アメリカの自然派食品スーパー大手「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」は、10月19日に2023年の食品トレンド予測を発表しました。例年10月ごろにWhole Foods Marketは翌年の食トレンドを予測しており、今年で8回目を迎えました。今年のTOP10にノミネートされた商品テーマは一貫して、サステナブルやアニマルウェルフェアなどエシカル消費に結びつく内容が見受けられました。
本コラムでは全10テーマをご紹介、次回以降は商品詳細を3回に分けご案内いたします。
目次
1つ目は、【新しい一杯】としてヤポンが取り上げられました。ヤポンとは、カフェインを含むヒイラギ科の植物でアメリカの南東部に生息しています。アメリカの先住民はヤポンをハーブティーに淹れ、お清めの儀式で飲んでいたようですが、現在はカクテルに入れるなど、独特な風味と効能が注目を集めています。
2つ目の【目的のあるパルプ】とは、代替ミルクの製造過程で発生する副産物であるパルプをアップサイクルした商品を指します。ナッツやオート麦の代替ミルクの需要の高まりを受けてこそのトレンドだと考えられます。
3つ目には、【農産物を使った代替パスタ】と題して、植物性パスタが選ばれました。ひよこ豆のパスタやカリフラワーのニョッキをはじめ、ズッキーニ、カボチャ、青バナナなど様々な植物性パスタの展開が見られます。グルテンフリーなどの代替食の需要はもちろん、野菜・果物を積極的に取り入れたい層からの注目も高まりそうです。
4つ目は、【偉大なるデーツ】として、デーツが天然の甘味料として改めて脚光を浴びています。2022年の春にはTikTokでスニッカーズ風のレシピが拡散されるなど、活用用途に広がりが見られます。
5つ目は直訳すると【鶏革命】となりますが、アニマルウェルフェアの広がりに伴う、鶏肉や卵を購入する消費者の態度変容が着目されています。鶏卵に関しては、ケージフリーであること以上に、雌鳥の屋外で過ごす時間を重要視するなど飼育環境に求める基準が上がっています。
6つ目は【昆布の恵み】と題し、サステナブルな素材としての昆布の注目度の高まりが取り上げられました。大気中の炭素を吸収する昆布の素材特性を捉え、各国昆布の養殖が重要性を増しています。また昆布は成長時に真水や添加物を必要とせず、食品加工の環境負担も低いと考えられます。このような要素が元来評価されている、昆布の栄養価の高さと合わせ、代替食品への昆布の活用事例が増えていくことでしょう。
7つ目は、【気候変動に配慮した呼びかけ】です。あらゆる商品ブランドに対し、消費者は環境への配慮を求めるようになってきました。サステナビリティへの取り組みを商品ラベルに掲載し、サステナビリティへの取り組みを見える化することで、商品単品のみならず企業の環境保全に対する姿勢を品質として捉える動きが加速しています。
8つ目は、【レトロ・レミックス】です。ここでいうレトロとは、消費者が子供のころに親しんだ懐かしい味を意味し、そのノスタルジックな食べ物と現代の食トレンドをミックスさせた商品がレトロ・リミックスとなります。サステナブルな素材や健康志向のテーマを掛け合わせた商品展開にも注目です。
9つ目は、【愛犬には最高のものを】です。コロナ渦でペットを飼う家庭が増えたものの、働き方が著しく変化する中でオフィスワークに戻る飼い主も多くなったのではないでしょうか。以前よりもペットと過ごす時間が限られることから、ペットの健康への配慮が重要視されて始めています。
最後に【アボカドオイルに夢中】とし、高いオレイン酸含入量や発煙点が特徴のアボカドオイルが家庭での調味料としてだけでなく、スナック菓子やマヨネーズといった市販品の原料用途として活用に広がりが見られます。
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