日本国内の高齢化が進行する中で、高齢者市場は様々な業界から注目されており、さらには海外からも高齢社会のモデルケースとして関心が寄せられています。食品業界においても、高齢者をターゲットとした機能性表示食品、健康食品、たんぱく質強化食品などが販売されています。このような商品を拡販していくには、高齢者の実態を正確に把握することが求められます。今回は「令和4年高齢者の健康に関する調査」基に、高齢者の健康の実態や健康に対する意識をご紹介します。
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内閣府は高齢社会対策の施策の推進のために、高齢者に関する調査を毎年実施しています。その一環として、令和4年 (2022年) は高齢者の健康に関する調査が実施されました。
全国の65 歳以上(令和4年 10 月 1 日現在)の男女(施設入所者は除く。)4000人が対象で、 回答率が60.4% (2,414人) になります。質問のテーマは「健康状態と日常生活」、「医療・福祉」、「現在の就労活動や社会的な活動への参加」の3つになります。ここからは、各テーマの中で特徴的な質問を抜粋してご紹介します。
日常生活の8つの活動について、状況を質問した結果が図の通りになります。「バスや電車、自家用車を使って1人で外出していますか」、「自分で食品・日用品の買物をしていますか」については「している」+「できるが、していない」の合計が約85%を占めます。一方で「階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか」に対して「している」+「できるが、していない」の合計は約75%となっていて、10%の差が見られます。階段を昇ることが負担の一つになることが伺えます。
出典 : 令和4年 高齢者の健康に関する調査
健康について日頃心がけていることの内容は、図の通りになります。この質問の前の質問で。9割の方が、健康について心がけていると回答しています。健康について心がけていると回答した人々の心がけている内容を確認すると、高い順に「健康診査などを定期的に受ける」(67.7%)、「休養や睡眠を十分にとる」(67.3%)、「栄養のバランスのとれた食事をとる」
(65.8%)、「散歩やスポーツをする」(50.9%) となります。
「栄養のバランスのとれた食事をとる」が3番目 (65.8%)、「散歩やスポーツをする」が4番目(50.9%)となっており、食事や運動に対する関心の高さが伺えます。
出典 : 令和4年 高齢者の健康に関する調査
日頃からの身体の動かし方として内容を確認すると高い順に、「買い物に出かける」 (64.6%)、「調理や掃除など家事をする」(55.0%)、「散歩する」(40.8%)になります。少し激し目の身体の動かし方としては、「ウォーキングをする」(22.6%)、「運動をする (ジョギング・水泳など) 」(17.6%)が挙げられています。「特に身体を動かしていない」と回答した方は5.3%でした。
多くの方が身体を日常的に動かしており、運動習慣があるかたも約2割を占めています。
出典 : 令和4年 高齢者の健康に関する調査
調査結果の抜粋をみてきました。高齢者の多くは健康について心がけており、日常的に身体を動かす方も多いです。一方では日常生活での活動が制限されている方もいます。
今後の高齢者向けの食品においては、ますます、栄養バランスと身体活動の実施を両方ともサポートするようなもの重要になるように思われます。
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参考文献
内閣府 令和4年 高齢者の健康に関する調査結果 (2023年10月30日閲覧)
営業本部営業戦略G所属 2018年入社。
ゼラチンの基礎研究業務や機能性原料の営業業務への従事歴を持ち、現在はそれらで培った情報分析能力を生かし、機能性原料販売の企画・立案業務に取り組む。
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