食品のOEMを依頼する際には、依頼前の事前準備と適切な製造委託先選びが重要となります。そのポイントについて紹介します。
まず、OEM委託先との打ち合わせをスムーズに進めるために、以下の点を事前に準備しておきましょう。
どのような商品を開発したいのか、味、匂い、食感、見た目、栄養成分、ターゲット層、喫食シーン、想定価格などを明確化しておきましょう。ベンチマーク商品があればイメージのすり合わせに役立ちます。開発要件が具体的なほど委託先工場の選定や委託先とのコミュニケーションが容易になります。
開発要件にもかかわってきますが、販売や保管場所、用途によって、適切な保存方法や賞味期限、食品表示などが変わる可能性があります。そのためOEMの委託先を探す前に、まずはこれらの要素を明確にしておく必要があります。
例えば、冷蔵保存が必要な商品と常温保存可能な商品では、製造工程や殺菌方法が異なります。また、賞味期限についても、製造方法や包装方法によって大きく変わる可能性があります。希望する商品形態×販売方法が、製造上現実的なのかあらかじめ検討する必要があります。
具体的な殺菌条件や設備については、専門的な知識が必要となるため、信頼できる委託先に相談することをおすすめします。
容器や包装について、大きさ、容量、材質、希望する色味などを具体的に検討しておきましょう。参考となる商品があれば、OEM先に提示することで、イメージを共有しやすくなります。
食品は人々の健康に大きな影響を与えるため、その開発・販売は慎重に行う必要があります。
製造を委託する場合であっても、食中毒や異物混入などを起こさないために食品安全に関する知識が必要です。また、食品の形態によっては営業許可や届出が必要です。食品表示法に沿った表示ラベルや、ECでの販売では特定商取引法への対応も必要となります。
委託先がこれらの法律に精通していれば、適切な工程や表示などのアドバイスを期待できます。例えば、健康食品のパッケージや広告を制作する場合、景品表示法や健康増進法などの法律に注意する必要があります。関係者が法律に詳しいことで、誤った表示や広告を防ぎ、生活者を保護することに繋がります。
商品開発の成功には、自社のニーズに最適な受託工場を選び出すことが重要になります。以下のポイントを参考に、信頼できるOEM先を見つけましょう。
食品を扱うため、安全管理や衛生管理の体制が整っている受託工場を選ぶことが重要です。具体的には、ISO 22000、FSSC 22000、健康食品GMPGMP といった認証を取得しているか、第三者機関による品質検査を実施しているか、品質管理部門が設置されているかなどを確認する必要があります。また、大手食品メーカーとの取引実績も、厳しい品質管理基準を満たしている証明となり、信頼性の指標となります。
会社の信頼性を判断する上で、実績は重要な要素です。過去の実績からメーカーの信頼性を判断しましょう。豊富な製造実績を持つメーカーは、技術やノウハウが蓄積されており、高品質な商品製造が期待できます。また、長年経営を続けているメーカーは、顧客からの評価も高く、信頼性が高いと言えます。
原材料選びから販売方法の相談まで、幅広いサポート体制が整っている企業を選ぶと、スムーズに商品開発を進めることができます。とくに、初めてOEMを利用する場合は何から始めればいいのか迷うことが多いですが、手厚いサポート体制があることで安心して依頼することができます。
サポート体制の確認ポイントとしては、以下の2点が挙げられます。
開発要件の明確化から支援してもらえるのか、コンセプトの壁打ち相手になってもらえるかなど製造面以外の相談に対してどこまで対応してくれるのか確認しましょう。幅広く専門的なサポートしてくれる企業を選ぶと安心です。
商品が完成するまでには、予算や申請、販売戦略など、決定しなければならない項目が多数あります。商品化に関して、すぐに質問できるサポート体制があるか確認しましょう。また担当者との相性も業務効率に大きく影響します。依頼した場合にどのような体制で支援してもらえるのか事前に確認することをおすすめします。
受託工場によって得意な食品ジャンルは異なるため、希望する食品の製造を得意とする企業を選ぶことが重要です。具体的な食品ジャンルが定まっていない場合やバリエーション展開を考えている場合は幅広い形態に対応できる企業が良いでしょう。また、新規性の高い食品や特定保健用食品など専門性の高い食品の場合は、必要な知識や経験、技術を持つ企業を選びましょう。
製造工程の効率化など、コスト削減への意識も確認が必要です。生産ロットの柔軟性も、単価や在庫リスクや初期費用を抑える上で重要な検討事項です。ただしコストだけに目が行ってしまい他の要素を軽視すると、結果的に品質の低下や商品化そのものが頓挫することもあります。総合的に判断する目利き力が必要です。
食品の風味や食感はその価値を大きく左右します。おいしさ作りにこだわりを持つ受託先や担当者を選ぶことが重要です。具体的には、求める風味を再現できる技術力や、素材の持ち味を引き出す製造工程を持っているかなどを確認しましょう。
また、試作品への対応力も重要です。食品のOEMにおいて、試作品の確認はイメージした商品を作り上げるために不可欠です。おいしさの感じ方は主観的なものであり、見た目だけでは判断できません。そのため、試食を通してイメージと現物が一致しているかを確認する必要があります。試食品へのフィードバックに対しての実現力を見極めましょう。
OEMを利用することで自社工場や製造設備を持たずに商品を開発・販売できます。社外関係者となる委託先と、「どんな商品を作りたいのか」共通のイメージを持つことが重要です。食品のOEMを依頼する場合には、上記で挙げたポイントを整理・明文化してから委託先へ相談することでコミュニケーションコストの削減や商品化までの時間短縮に繋がります。
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