ゼラチン・増粘多糖類を
活用した
「グミ市販品調査レポート2019」でも取り上げた立体感のあるグミ。味や食感だけでなく見た目で差別化を図る3Dグミが注目されています。日本でもすでにフルーツや動物の形をしたグミやブロック状のグミなど立体的で面白い形状の商品がすでに販売されており、SNSでも見かけるようになりました。これからは味や食感はもちろん、目で見て「楽しむ」要素がより一層重要になっているようです。
この3Dグミ、製造という観点ではハードルが非常に高いのが実情です。今回は、なぜ難しいのか、どうすればよいのかご紹介します。
グミ製造ラインは、スターチモールドと呼ばれるスターチ(澱粉)に型を押し当ててその凹みにグミ液を注いで固める方法が主流です。この方法では、充填した時に上側の面は平面となりますので半立体のグミしかできません。そのため通常の製造ラインでは全体が立体的なグミを作ることは困難です。
設備投資をしてシリコンモールドやメタルモールドと呼ばれる型を組み合わせ、その中にグミ液を充填することによって立体的なグミを作ることができます。しかし、これらの型を用いて製造をしようとすると、通常のレシピでは乾燥が足りず剥離しにくく、生産面で課題が生じます。
このように通常のグミ製造ラインが使えないことや、専用の型をつかってもうまく製造できないことから技術的に大量生産が難しいのです。
ゼラチン・増粘多糖類を
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グミを固める主原料はゼラチンですので、ゼラチンの固まるスピードや剥離性が改善されれば大量生産の道が開けてきます。そこでいま期待されているのが3Dグミ用ゼラチン “SiMoGel”です。このゼラチンはスターチレスの需要を受けてシリコンやメタルモールドでの製造に適したゼラチンとして開発されました。従来のゼラチンより固まるスピードが速く、型からの剥離性が高いのが特徴です。
ゼラチン・増粘多糖類を
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5Gの商用サービスも始まるなか食品でも視覚的要素はますます重要となっています。そういったウォンツへの一手として3Dグミは面白いのではないでしょうか。まだまだ技術的ハードルは高いものの今後も注視したい分野です。
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