご紹介します。
目次
スポーツニュートリションとは、主にアスリートやボディビルダーなどのほか、筋肉を鍛える一般の人々、ジョギングやウォーキング、登山などのスポーツ愛好家などを対象とした製品群です。例えば、代表的なのがプロテインやBCAAをはじめとしたアミノ酸系のフードやサプリメントです。
長年にわたりアスリート、ボディビルダーに支えられてきたスポーツニュートリション市場ですが、近年のライフスタイルの変化にともなって、軽い運動やレクリエーションを楽しむ層でも消費されるようになりました。それにともないパワー系のプロテインやサプリメントだけでなく手軽にとれるタイプの製品も増加しています。
このスポーツニュートリション市場は世界的に伸びを見せています。
Euromonitor Internationalの調査(2015年)によると、2015年232億円だった日本のスポーツニュートリション市場は、2020年には244億円に成長するといわれています。うちプロテイン市場規模は100億円で大きなシェアを持っています。市場の拡大、ユーザー層の変化に伴い「増強」「UP」という訴求点から「リカバリー」「維持」といった訴求で広まっています。世界と比べると市場規模はまだ小さく、伸び率も低いですが、その分、今後拡大の余地があるといえます。
また日本の統計でも日本のスポーツニュートリション市場の伸びが見て取れます。
公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2014」ではスポーツ部門は3兆9,180億円で前年比0.1%増し、フィットネスクラブ市場は4,240億円で前年比2.9%増しという結果になっていました。いずれも大きな規模である上に伸びている市場であることがわかります。
前述の通りかつてアスリートなどのコア層向けだったプロテインやBCAAなどのアミノ酸系も、すでに一般スポーツ愛好者に利活用されています。実際、日本国内では、コンセプトを明確にしたRIZAPやカーブスなどの現代のライフスタイルに沿ったジムやフィットネスクラブが台頭しています。
また、今後は、アクティブシニア層向けにロコモティブシンドロームやサルコペニア対策を意識した筋肉量の維持・増加をねらう製品が活性化するのではないかとみられています。
期待が高まるスポーツニュートリション市場に向けて商品開発を行う際に、プロテイン・BCAAに続く素材として注目されているのがクレアチンです。スポーツニュートリション大国アメリカではすでに高い認知を獲得しているクレアチンの露出度が日本でも上がってきました。
クレアチンとは広義のアミノ酸の一種で、もともと人間の体内に存在する物質です。例えば70kgの男性の体内には、約140gのクレアチンが貯蔵されているといわれています。95%は骨格筋組織で、残りの約5%は心臓や脳や睾丸に含まれるといわれています。また、食材においては魚類、肉類などに含まれています。
クレアチンは、運動時、筋肉に対して瞬時に大きなエネルギーを供給するために働きます。オリンピックでも多くのアスリートがクレアチンのスポーツニュートリションを使用したとされています。
表示は「クレアチンモノハイドレート」です。またクレアチンは、平成13年3月27日付厚生労働省文書(医薬発第243号)「医薬品の範囲に関する基準の改正について」の中で「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り食品と認められる成分本質リスト」で「食品」と分類されています。
また平成13年6月28日付厚生労働省文書(食基発第20号)において、クレアチンは「一般に食品として飲食に供されるもの」として「食品添加物」ではなく、「食品」に分類されることが確認されています。
クレアチンは、各国でその効果が証明されています。
例えば、ヨーロッパのEFSA(European Food Safety Authority/欧州食品安全機関)において、クレアチンは「短期、高負荷の継続した運動において肉体的パフォーマンスを高める」とされています。またオーストラリア連邦政府の機関であるAIS(Australian Institute of Sports/オーストラリア国立スポーツ研究所)では、スポーツ選手へ推奨する数少ないサプリメントとして、クレアチンモノハイドレートを挙げています。
「Creapure」というドイツのアルツケム AG社によるクレアチンモノハイドレート製品のブランドは、アスリート、スポーツ愛好者、高齢者、リハビリ患者を対象にパフォーマンス維持を確認する実験を行いました。高速自転車こぎを6秒間ずつ、10セット繰り返し、それぞれのセット間には30秒の体力回復期を設けるというものです。そしてクレアチンは20gを6日間に渡って摂取されました。結果、クレアチンは「パフォーマンスを向上させる」「瞬発系の持久力を高める」ことがわかりました。
クレアチンは次のような商品形態で使用されています。
・サプリメント
・エナジーバー
・エナジーゲル
・ジェリービーンズ
続いて、もう一つ注目のスポーツニュートリション素材として「テフ」があります。
テフは、優れた栄養価を持つイネ科の穀物で、古来からエチオピアにおいて主食として食べられてきた食材です。
スポーツに最適な栄養素である鉄分・BCAA・良質なタンパクが含まれているほか、必須アミノ酸を含む優れたアミノ酸組成を持っています。また卵と同等のアミノ酸バランスを持つことも注目されています。
テフには、主にグルテリン、アルブミン、グロブリンといったタンパク質が含まれますが、いずれも消化されやすいことから消化吸収が早いのも特徴です。
テフは、鉄分を豊富に含むことから、特に鉄分が不足しがちな女性ランナーにも最適とされています。女性ランナーがテフを対粉20%配合したパンを6週間食べると、食事からの鉄摂取量が38%向上し、耐久運動の指標であるtime-to-exhaustionのパラメーターが24.5%向上したという報告(※)があります。
※DEVELOPMENT OF NUTRIENT-RICH TEFF BREAD AND ITS EFFECTS ON IRON STATUS AND EXERCISE PERFORMANCE IN FEMALE RUNNERS IEVA ALAUNYTE PhD 2013
テフは次のような商品形態で使用されています。
・プロテインバー
・パン及びパンケーキ用ミックス粉
・フレーク
・パスタ
世界的に健康志向が高まる中、スポーツニュートリション市場は世界的に伸びており、日本でもさらなる拡大が期待されています。特に注目を集めるクレアチンやテフといった素材商品開発に取り入れることで、より人々のニーズに応えられると考えられます。
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