アメリカのベビーフード

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普段のコラムでは大人の食トレンドについて取り上げていますが、アメリカの赤ちゃんはどのようなベビーフードを食べているのでしょうか。健康志向の高まりを受けた大人の食トレンドが、市販のベビーフードにも反映されているようです。今回はアメリカのベビーフード事情についてお届けします。
(調査日:2020年7月)

簡単に栄養補給ができるベビーシリアル

赤ちゃんは生後5ヶ月頃になると離乳食が始まります。日本ではお粥から始まりますが、アメリカでは市販の「ライスシリアル」が使われることが多いようです。シリアルという名前がついていますが、コメを粉末状にしたもので、水やミルク、母乳で溶かしてドロドロにしたものを赤ちゃんに食べさせます。ライスシリアルから始めるのは、アレルギーが出にくいためです。また、アメリカのベビーフードの大手メーカーGerberは、生後6ヶ月頃からの商品としてマルチグレインシリアルや、全粒粉シリアル、オーツ麦・雑穀・キヌアをブレンドしたシリアルを展開しています。このような粉末のベビーシリアルは離乳食期の赤ちゃんに不足しがちな鉄分やビタミンなどが強化されており、簡単に栄養補給ができるためアメリカで広く普及しています。

大人の食トレンドを反映したベビーフード

アメリカのベビーフードには、野菜と果物を使った商品が多く見られます。離乳食初期の商品は、にんじん、えんどう豆、桃、りんごなど1種類の野菜もしくは果物をピューレ状にしたものですが、生後6ヶ月以降の商品になると数種類の食材がブレンドされたものになります。使われる食材も増え、ビーツやマンゴー、グアバ、ココナッツミルク、デーツ、シナモン、サンフラワーシードバター(ひまわりの種バター)のように、日本のベビーフードでは使用されない食材も使われています。近年は、瓶やプラスチック容器に入ったベビーフードよりも、パウチタイプが人気になっています。
アメリカには着色料を使用したカラフルなお菓子や、砂糖をたくさん使用したケーキなどヘルシーとは言えない食べ物も多くありますが、市販のベビーフードは添加物や砂糖を使用していないものがほとんどです。またパッケージには、「非遺伝子組換え」や「オーガニック」マークがついた商品も数多く見られます。最近では「植物性タンパク質」や「古代穀物」、「スーパーフード」、「コールドプレス」、「環境再生型有機農業」など付加価値が付いたベビーフードも販売されており、大人の食品トレンドがベビーフードにも反映されているようです。

植物性タンパク質

オーガニックベビーフードメーカーのSprout Organic Foodsは、Plant Protein Blends(植物性タンパク質ブレンド)シリーズを展開しています。例えば、バターナッツスクウォッシュ、ヒヨコ豆、キヌア、デーツ、オリーブオイル、生姜をブレンドした商品は、総量が113gで、タンパク質は3g(1日の摂取量の21%)含まれています。同シリーズのその他のタンパク質食材には、白インゲン豆やレンズ豆が使用されています。

コールドプレス

ハリウッド女優ジェニファー・ガーナーが共同創設者として参画しているOnce upon a Farmは、コールドプレスのベビーフードを展開しています。従来のベビーフードは高温殺菌により賞味期限をのばしていますが、同社の商品は熱を加える代わりに超高圧処理によりベビーフードを生産しています。そのため、熱に弱いビタミンや酵素をそのままに摂取することが可能です。同社の商品は冷蔵の状態でスーパーマーケットに並んでいます。

環境再生型有機農業

オーガニックベビーフードメーカーのHappy Familyは、2020年2月から高級スーパーマーケットチェーンのWhole Foods Market専用商品として、Happy Baby Regenerative & Organic Pouchesシリーズを展開しています。りんごやケールなどこの商品に使われている食材は、堆肥、被覆栽培などを通じて健康的な土壌を作り上げることで気候変動の回復につなげる「環境再生型有機農業(Regenerative Organic Agriculture)」によって栽培されています。

最新のベビーフード宅配サービス

近年アメリカでは、定期購入型のベビーフード宅配サービスがいくつか出てきています。Little Spoonは、オーガニック食材から作るコールドプレスのベビーフードを展開しています。ウェブ上でいくつかの質問に回答すると、カスタマイズされたピューレ状のベビーフードが2週間ごとに宅配されます。食材は100種類以上で、ココナッツオイルやターメリック、スピルリナといったユニークな食材も使用されています。保存料は使用されておらず賞味期限は14日間です。また、同社は離乳食期の赤ちゃんが使用できる粉末状のサプリメントのデリバリーも展開しています。
Tiny Organicsは8ヶ月以降の乳幼児を対象にした食事を冷凍で宅配するサービスをおこなっています。電子レンジまたはコンロで解凍すればすぐに食べることができ、冷凍の状態では3ヶ月保存が可能です。食材はすべてオーガニックそして植物性です。メニューにはラタトゥーユやココナッツカレー、アップルパイオートミールなどが並び、同社は、早いうちから子供に野菜の味や健康的な味付けに慣れさせる機会を与え、生涯を通じて食に興味を持ち健康的な食生活を築くための機会を提供しています。
このようにアメリカでは、大人の健康志向の高まりにあわせて、高付加価値ベビーフードの発売が続いており、今後もこの流れは続きそうです。

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