サワードウは古くから親しまれているパンで、小麦粉やライ麦を原料とし、酵母と乳酸菌で共発酵するという特徴があります。一般的なパンとの違いの一つが乳酸菌を用いる点です。乳酸菌の長時間発酵により乳酸や酢酸などの有機酸が産生され、特徴的な酸味が醸し出されます。サワードウは、同じく発酵により作られるワインやビールと相性がよく、欧米ではお酒のつまみとしてサワードウを食べる習慣があります。また原料には全粒粉を用いることが多く、食物繊維や栄養素が豊富であるという特徴もあります。サワードウは欧米では街のパン屋さんだけでなく市販品としても販売されており、広く親しまれています。
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Pepperidge Farm社はアメリカに本社を置く製パン・製菓系のメーカーです。同社の提供するサワードウ(写真)は食パン様の市販品であり、原料には鉄やナイアシンなどのほか、クエン酸や乳酸が添加されています。
また流通大手のTESCO社(イギリス)が販売するTesco Finest Seeded Sliced Sourdoughは、小麦やライ麦、アマ、キビを原料に用いています。また添加物には乳酸と酢酸を用いているのが特徴です。
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サワードウの酸味は、乳酸菌の長時間発酵により醸し出されます。しかし市販品として生産する場合、長時間発酵はコストが多くかかったり、そもそも既存のライン設備では対応できなかったりといった問題が生じてきます。しかし人為的に酸味を添加して発酵時間を短縮・調節できれば、それらの課題を解決することができます。例えばクエン酸は酸味料表示で食品に酸味を付与する効果があります。一方、食品表示で酸味を添加できる素材として「風味補強材」があります。例えばバターバッズ社が提供するサワークリームコンセントレイトは、食品表示でありながら酸味を増強し全体の味をまとめることができる風味補強材です。さらに、このような風味補強材は風味の増強だけでなく、雑味のマスキングや、製品中の主原料の代替によるコストダウンなど、高い汎用性があるのが特徴です。
日本のパン市場は拡大しており、市販品には高いクオリティが求められています。低価格でハイクオリティな新商品開発のために、ぜひ風味補強材を検討してみてはいかがでしょうか。
(参考文献)
・MINTEL、https://clients.mintel.com/、(参照 2020/11/25)
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