ゼリーやプリンを固めるもととなるゲル化剤。固める素材として寒天やゼラチン、ペクチン、カラギナン、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム・・・など様々な物質があります。
それぞれに個性があり、例えばゼラチンでは弾力のあるゲルを作るのに対して寒天では硬く脆いゲルを作ります。物性の違いだけでなく溶解温度やゲル化温度、ゲル化条件も様々です。単体の素材だけで使われるケースは少なく、色々なゲル化剤やゲル化条件を組み合わせて無限の食感を演出しています。
ゲル化剤メーカーではこのような研究を地道に重ねて、新たな物性を作り上げてきました。長年の研究を通してこれまでにない物性を見つけたので報告します。
リセットゲルとは、「Re-set」つまり「再び、ゲル化セットする」という意味を込めて名付けた新しいタイプのゲルです。このゲルの製造にはユニテックフーズ(株)の新規ゲル化剤が使用されています。
ゲル化剤に求められる物性の一つに「再セット性」があります。再セット性とは、固まったゲルを崩しても静置すれば再度固まる(セットする)性質のことです。
例えば介護市場で流通している水分補給ゼリーでは、口腔内でゲルが崩壊し、水が生じると誤嚥リスクが高まるため、口の中で噛んでもゲルが崩壊して離水せず、まとまりのある状態で飲み込める物性が求められています。一方でまとまるように粘度を上げると口や喉に貼りつくようなベトベト食感になってしまいます。
このような課題を背景として生まれたのがリセットゲルでした。ゲルを崩しても再セットするため飲みこむ際に張り付くことなく適度なスピードで滑り落ちていくという特徴があります。
これまでにないレベルの再セット性を実現したことで新たな発見も生まれました。
従来のゲルはスプレーノズルのような微細な管を通すことができませんでした。ゲルで管が詰まるので、もはやゲルといえないレベルまで希釈する必要がありました。または加熱によって粘度を下げてから管を通し、冷却してゲル化せるという手間が必要でした。
ところがリセットゲルでは動画のように、これまでにない【ゲル→噴霧→ゲル】が可能となったのです。
ここで問題になったのが「使い道」です。
例えば、洗剤や洗浄剤をスプレーしてもダレて流れ落ちない、スプレータイプの化粧品で顔に塗布した際に有効成分が留まりやすい、などの用途を想定しましたが、その他にゲルが「微細な管」を通らなければならない状況がイメージできないのです。
食品用途では、そもそも砂糖やゲル化剤を溶かす際に加熱するため、ゲル状で送液や充填する必要性はありません。あまりにも新規性がありすぎてゲル化剤メーカーの固定観念にとらわれてしまいました。
そこでこのようなリセットゲルの個性を活かせる用途を募集中です! 数に限りがございますので応募多数の場合は抽選となってしまいますが、ご希望の方にはゲルのサンプルも送付いたします。食品業界に限らず、幅広く募集しています。新しい物性でモノづくりをしてみたいという方、是非お話聞かせていただけますと幸いです。お待ちしております!
今注目を集めている食品トレンド情報や
食品開発に関する資料を
無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。
ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、
カラギナンなど
ハイドロコロイドに
ついて徹底解説。
ハイドロコロイドの概要から、
各種の特徴を全75ページにわたって
徹底に解説しています。
是非ご覧ください。
食品の企画・開発に関わる人のための専門メディア「食品開発ラボ」は、ユニテックフーズ株式会社が運営しています。
当社では創業以来独自の素材・製品で新しい食品の価値を創造することをコンセプトに、ペクチンをはじめとするハイドロコロイドの研究や素材を組み合わせたこれまでにない特性を持つ製品の開発、加えてお客様のご要望に応じた当社製品を実際の食品に用いた利用・応用技術の開発を行っています。
商品企画・開発において何かお困りごとがあれば、きっと当社がお役に立てると思います。
是非お気軽にお問い合わせください。