欧米トレンドと
商品設計のヒント
新型コロナウイルスの影響により、家庭での朝食の消費量が増加し、手軽に食べられる朝食として、シリアルの消費が復活しました。また、健康への意識が高まったことから、食生活を見直す消費者が増えてきており、朝食用シリアルにも栄養強化などの訴求が求められています。海外では低糖質や高たんぱく、高繊維などの訴求以外に、ナチュラルやオーガニック、サステナビリティなどを謳った製品が増えてきています。
近年どの製品にも共通していることですが、シリアル製品でも“ナチュラル”“オーガニック”“未加工”などの言葉がパッケージに記載されることが増えました。特に加工の少ない製品は、サステナビリティにも優れるという印象を消費者に与えることができます。ヨーロッパでは添加物未使用を謳った製品がこの5年間で16%増加し、オーストラリアとニュージーランドでは2020年9月までの1年間に発売された朝食用シリアルの約82%は、ナチュラルさを特徴としていました。
栄養素としては、低糖質・高たんぱく・高繊維などの訴求が人気で、イギリスの消費者は、45%が高食物繊維製品を好んで食べるというデータもあります。成分としてはプレバイオティクス素材、プロバイオティクス素材が多く配合されている傾向にあります。
健康のために糖質の摂取を控えている消費者は多く、アメリカ成人の47%が低糖もしくは無糖シリアルを好んで購入しています。シリアル大手メーカーのケロッグは子供向けに無糖シリアルを販売しました。このシリアルは植物や果物の濃縮ジュースもしくは粉末などで着色・甘味付けをしており、いちご、りんご、ニンジン、ブルーベリー、ビーツなどが使用されています。
NestleのFitnessグラノーラシリーズからは、血糖値の上昇がゆるやかなパラチノースを配合した低GI商品が発売されています。また、その他の糖質源としては、同じく低GIの全粒オーツ麦が使用されています。
新型コロナウイルスの影響により、人々は健康、特に免疫に強い関心をもつようになりました。消費者の需要に応えるために、シリアルメーカーはプレバイオティクス素材やプロバイオティクス素材などを配合することで、腸内環境の改善、ひいては免疫へアプローチする製品の開発をはじめています。
温めた牛乳をかけたり、電子レンジで加熱するタイプの温めて食べるシリアルは、少しずつ市場に製品数を増やしています。特に近年は中国、イギリス、インドで数を増やしており、甘いものだけでなく、トムヤムクン味の辛いシリアルなど、ローカライズ化されたフレーバーのシリアルが発売されています。電子レンジ対応の容器を開発するなど、手軽さを追求したことで朝食以外の時間にも軽食として摂取することを促進されています。
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