ナチュラルおよびオーガニック業界における製品イノベーショントレンド〜市販品を紹介(1)

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前回のコラムでは、5月に開催されたアメリカのNatural Products Expo West Virtual 2021で発表された、ナチュラルおよびオーガニック業界における「製品イノベーショントレンド9つ」をご紹介しました。今回から2回にわたって、同展示会に出品された市販品をご紹介します。
(調査日:2021年7月)

Organic Matters:オーガニックの重要性

オーガニックは引き続き最も標準的なものとなりますが、多くのオーガニック企業が、認証取得だけにとどまらず、地球環境保護の取組みを実施するようになっています。
アメリカDr. Mercola社のSolspringブランドは、オリーブオイルやパスタソース、スパイス、コーヒーなど多岐にわたる商品を手がけています。同社の理念は、オーガニック農法を越えてバイオダイナミック農法を取り入れることにより、農地を生き返らせ、そこから収穫できる作物を食卓にもたらすことにあります。バイオダイナミック農法では、化学肥料や農薬など化学的なものは一切使用せず、地球や、太陽、月など天体と植物のリズムに合わせて種まきや収穫が行われます。今回紹介されている同ブランドのスパゲッティ(乾麺)の原材料は、イタリアのトスカーナ州とシチリア州でバイオダイナミック・オーガニック農法によって栽培されたデュラム小麦です。その他、同ブランドは、ターメリック(ウコン)入りのペンネや、スピルリナ入りのタリアテッレ(パスタの一種)も取り扱っています。

Year-Round Immune Support:年間を通した免疫力サポート

Flora社の免疫向上を訴求したサプリメント(写真同社提供)
https://www.florahealth.com/us/

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、インフルエンザシーズンのみの対応から、年間を通しての予防型へと消費者の行動が変わり、免疫市場はこの1年で大きく変化しました。

カナダとアメリカを中心にグローバルでサプリメントを展開するFlora社は、薬用キノコとして注目されているカワラタケ、ターメリック(ウコン)、および8種類のハーブ(ゴボウ、ヒメスイバ、アカニレの樹皮、クレソン、キバナアザミ、レッドクローバーの花、ショウヨウダイオウ、コンブ)を原材料とするサプリメントドリンクを販売しています*。同商品は、原材料の98%がオーガニックです。

* 同社によると、日本では、ショウヨウダイオウ(掌葉大黄)を除く7種類のハーブの商品が販売されています。

Peak Brain Performance:最高の脳のパフォーマンス

脳の健康を促進するメーカーは、集中力を培う、記憶と他の認知機能を改善、あるいは維持し、気分と振る舞いを調整する商品を開発しています。こういった商品は、できるだけ長い時間、脳が最適に機能することを担保することをゴールとしています。
カナダのErgogenics社は、8種類のキノコをブレンドしたホットドリンク用粉末を展開しています。8種類のキノコは、ヤマブシタケ、チャーガ、冬虫夏草、マイタケ、赤霊芝、シイタケ、カワラタケ、シロキクラゲです。同商品のフレーバーの展開は、オーガニックダークチョコレート、オーガニックコーヒー、抹茶の3種類となっており、お湯または温かい牛乳に溶かして飲みます。期待される効果は、集中力アップ、脳の健康のサポート、ストレスや気分の落ち込みの減少、免疫力向上などです。

A New Era for Fats:脂肪の新時代

Glanbia Ireland社のギー(同社写真提供)
https://www.trulygrassfed.com/

これまで無脂肪の商品が消費者の人気を集めていましたが、バランスの取れた生活の一環として消費者は健康な全脂肪を求めるようになっています。全脂肪牛乳やギーといった全脂肪乳製品、ココナッツやアボカド、ナッツなどの植物由来の脂肪が注目されています。

アイルランドを拠点とするGlanbia Ireland社のTruly Grass Fedブランドからは、ギーが販売されています。同商品の煙点は210℃と高くなっているため、炒め物やベーキングに向いています。Truly Grass Fed ブランドの特徴は、アニマルウェルフェア(動物福祉)とサステナビリティにあります。同ブランドは、約3,000の畜産農家から生乳を調達しており、どの農家もA Greener Worldという団体からアニマルフェルフェアの認証を受けています。乳牛は広い土地で育てられ、1年のうちの大半を屋外で過ごし、餌は95%が牧草という、家畜の快適性に配慮した飼育環境となっています。また、畜産農家が環境再生型農業を取り入れるなど地球環境にも配慮した形で家畜の飼育が行われています。ギーの他には、バターやチーズがあり、同ブランドの商品は2018年からアメリカでも販売が開始されています。

ギーはインドを中心とした南アジアで古くから作られてきたものですが、最近アメリカでは健康に良い脂として話題になりつつあり、スーパーマーケットでの取り扱いが増えています。プレーンタイプのギーだけでなく、ガーリック入りや、ターメリック入りの商品も見られます。

次回のコラムでは、市販品紹介の第二弾をお届けします。

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